カーボンロッドとは、カーボン繊維を編みこんだロッドのことです。特徴は、軽量で感度が良く、弾性があることです。今回、釣りラボでは、カーボンロッドのメリット、デメリットや、取り扱いの注意点を紹介していきます。
カーボンロッドのメリット・デメリット
カーボンロッドとは、炭素繊維を織ったクロスをエボキシやフェノールなどの熱硬化樹脂で固めたシート(プリプレグ)を、高熱をかけながら筒状に巻いて製造した釣竿のことを言います。
かつては、ガラス繊維を熱硬化樹脂で固めたグラスロッドが主流でしたが、重量が重いこと、強度がカーボンロッドより劣ることから、現在はカーボンロッド全盛期となっています。
カーボン繊維は非常に軽量で、強度が強いため、航空機の機体やゴルフクラブなどの素材としても使われています。
カーボン繊維の含有量が高ければ高いほど、軽量で強いロッドが製造できますが、価格は高くなります。
カーボンロッドのメリット
グラスロッドと比較して、カーボンロッドのメリットはたくさんありますが、最大のメリットは軽さです。
一日中竿を振ったときの疲労度は段違いにカーボンロッドのほうが少ないです。
また、カーボンロッドは反発力が高いため、キャスト時の仕掛けの飛距離が長くなります。
そして、ルアーなどの操作性も優れています。
カーボンロッドのデメリット
カーボンロッドのデメリットとしては、素材の特性上、反発力が高いことで、魚のバイトを弾いてしまうことがあることです。
同様に、フッキング後のバラシもグラスロッドより多くなることが挙げられます。
また、特に高弾性のカーボンロッドは、瞬間的に大きな力が加わった場合、折れやすいというデメリットもあります。
カーボンロッドの弾性の違い
カーボンロッドの弾性率は「トン数」で表します。
これは、1mm✕1mmのカーボンシートを2mm✕2mmのサイズ、すなわち、4倍の面積に引き伸ばすための力を言います。
明確な基準は存在しませんが、一般的に、24t以下のものが「低弾性カーボン」、30t前後のものが「中弾性率カーボン」40t、46t、50t、55tのものが「高弾性カーボン」、60tを超えるものを「超高弾性カーボン」といいます。
低弾性の特徴
低弾性のものはしなやかに曲がり、粘りがありますが、重量がやや重いことが難点です。
高弾性の特徴
高弾性のものは軽量で高感度のブランクスが作れますが、瞬間的にかかる力に対しては弱い傾向があるため、カーボンテープをスパイラル状に巻いて、4軸方向、あるいは6軸方向に補強を図るなどしているものが多いため、価格が高い傾向にあります。
カーボンロッドの取り扱いの注意点
カーボンロッドの取り扱いにはいくつか注意しなければならない点がありますので説明いたします。
雷の時は触らない
カーボン繊維は導電性高いの材料ですので、雷が鳴るようなときは使ってはいけません。
ロッドに落雷する痛ましい事故が毎年報告されています。
同時に、鉄道の架線や高圧線などに絶対に触れないことです。
ロッドを立てたまま移動するときなど、誤って架線に触れてしまうと大事故に繋がります。
折れた時は触らないように気を付ける
カーボンロッドが折れて繊維がむき出しになっている部分は鋭い棘状になっています。
また、鋭い棘状のカーボン繊維は大変脆いため、皮膚に刺さると中で折れて、病院で摘出しなければなりません。
ロッドが折れた場合、折れた部分は絶対に触らないように気をつけましょう。
周囲の環境に注意して使用する
移動の時は必ずロッドを立てた状態で持って移動しましょう。
ロッドを水平に寝かせた状態で持ち歩くのは大変危険です。
カーボンロッドが壊れた時の対処法
ここでは、カーボンロッドの破損する箇所に分けて、対処法をご紹介します。
先端部が折れた場合
カーボンロッドの破損で最も多いのが、穂先の先端部が折れることです。
トップガイドにラインが巻き付いているのに気づかず更にリールを巻いてしまった、あるいは、ラインとショックリーダーの結び目がトップガイドに引っかかった、はたまた、根がかりを強引に外そうと無理に竿を立てたまま力任せに引っ張ったなどで、意外にも簡単に折れてしまいます。
通常の使用下でも、経年劣化で折れることもあります。
その場合はロッドの寿命であることが多いです。
「腰抜け」と呼ばれる、ロッド全体のハリがなくなり、反発力が低下する現象(いわゆる「へたり」)も寿命のサインです。
トップガイドに近い部分が折れた場合は、比較的簡単に補修が可能です。
折れたティップの先端部は避けていることがほとんどのため、裂けていない場所まで切り落とします。
切断方法は、爪切りやニッパーが便利です。
そして、残ったティップの先端に瞬間接着剤を少量塗り、新しいトップガイドを差し込みます。
中間部が折れた場合
ティップの中間部が折れた場合は大掛かりになりますが、テーパー状のカーボン芯材で継く修理方法があります。
折れたティップの割れた部分をそれぞれ切断します。
その次に、カーボンソリッド芯を数cm切断し、折れたティップを芯の両サイドに差し込んで接着します。
その後、継ぎ目の部分にエポキシ樹脂を塗り、カーボンロービングを巻き、さらに上からエポキシをコーティングします。
乾燥したら表面を研磨して、必要であれば塗装して仕上げます。
部品はすべて回収する
もし、不運にも、釣りの現場でロッドを破損してしまった場合は、例えば振り出し式の磯竿の小さなガイドなどはバラバラに飛び散ってしまいますが、それらの部品はすべて回収して持ち帰りましょう。
持ち帰ったパーツはよく観察し、致命的な傷や割れなどがないか確認します。
修理した後でガイドが割れていたとか、数が足りないことに気づいても後の祭りです。
部品ごとに修理する
ティップやブランクス以外の場所を破損してしまった場合、例えばガイドやグリップ、リールシートなども、修理ができる場合が多いですので、思い入れの強いロッドであればなおさら、修理にチャレンジすることをおすすめします。
カーボンロッドのまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「カーボンロッドのメリット・デメリットを紹介!取り扱いの注意点も解説!」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
もし、釣りに関してまだ知りたいことがあれば、サイト内検索をご利用いただくか、ぜひ関連する他の記事をご覧ください。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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