ゴカイは、海釣り餌として多くの人に使われています。今回、釣りラボでは、ゴカイの特徴や生態はもちろん、ゴカイで釣れる魚やゴカイの入手方法、飼育・保存方法などについて紹介していきます。
ゴカイとは?
ゴカイとは、環形動物門多毛綱に属する多毛類の一種で、ゴカイ科ゴカイ属ヤマトカワゴカイ、ヒメヤマトカワゴカイ、アリアケカワゴカイの3種に分類されています。
この3種は特に区別されることなくゴカイ、ゴカイ類と呼ばれ、主に釣り餌としての用途で、商業養殖も行われています。
また近年の研究では、ゴカイの血液に含まれるヘモグロビンには、人間の血液に含まれるヘモグロビンの約40倍の酸素運搬能力があることがわかってきました。
近い将来、人間の血液の代用物として利用される日が来るかもしれません。
ゴカイの特徴・生態
日本において、釣り餌として使われているゴカイは石ゴカイと呼ばれるものです。
関東では「ジャリメ」と呼ばれて釣具店で売られています。
石ゴカイは、河川汽水域や浅い海岸の干潟部などの砂の中に巣を作って生息し、水中の有機物やプランクトンの死骸などを餌にしています。
海水の浄化を担っている生物のひとつとしての一面もあります。
イソメとの違い
ゴカイとイソメは見た目はそっくりですが、どちらも釣り餌としての嗜好性は抜群です。
石ゴカイは大きくならず、成長しても10cm程度にしかなりません。
対して同じく釣り餌としてポピュラーなアオイソメは20cm以上、岩イソメは30cm以上に成長します。
ゴカイで釣れる魚の種類例
ゴカイで釣れる魚は非常に多いです。
代表的なものはハゼ、シロギスになりますが、もともとゴカイは河川の砂底にも生息しているため、淡水魚も好んで食べます。
特にコイ、フナ、ウグイなど、コイ科の魚はゴカイをよく食べます。
キス
シロギスはゴカイが最もよく効く特効餌です。
ゴカイで釣りといえばシロギスというほど、シロギス釣りにはゴカイ(ジャリメ)を使います。
小さく切ったゴカイを通し刺しにして、タラシは3cm以下にします。
食いが立っているときはこれでシロギスは十分釣れます。
食いが渋い時は、タラシを長めに取ります。
ハゼ
ハゼは雑食性の魚ですが、シロギス同様、ゴカイ(ジャリメ)が最もよく釣れる虫エサになります。
ゴカイは非常に身が柔らかく、かつ匂いの強い体液を出すため、ハゼの嗜好性に合うようで、良い反応を見せてくれます。
一度釣り上げられたハゼから針を外す際に、口から吐き出したゴカイが針に残っていれば、それでもう一匹釣ることもできます。
鯉(コイ)
意外と思うかも知れませんが、コイ科の魚はゴカイを好んで食べます。
冬の鯉は、身が柔らかく消化の良い動物性の餌を好んで食べます。
ミミズ、ゴカイ、アサリのむき身、ザリガニなどを使いますが、河川下流域にいるコイはゴカイの食いが良好です。
鯉狙いの場合は房がけで針一本に5匹くらい房がけにして、匂いと動きで鯉をおびき寄せます。
ゴカイの入手方法
ゴカイは釣具店で通年入手できます。
通販でも取り寄せできますが、アオイソメほどの取り扱いはありません。
ゴカイの値段・相場
釣り餌としてのゴカイの店頭価格は、アオイソメと岩イソメの中間といったところです。
具体的には、アオイソメは10g 100円、ゴカイは10g 150円、岩イソメは10g 200円程度です。
ゴカイの購入場所・買い方
ゴカイを通販で販売している店舗は、アオイソメほど多くはありませんが、入手できないことはありません。
ゴカイの採取方法
ゴカイは河川汽水域の川岸や、潮干狩りができるよう海岸の砂地に生息しています。
砂底をよく見ると、小さな穴が開いている場合があります。
そういうところはゴカイの巣である可能性が高いので、誤ってゴカイの身を切ってしまわないように慎重に掘り出します。
潮干狩り用の熊手があると便利です。
採取できる時期
通年採取できますが、干満の差が大きい大潮の日の干潮時が良いでしょう。
採取する際の注意点
漁業権が設定されている海域では、たとえゴカイといえども、生物の採捕は原則禁止です。
漁業権の設定を必ず確認しましょう。
都道府県が発行する水産地図で確認ができます。
漁業権の設定有無がわからない場合はむやみに掘らない方が安全です。
ゴカイの付け方・仕掛け方のコツ
ゴカイは身が柔らかく細い上に、粘度の高い体液をたくさん出すため、イソメ類と比較して非常に針に刺しづらいです。
石粉と呼ばれる、長石や石灰石の粉末を振りかけて滑り止めにすると使いやすくなります。
石粉がなければ現地の砂でも問題ありません。
ゴカイに噛まれても大丈夫?
イソメもゴカイも頭部に格納された2本のアゴで噛み付いてきます。
噛まれても問題はありませんが、念のため気をつけましょう。
虫が苦手な人はルアー(ワーム)がおすすめ
虫エサが苦手な人は、人工イソメがありますので、利用してみてください。
【マルキュー】パワーミニイソメ 約4.5cm 桜イソメ
生分解性ゴムに、集魚効果のある保存液を含浸させたもので、イソメやゴカイで釣れるすべての魚に使えます。
魚の嗜好性は生エサと遜色ありません。
ゴカイを使ったおすすめの釣り方
ゴカイを使ったおすすめの釣りは、何と言ってもハゼ釣りとシロギス釣りです。
ハゼはちょい投げ仕掛けを30m程度投げて広範囲を探り、シロギスは100m以遠に仕掛けをキャストし、ゆっくり仕掛けを引きながら食わせて行きます。
食いが立っているときは、人間が歩く程度の速さで、食いが渋いときはカメが歩く程度の速さで仕掛けを引きます。
投げ釣り
シロギスの投げ釣りには、多点がけを狙うため、3本〜5本針程度の仕掛けを使います。
競技用の仕掛けは〜10本針の仕掛けを使います。
小さく切ったゴカイをタラシを短くした状態で針につけます。
100m以遠のポイントにキャストし、着底させたら、仕掛けをゆっくり引き、ブレイクの部分を中心に探ります。
ハゼ釣りの場合は、2本〜3本針のちょい投げ仕掛けに小さく切ったゴカイをつけて近距離を丹念に探ります。
一回の釣りにゴカイはどれくらい持っていくべき?
一回の釣行に必要なゴカイの量は、ターゲットの魚種にもよりますが、房がけでアピール重視の釣りであれば、1時間あたり20g程度が目安になります。
シロギスの投げ釣りの場合は針の本数が多く、かつ常に新しいエサに交換して投げるため、小さく切って使う割にはゴカイを消費します。
1時間あたり15gくらいが目安となります。
ハゼ釣りの場合は、交換頻度にうるさくなく、餌持ちが良いため、シロギスよりは少なくても問題ありません。
50gもあれば一日持つでしょう。
ゴカイの保存・保管方法
ゴカイが余ってしまったら、できれば他の釣り人に使ってもらえるなら使ってもらいましょう。
大量に余ってしまったり、次回釣行がすぐ予定されている場合は、持ち帰って保存しましょう。
活かして保存する方法であれば2〜3日程度、塩締めを作り、冷凍保存ができれば1年程度保管できます。
クーラーボックスでの保存方法
ゴカイ類は高温に非常に弱いので、クーラーボックスに保管しておきますが、エサ付けのたびにクーラーボックスを開けるのは保冷効率が悪化しますので、例えば30分で使う分など、ある程度まとめて別の餌箱に出しておきましょう。
冷蔵庫での保存方法
帰宅後、冷蔵庫で保存する際は、まず、ゴカイを水でよく洗い、死んだ個体を確実に除去することです。
死んだ個体の体液が広がると次々と死んでしまいます。
その後、濡らした新聞紙を敷いた容器に砂やおがくずと一緒にゴカイを入れておけば2〜3日は活かしておくことができます。
ゴカイの飼育方法
海水と同じ塩分濃度(約3.4%)の塩水もしくは、ペットショップで手に入る人工海水の素を使えれば、短期間なら飼育することもできます。
きれいな砂を敷いた水槽に海水を砂がひたひたになる程度に入れて、そこにゴカイを放します。
生きていれば砂に潜ります。
水を循環させるろ過器を使い、酸素の供給と水温と水質の維持を図ります。
飼育中、毎日観察し、死んでしまった個体は必ず取り除きます。
こうした管理ができれば、1ヶ月程度は飼育できます。
【釣り餌の定番】ゴカイのまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「【釣り餌の定番】ゴカイとは?その生態や付け方、保存・飼育・入手方法を徹底解説」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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