【人気の魚図鑑】今回、釣りラボでは、ブダイの特徴、種類、生態、呼び名、生息地、値段相場を徹底解説した上で、ブダイの味、毒への対処法、おすすめのレシピ、人気のお店、釣り方、さばき方などをご紹介します。
ブダイとは?その特徴・生態をご紹介
ブダイという魚をご存じでしょうか。
ブダイは鳥のくちばしのような形をした特徴的な固くて強い歯をもっています。
また、喉にも頑丈な歯があります。
ブダイの全長は平均的な成魚で30~40cmで、大きいものだと60cm以上になります。
泳ぎはあまり速くなく、緩慢だと言われています。
水温15~23℃が最も活動します。
体型はタイのようで、大きくやわらかい円鱗をもっています。
体の色は背中が褐色で、お腹は淡い黄色です。
性別でも色が違い、オスは全体的に青みがありますが、メスは赤みが強く出ています。
ブダイの特徴
ブダイには、面白い特徴がいくつかあります。
中でも特に面白い特徴をご紹介します。
食性が水温によって変化
ブダイは雑食であり、水温によって食性が変化するため、夏は主にエビやカニを食べ、冬は海藻を食べます。
特徴的な歯を使い、エビやカニを噛み砕いて食べます。
また、海藻を食べるときには、へばりついた岩やサンゴごと砕いて食べたり、くちばしのような歯を器用に使って海藻をはぎとって食べています。
頑丈な歯は折れてしまってもすぐに新しい歯が生え、また使えるようになります。
また、ブダイが餌を食べるときに粉々にして呑み込んだサンゴは砂として排出されますが、1匹のブダイが排出する砂は年に何百キロにもなると言われています。
性転換をする
また、ブダイは性転換をすることでも知られています。
オスを中心にしてメスが集まり縄張りを作りますが、中心になるオスがいなくなってしまうと、メスの中で一番大きいものが性転換をしてオスとなり仲間をまとめます。
寝袋を作る
さらにブダイの面白い特徴として、寝袋を作ることがあげられます。
ブダイは夜になるとエラから粘膜を出して、身の回りに白っぽい膜を纏って睡眠しています。
この粘膜で寝袋を作る理由としては諸説ありますが、粘膜を纏って眠ることで外敵や寄生虫などから身を守っているという説が有力と言われています。
ブダイの呼び方
ブダイには様々な呼び方があります。
ここからはブダイの名前について詳しく紹介していきます。
漢字名
ブダイの漢字名は何種類かあります。
鎧を着た武士のような身体であることから「武鯛」、舞うようにヒラヒラと泳ぐ姿から「舞鯛」、タイと比べて不格好であるとのことから「醜鯛」や「不鯛」という漢字名がつけられています。
別称・別名
ブダイは地方によって呼び方も様々です。
呼び名としては、アカブダイ、イガミ、モハン、エガミ、イラブチャーなどがあります。
英語・外国名
英名ではWhite-spotted parrotfishやJapanese parrotfishといいます。
parrotfishとは和訳すると「オウム魚」となり、ブダイの特徴的な歯が由来となっています。
学名
ブダイは学名で、Calotomus japonicusといいます。
ブダイの種類
ブダイはスズキ目ブダイ科ブダイ属に分類されます。
ブダイ科の魚は全部で10属88種類。
ブダイが属しているブダイ属には他にもチビブダイやタイワンブダイが属しています。
ブダイの生息地
ブダイ科の魚は熱帯・亜熱帯域に生息しており、大西洋、インド洋、太平洋などに分布しています。
ブダイの生息地域としては、南日本と伊豆諸島に多く見られます。
沖縄県美ら海水族館内の「熱帯魚の海」では10種類以上のブダイが鑑賞できますので、機会があれば是非足を運んでみてください。
ブダイの値段・相場価格
ブダイは比較的安価に市場に出る魚です。
旬の時期である冬になると少し高い値がつきます。
1キロ1000円前後で売られています。
ブダイを使った料理・食べ方
ブダイは市場でよく見かけるメジャーな魚ではありません。
そのため、そもそもどのように食べるのか、どのような味がするのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからはブダイの食べ方や料理レシピを紹介していきます。
どんな味がするの?まずいって本当?
ブダイの身は淡白で弾力があり、しっかりとした歯ごたえがあって美味しいです。
初めての方でも、あまり抵抗なく食べることができます。
ただ、ブダイの皮には少しクセがあり、好き嫌いがあるかもしれません。
毒性に注意!食中毒になる恐れも
ブダイには毒のある種類もいるので注意が必要です。
ブダイの仲間にアオブダイという魚がいます。
このアオブダイは「パリトキシン」という毒成分を持っていますが、この毒はフグの持つ「テトロドトキシン」という毒の約20倍の強い毒性があると言われています。
主に毒は個体の内臓に蓄積されているので、下処理には十分注意が必要です。
もしパリトキシンをもったアオブダイを食べてしまった場合、食中毒の症状として下痢や嘔吐、腹痛が出現します。
次第に麻痺や痙攣が出現し、重症化すると呼吸困難に陥り死亡することもあります。
パリトキシンは加熱処理をしても毒性が消えません。
またパリトキシンに対する解毒剤は現在のところありませんので、内臓は絶対に食べないようにしましょう。
栄養素・カロリー
ブダイの身には、DHAやEPAなどの栄養素が多く含まれています。
これらは代謝を良くする効果や、脳の活性化・集中力を高める効果があり、人が活動をするために必要な成分です。
またブダイの身は淡白ですのでカロリーも控え目。
健康食としては最適ですね。
旬な時期・季節
ブダイの旬は食性が変化する寒い冬の時期だと言われています。
海水温が低くなると、エビやカニなどの動物質な餌から海藻類を餌とするようになるため、身の臭いが消えます。
さらに寒くなると脂がのって身がより引き締まるので、冬のブダイはとても美味しいです。
おすすめ人気のレシピ・調理方法
ブダイの調理方法として、代表的な5つの料理とそれに関連するレシピを紹介していきます。
是非、ブダイ料理に挑戦してみてくださいね。
刺身
ブダイの身はプリプリとしていて弾力があるため、刺身にすると美味くいただけます。
以下のサイトで刺身の紹介があり、さばき方の手順まで説明がありますので参考にしてみてください。
また、皮つきのブダイをお酢で締めると美味しいようです。
是非お試しください。
ただし、刺身にする際には寄生虫に注意する必要があります。
吸虫
ブダイに見られる寄生虫として、「吸虫」という寄生虫がいます。
ブダイのヒレや体表に寄生する白い2ミリ程度の寄生虫で、肉眼では米粒のように見えます。
吸虫の生態はよくわからない部分が多いですが、人間には寄生せず、害はないと言われています。
ウオノエ
また、「ウオノエ」という寄生虫がみられることもあります。
ウオノエは魚の舌に浸食する寄生虫で、白いダンゴムシのような見た目をしています。
15ミリくらいあるので、ブダイの口の中からウオノエが覗いているのを発見すると驚くかもしれません。
ただし、人間に寄生することはない寄生虫です。
アニサキス
最も気を付けなければいけない寄生虫は、「アニサキス」です。
この寄生虫の見た目は、白色で長さは2㎝程度の細い糸のような形をしています。
アニサキスは人間の体内に入ると激しい腹痛や嘔吐を引き起こす危険な寄生虫です。
主にサバやサケ、イカ等の内臓に寄生することで知られています。
アニサキスを避けるには、内臓を取り出した後に60℃以上の加熱と冷凍(1日以上)をすることが対策としてあげられています。
アニサキスはオキアミが宿主となり、そのオキアミをサバやサケが食べることで宿主となっていきます。
ブダイもカニを食べる夏の時期にはオキアミで釣れることもあるので、アニサキスが寄生している可能性はあります。
心配な場合は適切に処置をして食べること、ブダイの刺身はお店で仕入れた処置をされているブダイを使用する等の対策をすると良いでしょう。
煮付け
白身がプリプリとしたブダイは、煮付けに最適です。
良いお酒のアテになること間違いなしでしょう。
以下では一般的なブダイの煮付けを紹介しています。
また、ポンカン風にブダイの煮付けをアレンジしている方もいますので、参考にすると煮付けだけでも幅広いバラエティでブダイを美味しく調理できますね。
塩焼き
ブダイは塩焼きにしても美味しくいただけます。
ブダイを焼き始める30分くらい前に塩をふりかけ、焼いていきます。
ブダイは身がしっかりとしているので、大きなブダイだと身が厚く固い可能性があります。
そのため、大きめのブダイの場合は焼く30分以上前に塩をふりかけて置いておくとしっかり味を付けることができます。
焼く際には、焦がさないように注意します。
身が固いので、焼き具合の調整をしながら焼いていきましょう。
ブダイを塩焼きにする場合は、少し小さめのものを選ぶと身も柔らかくなりやすく、食べやすいのでおすすめです。
唐揚げ
ブダイの身はしっかりしているので、唐揚げにするとホクホクになりとても美味しいです。
お肉ではなくブダイを使用することで、ヘルシーで美味しい唐揚げを作ることができますね。
以下のサイトでブダイを使用した唐揚げのレシピを紹介しています。
干物
しっかりとした身をもつブダイは、干物にすると身が引き締まって噛み応えもあり、旨味を凝縮することでより美味しくいただけます。
ブダイの特徴を活かした調理方法とも言えるでしょう。
昔から伊豆地方ではブダイの干物がよく食べられているようです。
以下のサイトで干物のレシピを紹介しています。
是非挑戦してみてください。
ブダイを楽しめる人気のお店・レストラン
ここからは、ブダイを美味しくいただける人気店を紹介していきます。
「料理はしたくないけど、ブダイを食べてみたい」「お店のブダイ料理を食べてみたい」という方は必見です。
鮨 花おか 渋谷
こちらは渋谷にある隠れ家的なお店です。
魚マニアの大将が、全国各地から取り寄せた珍しい魚を提供しています。
ブダイはもちろん、その他の珍しい魚も楽しめます。
ラ リベラ
こちらは代々木駅から300m程の路地裏に佇むイタリアンのお店です。
こだわりとして主に国産の食材を使用しており、ブダイのカルパッチョなどが味わえます。
三線の花
沖縄にはブダイを使用しているお店が多くあります。
こちらのお店は沖縄の恩納村にあるリゾートホテル近くにあります。
沖縄料理としてのブダイを味わえると共に、三線ライブまで楽しむことができます。
沖縄観光の際には是非お立ち寄りください。
ブダイにおすすめの釣り方・仕掛け
ブダイは季節に関係なく年中釣ることができます。
夏と冬で食性の変わる魚ですので、ブダイの食性に合わせて餌を変えて釣り仕掛けを作ることがブダイ釣りの面白いところです。
基本的には磯場や防波堤から、ウキ釣りや投げ釣りで狙います。
ブダイ釣りにおすすめの釣竿・ロッド
ブダイ釣りでは磯竿を使用します。
クラスは2号・3号程度。
ライトタックルで挑む場合は2号クラスの竿が人気です。
長さとしては4m程度のものが扱いやすくおすすめです。
【ダイワ】磯竿 スピニング リバティクラブ 磯風 2-45・K 釣り竿
ウキ釣りや投げ釣り等、この1本で磯や防波堤から様々な魚を狙える万能な釣り竿です。
操作性のクセがないよう作られていること、また軽量であることから、釣り初心者におすすめの1本です。
ブダイ釣りにおすすめのリール
磯場や防波堤からブダイを狙う場合、リールは中型のスピニングリールで十分です。
ブダイだけでなく他の魚を狙いたい場合にも使いやすく、オールラウンダーなものです。
磯釣り初心者におすすめです。
【ダイワ】リバティクラブ 2500
滑らかな巻き心地でコストパフォーマンス抜群のリールです。
シンプルな基本性能で、釣り初心者でも扱いやすい製品です。
赤と黒のカラーが格好いい、万能なリールです。
ブダイ釣りにおすすめのルアー・ワーム
ブダイは基本的にウキ釣りや投げ釣りで狙いますが、ワームを使用して狙うことも不可能ではありません。
ただし上級者向けの釣り方です。
ブダイは海藻を食べますので、ワームを海藻のように見せて釣る方法があります。
使用するワームは海藻のように、潮流に合わせて自然な動きをする柔らかいもので、海藻と似たような色のものがおすすめです。
【ドリームアップ】マッカム アジングワーム スーパーグローメロン
熟成ハンドメイドのルアー
熟練職人の手による国産ハンドポワード製法で生み出されたワームです。
魚が喰らいついたときの違和感をなくす、柔らかい素材を追及しています。
左右対称のボディですので、弱った際に逆側からフックを刺して長く使用することができます。
こんな人におすすめ
- ブダイ釣りを始めたばかりの初心者の方
- 長時間の釣りでも疲れにくい、軽量のルアーを探している方
ブダイ釣りにおすすめの釣り餌
ブダイ釣りの餌は、ブダイの食性に合わせて選択します。
夏はカニ餌やオキアミを使用し、冬はハバノリやヒジキ等の海藻を使用します。
海藻を使用する際には何枚かまとめて針に刺し、ボリュームを出すことがポイントです。
また、ホンダワラを使用したブダイ専用の撒き餌もありますので是非使用してみてください。
【マルキュー】イガミだんご
ブダイに最強の誘惑
主にホンダワラを使用し配合された、ブダイ専用の撒き餌です。
撒き餌としてだけでなく、練り上げてそのまま仕掛けとして使用する方もいるようです。
どちらにせよブダイの大好物ですので、ブダイ釣りの強い味方であること間違いなしです。
こんな人におすすめ
- ブダイ釣りをする初心者の方
- 他の釣り餌では釣れなかったブダイを狙う上級者の方
ブダイの締め方・捌き方
ブダイを美味しくいただくには、釣り上げたときの締め方が重要です。
また、その後のさばき方もここでは紹介していきます。
ブダイの締め方
釣り上げたブダイは、釣ったその場で締めましょう。
それにより鮮度が保たれ、持ち帰っても美味しくいただくことができます。
下の動画では釣った際の締め方をわかりやすく解説していますので、参考にしてください。
ブダイの捌き方(さばき方)・切り方
ブダイを捌く際には、大きく鋭い鱗で手を切らないように注意しましょう。
またブダイの歯は硬いので、頭を落とす際には包丁の刃元を使うと落としやすいです。
下の動画で捌き方を解説していますので、参考にしてください。
ブダイの基本情報まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「ブダイの味はまずい?レシピ・旬な時期・釣り方・さばき方を解説!」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
もし、釣りに関してまだ知りたいことがあれば、サイト内検索をご利用いただくか、ぜひ関連する他の記事をご覧ください。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。