赤い魚と言われて、なにを思い浮かべますか?タイ?キンキ?アカエビ?今回、釣りラボでは、海・磯・堤防で狙える赤い魚を紹介していきます。かわいい物から美味しいもの。危険なものまで赤い魚は盛りだくさん。その魅力をたっぷり解説します。
日本の海に生息する「赤い魚」の名前と種類/特徴を徹底的解説!
我が国は周囲を海に囲まれ、歴史文化の面で魚とは密接に結びついてきました。
現在日本とその近海には4000種類程度の魚がいるとされています。
今回はその魚たちの中から「赤い魚」に厳選し、写真とともに分布・特徴・食味などを紹介させていただきます。
なお、「赤い魚」は体表の色を指し、基本的に身のみが赤い魚は除外させていただきました。
ご了承ください。
ハタ類の赤い魚の一覧
釣って楽しい、食べておいしいハタ類に「赤い魚」が多いということはご存じでしょうか?
磯や堤防、果ては大海原の沖釣りに至るまで、様々なシチュエーションで多くの釣り人に人気の赤いハタ類を以下の順で紹介いたします。
ユタカハタの特徴
赤から橙の体表に黒っぽい斑点が特徴的な、ややもすれば毒々しくも見えるユタカハタですが、なかなか希少性の高い海水魚です。
関東に流通する多くは小笠原諸島を産地とし、東京都とはいえやや南国風の見た目に納得できます。
アカハタの特徴
ハタ類の代表格として広く認知されているアカハタもその名の通り「赤い魚」です。
見た目はユタカハタの斑紋をなくし、そのかわり縦縞模様が薄く入ります。
大変美味しく高価な魚として有名で、特に伊豆諸島が産地として広く知られます。
ヒメコダイの特徴
ハタ類の項なのに鯛?と思われた方もいらっしゃるでしょうが、ヒメコダイはハタの仲間です。
「赤い魚」故にタイの名を冠することになったようです。
流通量が少なく、小型の魚のため人気知名度ともに高い魚とは言えませんが、知る人ぞ知る大変美味しい魚です。
キジハタ(アコウ)の特徴
ハタ類のトリを飾るのは、瀬戸内海ではアコウの別称で特別に珍重されるキジハタです。
市場価格も味も人気も別格で、一時幻の魚と呼ばれましたが、近年は尾道市の稚魚放流事業の効果もあり徐々に生息数を増やしています。
また生息地の北上化も顕著で、以前は生息しなかったとされる東北地方などでもよく揚がっています。
食用の赤い魚の一覧
赤い魚はまだまだたくさんいます。
スーパーやレストランでお馴染みのものから、釣り人の特権といえる市場にはあまり流通しない魚まで、多くの食用の赤い魚たちがいます。
ここではハタ類以外の国内に分布する赤い魚を以下の順で紹介いたします。
おじさんの特徴
まず、その名称に驚きますが、れっきとした標準和名です。
ヒメジ科魚類特有の二本のヒゲがその由来になっています。
駿河湾以南に生息し、大変美味しい高級魚です。
もし、手に入れたら刺身でいただくことをおすすめします。
アマダイの特徴
アマダイは鯛の仲間で青森県以南の比較的水深のある場所に生息しています。
名前の由来は身が甘いからであるとか、尼さんに顔が似ているからなどと諸説ありますが、まちがいないのは大変美味しく大変高級であるということです。
京料理の食材として有名なアマダイはキロ単価で1万円を超えることも珍しくない超がつく高級魚です。
このために京都へ赴く価値があるといっても過言ではないでしょう。
アコウダイ(赤魚)の特徴
アコウダイは別名アカウオともいい、まさに赤い魚の代表格です。
主に太平洋側の深海に生息しており、メバルの仲間となります。
以前は比較的安く手に入る魚でしたが、近年は徐々に高級化が進んでいます。
こちらも大変美味しい魚で、刺身は言わずもがな干物や煮付け、粕漬けみりん漬けなど調理法を問わない美味しさも人気の理由でしょう。
キンメダイの特徴
キンメダイもアコウダイと同じく、場合によっては水深200mをはるかに超える深海に生息している深海魚です。
その眼が金色に反射することから名付けられたようですが、これは光の少ない深海に住むため特徴的な構造になっているところが原因です。
こちらも大変美味しく、とくに高知県産のものは有名で高価です。
マダイの特徴
「まことのタイ」と、書いて字のごとくタイの王様と呼んでいいでしょうマダイです。
日本中に広く分布し、堤防から沖まで狙えるうえに釣り方も豊富で釣り人を喜ばせてくれます。
味も当然よく、特に冬から乗っ込みと呼ばれる産卵前までは大変美味しい魚です。
古くから日本人に親しまれるマダイは未来の水産資源の確保のため稚魚放流も盛んに行われ、相模湾などでは特に有名です。
ヨコスジフエダイの特徴
ヨコスジフエダイも名前がよく体をあらわしています。
体を貫くように一本黒い線が通っていて、名前の由来になっていると思われます。
北陸関東以南に分布し、浅場を好むことからどちらかというと船釣りよりも防波堤などでサビキ釣りをしていて大物が!といったシチュエーションが多いようです。
クセのない白身で美味しいのは間違いありませんが、ここが絶品と言われるような特徴には少し乏しいかもしれません。
キンキの特徴
キンキという魚、標準和名はキチジといいます。
漢字をあてると吉次で、どうみても人の名前のようなので由来が気になるところですが、体色が黄色がかった血の色であることから黄色血と書かれたのが最初のようです。
関東以北の、例えば北海道近海であるなど冷たい海のさらに深い部分を好み、個体によっては1000m前後の深海に生息することもあります。
アカウオと同じく赤い魚としては代表格で、大きい目の可愛らしさと味の良さで人気の魚です。
アカムツの特徴
アカムツという魚は標準和名よりも日本海側で呼ばれるノドグロと言った方がご存じの方が多いかもしれません。
こちらも鮮やかな赤が美しい魚で、上で紹介したキンキと東西を二分する人気の高級魚です。
太平洋側よりは日本海側に多く生息し、東京の市場ではキロ単価1万円超えも普通にあります。
ムツという名がそもそも脂っこいという意味があるほどよく脂がのって美味しい魚なので是非日本海側へ旅行へ行った際は食してみてください。
カナガシラの特徴
カナガシラは非常に頭部が非常に硬いことから名づけられました。
ほぼ全国、中程度の深さの砂泥地に生息しています。
古くから人気の魚で、東北地方ではお殿様などへの献上品であった名残から「君魚」という呼び名も残っています。
アカジンの特徴
アカジンミーバイは沖縄での呼び名で、標準和名はスジアラといいます。
長崎以南の南方の海で揚がることが多く、大変美味しい高級魚です。
シガテラ毒が多いことで知られるバラハタがスジアラと間違えて販売されておりニュースになったことがありましたが、スジアラは安心して食べることができますので、是非その美味を堪能してみてください。
アカトラギスの特徴
アカトラギスはほんのりピンクがかった大きくても20cm程度の小型魚で、底引き網にかかる雑魚の代表格です。
かなりアカトラギスにとっては迷惑な話でしょうが、小骨も多く、多くは練り物などに加工されます。
ハチビキの特徴
ハチビキは関東と北陸以南の太平洋・日本海沿岸から沖縄にかけて、比較的暖かい海に生息しています。
古くは関東では「赤鯖」と呼ばれ好まれず、多くは西日本で消費されていましたが、近年美味しさが認められ人気が高まっています。
身まで赤いので赤い魚程度で言えばかなり上位にくるはずです。
大きいほど美味しいとされているので、もし大型が釣れた際は是非食してみましょう。
アカウルメの特徴
アカウルメは奄美地方の呼び名で、標準和名はタカサゴといいます。
沖縄県の呼び名はグルクンといい、県魚とされています。
安くておいしい大衆魚として、から揚げなどで古くから人々の胃袋を支えてきた赤い魚です。
ミカワエビの特徴
ミカワエビはその名の通り三河湾などで底引き網にかかる小型のエビです。
エビをゆでると赤みがでるのは周知のとおりですが、ミカワエビは元来より赤みがかった体色をしており、体長も大きくならないため可愛らしいですね。
ホウボウの特徴
ホウボウは上で紹介したカナガシラによく似ています。
本州以南で多く見られ、赤い魚として紹介しておりますが幼魚から若魚の間は黒く、成長するにつれて赤みが強くなる、大きなヒレが特徴の魚です。
古くからお食い初めの魚としても親しまれ、上質の白身は刺身でいただくと美味しく、アラからは良いダシが取れるため、釣れた際は是非食してみてください。
毒を持つ赤い魚の一覧
美しいものにはトゲがある・・・。
見た目に鮮やかな赤は、美しい美味しいだけでなく、実は捕食者に対して警告する意味を含んでいる場合も多くあります。
ここでは毒を持つ、または持っている場合のある赤い魚を以下の順で紹介します。
バラハタの特徴
バラハタは強烈な赤に青い斑紋が特徴的な赤い魚です。
南方の海に生息し、沖縄ではナガジューミーバイの名で古くから食用として親しまれてきました。
バラハタにはシガテラ毒を保有する個体がいるため、東京都などでは販売の自粛をすることになっています。
なるほど確かに毒々しい魚だ・・・と思われるかもしれませんが、シガテラ毒とはバラハタが生まれた時から持っている毒ではありません。
魚が食べるエサなどに微量に含まれ蓄積されていく毒素なので、食物連鎖の上の方に君臨する大型魚が保有しやすくなります。
食すととても美味しいだけに、大変悩ましい魚です。
イッテンフエダイの特徴
イッテンフエダイは伊豆諸島以南のサンゴ礁や岩礁帯に生息する60cm前後に成長する赤い・・・というよりは茶褐色の魚です。
背びれ下付近に黒い斑紋があることを特徴としこの呼び名になったようです。
イッテンフエダイもまたシガテラ毒を保有する確率の高い魚として知られます。
バラハタは平気で食してもイッテンフエダイは遠慮したいという方もいらっしゃるということなので、その危険度は推して知るべし・・・です。
バラフエダイの特徴
バラフエダイも南方に生息する大型の魚です。
沖縄ではアカナと呼ばれ、大変美味しいことから高価で流通しています。
しかしこちらもやはりシガテラ毒を保有しています。
上記バラハタ、イッテンフエダイ、バラフエダイはシガテラ毒が特に有名な魚になります。
見た目に美しく食べておいしいを地で行くだけに大変悩ましいですが、食す場合はあくまで自己責任でよろしくお願いします。
ミノカサゴの特徴
ミノカサゴはその名の通りカサゴの仲間で、貴婦人と呼ばれることもある水族館などでも人気の魚です。
しかし背ビレなどにトゲを持ち、強力な毒があることでも知られます。
タンパク質性の毒で、刺されると7日間走り回るほどと言われています。
またトゲは鋭く強靭なため大抵のものは貫通してしまいます。
その優雅で美しい姿に騙されて触れないように気を付けましょう。
オニカサゴの特徴
オニカサゴもカサゴの仲間で、ミノカサゴ同様背ビレなどにトゲを持ち、刺されると大変痛みます。
しかしとても美味しい魚で煮付けや鍋などは絶品であるため、釣れた場合は逃がすのも触るのも躊躇させられる罪深い魚です。
持ち帰り調理する際は、死後も毒に注意する必要があるため、最初にヒレを切り取ってしまいましょう。
ハオコゼの特徴
ハオコゼは10cm程度の小さな魚で外道としてよく釣れる魚です。
上記のカサゴたち同様背ビレなどのトゲにある毒に注意が必要です。
もし刺された場合は応急処置として傷口から毒を絞り出すようにして少しでも体外へ排出できるようにしましょう。
また熱により毒を不活性化させることができるため、やけどしない程度のお湯で温めることが有効です。
そしてやはり症状が重い場合は医療機関に受診しましょう。
赤い熱帯魚の特徴
読者のみなさまは熱帯魚と聞いてどんなイメージを持たれるでしょうか。
様々な色、大きさ、縞模様をまとった美しい魚を連想されますね。
小さい可愛い綺麗はいいですが、水槽が高そうであるとか、飼い方が難しそうといったイメージもお持ちでしょう。
ここより一転、美味しそう!ではなく美しい!観賞目的で飼育される熱帯の赤い魚について以下の順で紹介します。
ベタの特徴
可愛い・・・というより一種高貴な雰囲気さえ漂わせているベタですが、実は熱帯魚飼育の入門魚として最適です。
空気中から直接酸素を取り込むことが可能なため、エアレーション(いわゆるブクブク)が不要です。
水質の悪化にも強く、かわいそうではありますがその気になれば水槽ではなくワイングラスでも飼育が可能とされます。
ひとつだけ飼い方に注意が必要なのは、この身なりで実はとっても好戦的であることです。
ベタ同士で混泳させるとお互いにボロボロになるまで戦ってしまうので注意しましょう。
レッドグラミーの特徴
グラミーといえば髭のように長く発達した胸ビレが特徴です。
その胸ビレで興味のあるものに触れる可愛いさまはグラミータッチと言われ、人気の所以と言えるでしょう。
レッドグラミーはそのグラミーたちのなかでもひときわ鮮やかな色を持った赤い魚です。
飼い方としては難しい魚ではありませんが、水流が強いのは少し苦手としています。
エサを工夫して色揚げすることでさらにその赤は美しくなりますので、是非挑戦してみましょう。
プラティーの特徴
プラティーはメダカの仲間で、本来原種としては色鮮やかな発色を持つ魚ではありません。
ところが飼い方が難しくないこと、また繁殖が容易かつ雑多で、グッピーと同じく系統立てて繁殖を繰り返すことで狙った色や模様を持たせることも可能なので、初心者から玄人まで人気の条件付き『赤い魚』です。
熱帯魚店で見られるプラティーはすでに色鮮やかな可愛い色をしていますので覗きに行ってみてはどうでしょうか。
レッドジュエルシクリッドの特徴
レッドジュエルシクリッドはその名の通り赤い宝石のような可愛い熱帯魚です。
ところが見た目にあわずなかなか攻撃的な性格で、上で紹介したベタ同様混泳には向きません。
複数ペアで飼育する場合は大きめの水槽を準備することが飼い方のコツです。
レッドファントムテトラの特徴
レッドファントムテトラは鮮やかな赤ではなく、少し透明感のある赤が特徴的な可愛い魚です。
テトラ系全般に言えることですが、大きな群れを成すことから多頭飼育が醍醐味です。
本来水槽の大小を注意する魚ではありませんが、あえて大きめの水槽で大きな群れを形成させると大変見ごたえがありますよ。
レッドノーズテトラの特徴
レッドノーズテトラはその名の通り鼻のあたりだけ赤い魚です。
飼い方や水槽は他のテトラ系の魚同様制限の多い魚ではありませんが、是非群れで飼ってみましょう。
グラミーの項でも紹介した色揚げという手法でより鮮やかな発色が望めるので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
赤い魚についてまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「日本に生息する「赤い魚」を一覧で網羅的にご紹介!イラスト・写真付き」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。