石ゴカイ、別名「ジャリメ」と呼ばれる生き餌をご存知でしょうか?主に小型の魚を釣るための万能餌として有名です。今回、釣りラボではそんな石ゴカイの付け方や保存方法、石ゴカイで釣れる魚の例などをご紹介します。ぜひご覧ください。
石ゴカイ(ジャリメ)とは?
石ゴカイは、イソメ目ゴカイ科に分類される多毛類で、正式な和名はイシイソゴカイと言います。
日本各地の沿岸の浅い砂地に分布しています。
釣りエサとして古くから日本では親しまれていたゴカイで、ハゼ、シロギスなどの小物釣りには欠かせないエサとして、通年入手できます。
類似するアオイソメはそのほとんどが韓国や中国からの輸入品であるのに対し、石ゴカイは国産が大半を占めます(一部は中国からの輸入品)。
石ゴカイは日本では養殖技術が確立しており、安定した入荷があります。
関東では「ジャリメ」として釣具店で売られています。
他に「砂イソメ」、「スナメ」などとも呼ばれています。
石ゴカイは、長らく釣りのエサとしての用途しかありませんでしたが、2000年代になり、石ゴカイの血液には、酸素運搬能力が人間の血液に含まれるヘモグロビンの20倍もあることがわかりました。
今後、研究が進み、遠くない将来、医療の分野で欠かせない存在となる可能性を秘めています。
石ゴカイの特徴
石ゴカイは、成長しても全長10cm程度までにしかならない小型のイソメで、身は細身で柔らかく、多くの魚が好んで食べます。
また、イソメ類の中では生命力が強く、針に刺したあとも活発に動くため、アピール力に優れています。
石ゴカイを使うときのの注意点
石ゴカイは掴むと粘度の高い体液を出しますので、針に刺す場合非常に滑りやすいです。
石粉と呼ばれる石灰岩の粉末を滑り止めとしてまぶすと扱いやすくなります(釣具店で手に入ります)。
アオイソメとの違いは?
石ゴカイとよく似た多毛類の釣り餌にアオイソメがあります。
アオイソメは石ゴカイよりひとまわり大きく、全長15cm〜20cmに成長します。
アオイソメは日本ではあまり存在せず、東京湾奥、隅田川河口付近で1900年代はじめに釣り餌として採取されていた記録があるそうです。
釣りエサとして日本で販売されているアオイソメはほぼ100%、中国、韓国からからの輸入品です。
通年、大量に輸入されているため、価格も石ゴカイより安価に入手できます。
魚の嗜好性が高いこともあり、石ゴカイよりもアオイソメの方が海釣りの万能餌としては親しまれています。
アオイソメには体内に発光器官が発達しているため、シーバスやメバルなどの夜釣りで威力を発揮します。
石ゴカイはどこで購入できる?値段は?
石ゴカイは、釣りエサを扱う釣具店、釣船屋などであれば容易に入手できます。
有名な陸っぱりの釣り場、釣り公園などのそばのコンビニエンスストアで売っている場合もあります。
釣具屋や通販などで購入可能
石ゴカイは、釣具店で購入できます。
アオイソメ同様、安定して入荷しますので、ほぼ欠品することはないと言って良いでしょう。
関東ではほとんどの店で「ジャリメ」という名称で販売されています。
通販でも買えますが、鮮度の問題や、送料負担で割高になったりするため、大量に購入する必要がある場合などに利用するのが良いでしょう。
石ゴカイの値段・相場
一般的な釣具店で通年手に入る虫エサには、石ゴカイ(ジャリメ)、アオイソメ、イワイソメがありますが、価格帯はアオイソメ<石ゴカイ<イワイソメとなります。
相場は、アオイソメは10グラム100円程度、石ゴカイは10グラム150円程度、イワイソメは10グラム200円程度です。
石ゴカイを使った釣りのやり方
石ゴカイを使う釣りは「ちょい投げ釣り」が向いています。
比較的身が柔らかいため、遠投するためにフルキャストするような釣りの場合、身切れを起こす危険性があります。
ただし、シロギス釣りの場合は、遠投仕掛けでも石ゴカイを小さくつけて遠投します。
石ゴカイのサイズがシロギスの口のサイズにマッチするため、シロギスの吸い込みが良く、特効餌として使われます。
石ゴカイを使ったおすすめの釣り方
イシゴカイは身が柔らかく、針に刺した後も生命力が強く良く動くため、アピール力が高く、多くの魚が好んで食べます。
あらゆる釣りに使えますが、身が細くて短いので、小型魚狙い中心の餌となります。
投げ釣り
石ゴカイは、ちょい投げや脈釣りでのハゼ狙い、遠投投げ釣りのシロギス狙いが代表的です。
ハゼ釣りなどは、一度釣れたあと、針にわずかに残っている石ゴカイの身で、もう一度釣れます。
シロギス釣りの場合は、釣れたあとの切れて残ったものや、他の魚が齧ってボロボロになった石ゴカイは速やかに交換し、新鮮な状態をキープしましょう。
ウキ釣り
ウミタナゴ、メジナ、ベラなど、波止でのウキ五目釣りには、針持が良くアピール力の高い石ゴカイは最適です。
周囲がオキアミやアオイソメを使っていて釣果が芳しくないとき、石ゴカイで爆釣することがあります。
サビキ釣り
サビキ仕掛けで小イワシ、小アジ、小サバを狙いながら、スキンが付いた針に石ゴカイをつけると、サビキ仕掛けには反応しない魚も一緒に釣ることができます。
石ゴカイの付け方
石ゴカイは手でつかむと非常に粘度の高い体液を出し、大変滑りやすくなります。
そのままでは針刺しがやりづらいので、石粉や砂などをまぶし、滑り止め対策をするとよいでしょう。
また、力は弱いながら、針に刺すときにアゴで噛まれることがあります。
小さなお子さんがいる場合は気をつけましょう。
房掛け
石ゴカイ2~3匹を針にかけ、大きくアピールする際に使う刺し方です。
急所である頭の部分を避け、5ミリ程度下の部分を針に刺すと長持ちします。
縫い刺し
石ゴカイ1匹を針の形に沿って3回程度、縫うように刺します。
縫い刺しは針持ち重視のさし方で、遠投する際などに使用します。
シロギス釣りの場合は縫い刺しにはせず、針に沿って1回刺し、石ゴカイの体内を通り、針先を出したら5ミリ~1センチ程度タラシを取ります。
ちょんがけ
アピール重視の場合は、石ゴカイの頭の下を1回だけチョンと針に刺し、石ゴカイの体内に針を通さないで垂らすだけにします。
石ゴカイが長生きする刺し方で、良く動くため、魚に一番アピールする刺し方です。
石ゴカイで釣れる魚の例
以下では、石ゴカイで釣れる魚と代表的な釣り方について説明します。
ハゼ
ハゼ釣りの餌としては石ゴカイが最適です。
ちょい投げ仕掛けでも脈釣り仕掛けでも、小さく切った石ゴカイを針に刺して静かに投入します。
すぐにハゼが寄ってきて、プルプルと小気味良いアタリを伝えてくれます。
一度ハゼが釣れて針を外す際に口から一緒に出てきた石ゴカイはそのまま投入すれば、次のハゼに使えます。
キス
シロギス釣りは、石ゴカイ、チロリ(東京イソメ)が特効餌となります。
縫い刺しにはせず、小さく針に付けるのが基本です。
針に沿ってまっすぐつけ、タラシは5ミリ~1センチ程度と短く取ります。
ハゼ釣りとは違い、シロギスの場合は、齧られて傷んだ餌は極端に食わなくなるため、こまめに交換しましょう
メバル
メバルはメバリングというワームゲームのジャンルが確立していますので当然、石ゴカイで釣れます。
上から落ちてくるものを待ち伏せて、下から襲ってくる摂餌行動を取りますので、軽い仕掛けに石ゴカイを1匹ちょんがけしてキャストし、ゆっくりフォールさせながら沈めていきます。
カサゴ
カサゴもイソメ類が大好きな魚です。
穴釣りや、ボトム狙いのウキ釣りでよく釣れます。
2~3匹を房がけにして、アピール重視で狙いましょう。
グレ
地磯や防波堤でウキ五目釣りなどをする際は、石ゴカイをエサに使えば、グレも頻繁にアタックしてきます。
グレ釣り用のエサとして使う場合は、夏場の手のひらサイズの小物が中心ではありますが、オキアミを使うよりも針持ちが良く、手返しよく数釣りすることができます。
石ゴカイの飼育・保存方法
石ゴカイは比較的生命力だ強いので、釣行で余ってしまった場合、適切に管理する知識と道具があれば、短期間飼育できます。
挑戦してみてはいかがでしょうか?
冷蔵庫で保存
石ゴカイを冷蔵庫で保存する場合、まずは死んだ個体を必ず取り出すことが大事です。
死んだ個体が出す体液で他の個体も続々と死んでしまいます。
まずは、きれいな海水でよく洗い、死んだ個体や弱った個体、ちぎれた個体を丁寧に取り除きます。
その後、海水と同じ塩分濃度(約3.4%)の水に浸し(ひたひたになる程度)、冷蔵庫で保管します。
こまめに状態を確認し、死んだ個体は必ず取り出し、その都度石ゴカイをきれいに洗い、塩水を交換します。
これで2週間程度は生きた状態で保存できます。
生きたまま水槽で飼育
岩イソメは生きたままの飼育が素人にはほぼできないのに対し、石ゴカイは商業養殖技術も確立していますので、素人でも知識と器材があれば長期飼育も可能です。
石ゴカイが隠れることができるきれいな砂、塩水を循環させることができるポンプ、人工海水の素(熱帯魚店で売っています)があれば飼育できます。
海水の量は多すぎてはいけません。
砂を斜めになるように敷いて、塩水がかぶる部分と、干上がる部分を作ると良いでしょう。
水が汚れてしまうと一気に死んでしまいますので、汚れた水は速やかに捨て、きれいな水を常に補充することが必要です。
水野汚染の原因となる死骸の発見と除去は毎日観察しなくてはなりません。
細かい砂の中で保存
石ゴカイを細かい砂の中で保存する際は、こまめに水洗いし、砂をきれいな状態で維持できるよう注意して冷蔵庫で保存しましょう。
冷蔵庫で保存する際も、毎日容器の中をチェックし、死んだ個体があれば速やかに取り出し、その都度砂ごと水洗いし、きれいにな塩水を少量入れて冷蔵庫に戻します。
石ゴカイは採取できる?
石ゴカイは、日本の沿岸や河川の汽水域に意外なほど普通に存在します。
近くに石ゴカイが生息する砂場があるのであれば。
自分で必要な分だけ採取する方法もあります。
ただし、潮干狩りが認められている海水浴場などを除き、海岸は漁業権が設定されている場所がほとんどです。
漁業権が設定されている場所では、ほとんどの生物の採捕は禁止されていますので、漁業権の設定の有無を必ず確認しましょう(都道府県発行の水産地図に漁業権の設定海域が明記されています)。
わからない場合は勝手に採取せず、釣具店で購入した方が安全です。
石ゴカイの生息地
砂地をよく見ると小さな穴が開いている場合があります。
そんな穴の周囲を、スコップや熊手で丁寧に掘り起こすと石ゴカイが出てきます。
穴の周辺30cmくらいが巣になっていますので、身を切らないように丁寧に掘って行きます。
石ゴカイを採取する際の注意点
石ゴカイを採取する際の注意点として、身が柔らかいため、ちぎらないように丁寧に掘り出すことです。
また、漁業権の設定がある海域ではむやみに掘ってはいけません。
石ゴカイのまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「石ゴカイの付け方・保存方法をご紹介|釣れる魚・値段・採取方法」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
もし、釣りに関してまだ知りたいことがあれば、サイト内検索をご利用いただくか、ぜひ関連する他の記事をご覧ください。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
石ゴカイを
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