高級魚として知られ、美味しくいただけることから釣り人の間でも人気の高いふぐ。そんなふぐを調理するには免許が必要になります。今回釣りラボでは、ふぐの調理師免許について、取得までの流れや条件、試験の内容などを詳しく解説していきます。
ふぐの生態・特徴
日本で幅広く高級魚として知られているのがふぐです。
その身は淡白で美味しく、高級魚として人気があります。
ふぐの身体的な特徴は2つです。
ふぐには腹びれがなく他の魚と泳ぎ方が違うことと、外的刺激を受けると体が風船のように膨らむことです。
ふぐの調理になぜ免許が必要?
ふぐの調理をするのに免許が必要なことは広く知られていることですが、なぜ免許が必要なのでしょうか。
それはふぐの体内には毒があるからです。
しかし、他の魚にも毒がある魚は存在するのになぜふぐにだけ免許が必要なのでしょう。
ふぐの調理師免許がどのような資格なのかということとふぐの毒について触れながら紹介していきます。
ふぐ調理師免許はどんな資格?
ふぐ調理師免許は毒を持つふぐを安全に調理して人に提供するための資格です。
ふぐを安全に捌くことが求められますので、毒を処理できるだけでは合格できない資格です。
ふぐを取り扱う店舗や施設にはふぐ調理師免許の資格を持つ人をおかなければならないとされています。
ふぐ調理師免許の試験内容は都道府県によって違いがあるので、免許を取得した都道府県でのみ有効な資格です。
無免許でふぐを調理するのは違法?
免許があるということは、無免許でふぐを調理すると違法行為となってしまうのでしょうか。
そんな疑問を持つ方がいらっしゃると思いますが、実はそうではありません。
無免許の状態でも罪に問われないケースが2つあります。
一つ目は私的利用の場合です。
ふぐ調理師免許は捌いたふぐを人に提供するための資格ですので、例えば釣ったふぐを自分で捌く場合は罪に問われません。
罪には問われませんが最悪の場合死に至るほど危険なので絶対にやめましょう。
2つ目はふぐ調理師免許を持っている人の指導監督のもと保健所に届け出を行ってから調理する場合です。
ふぐ料理店の板前さんの中にも見習い職人さんがいるように、有資格者の適切な指導監督のもとで、さらに事前に保健所に届け出を行っていれば無免許でも違法性は問われません。
ふぐの毒について
フグの毒はテトロドトキシンという猛毒で、食後20分~3時間でしびれや麻痺症状を発症します。
重症の場合、死亡することもある強力な毒です。
ふぐの毒で難しいところは、毒のある部位がふぐの種類や生息している場所によって少しずつ違うという点です。
一般的には皮・卵巣・肝臓の部分の毒が強力だとされています。
ふぐ調理師免許の取り方
安全にふぐを楽しむために免許を取りたいという方も多いと思います。
ここでは実際にふぐ調理免許の取り方を紹介していきます。
免許を取得する流れ
ふぐ調理免許を取りたいのだけれど、何から始めればいいのか分からない、という方がほとんどだと思います。
実際にふぐ調理師免許を取得する流れを見ていきましょう。
職場などで免許を取得する場合
職場が飲食店でなおかつ、ふぐの取り扱いがある場合はその職場において有資格者の下でふぐの調理業務に従事していれば実務経験としてみなされます。
店からの証明書も問題なく出してもらえるでしょう。
そこまで条件がそろっていれば後は勉強あるのみです。
個人的に免許を取得する場合
少し難しいのが個人的に免許を取ろうとする場合です。
多くの場合、前段となる調理師免許や実務経験を有することが難しいので受験したくてもできないという事態に陥ります。
しかし、心配しないでください。
ふぐ調理師免許は都道府県によって条件が異なり、神奈川県のような調理師免許や実務経験がない状態でも受験できる都道府県もあります。
個人で免許を取得しようとする場合は都道府県別の受験資格を確認してから受験しましょう。
ふぐ調理師免許取得条件
ふぐ調理師免許の取得条件は各都道府県によって多少異なります。
代表的な3都道府県の取得条件をご紹介します。
東京都の場合
東京都の場合は受験資格として、調理師免許を取得の上ふぐ調理師の下でふぐ取り扱いの業務に2年以上従事する必要があります。
試験内容は学科と実技があります。
大阪府の場合
大阪府の場合は、受験資格は満15歳以上であることだけで、誰でも受験をすることができます。
また、試験という形ではなく講習となります。
学科講習と確認テスト、実技講習と口頭試問というカリキュラムを受講すれば完了となります。
北海道の場合
北海道の場合は受験資格が少し特殊になっています。
ふぐの処理をおこなう飲食店・魚介類販売・水産加工品製造の従業員で、ふぐの加工をする人・未処理ふぐの販売をする人という受験資格になります。
北海道も試験ではなく講習という形になります。
学科講習と実技講習を受講した後、免許交付となります。
ふぐ調理師免許試験の内容・難易度
ふぐ調理師免許試験の内容や難易度はどのようになっているのか確認していきましょう。
前述の通り場所によって変化があるので、東京都の場合としてご紹介します。
学科試験についてはふぐの取扱いに関する規制条例および規則に関することと、ふぐに関する一般知識が問われる内容になります。
全30問でマークシート方式の試験になります。
実技試験については問われるのは3点です。
種類の鑑別・内臓の鑑別および毒性の鑑別・処理技術の3点です。
ふぐ調理師免許の合格率は公表されていませんが、おおよそ60%程度といわれています。
実務経験がある方が受ける試験で60%というと決して簡単ではない試験といえます。
ふぐ調理師免許試験の受験料
ふぐ調理師免許試験の受験料ですが、こちらも統一されたものではなく各都道府県によって多少の上下があります。
おおよそ18,000円前後ほどで考えておけば良いでしょう。
2021年に免許取得基準を全国統一化
紹介してきた通り、ふぐ調理師免許は都道府県によって難易度がかなり違い、免許として機能しているのか疑問視される場面もありました。
一般社団法人の全日本ふぐ協会もこのことは危惧しており、長年の間厚生労働省に意見書を提出していたようです。
そんな中、厚生労働省から2019年10月にふぐ調理師免許資格について全国統一に向けて基準の変更を検討するという内容の文書が出されました。
2021年度を目途に全国統一化に向けて進んでいくようです。
安心・安全なふぐを楽しむ消費者にとってはうれしい内容ですね。
ふぐ釣りも免許が必要?
釣りのターゲットとしても人気なふぐです。
ふぐを釣るのに免許は必要ありませんが、場所によっては禁止されている釣りもありますのでしっかりと調べてからフグ釣りを楽しむようにしましょう。
ふぐの調理師免許のまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「【2024年最新版】ふぐの調理には免許が必要!?ふぐ調理師免許の取り方や難易度などを解説」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。