近年人気のあるルアー釣りに欠かせないルアーを自分好みにデザインしてみませんか?今回釣りラボでは、ルアーの塗装方法や必要な道具(塗料・エアブラシ・缶スプレーなど)を詳しく解説していきます。ぜひご覧ください。
ルアーを塗装するのはなぜ?
ルアーを自作(ハンドメイド)したことはありますか?
本格的に自作するとなったら、浮力やバランス調整や飛行姿勢や水中姿勢など、専門知識が必要ですが、既存のルアーを再塗装するというチューンアップ法もあります。
ルアーを塗装(ペイント)するとはどういうことなのでしょうか?
ルアーの強度を上げることができる
塗装の最大の役目は「対象物を保護すること」にあります。
対象物が金属であれば防錆、防食、キズ防止、樹脂であればキズや割れ、紫外線などからの保護のために塗装します。
常に岩や地面にぶつかるルアーの表面は一投毎にキズや割れ、或いは魚のバイトなどで傷がつきます。
既存の塗装を一度剥がして塗り直す、あるいは既存の塗装の上に更に塗装するだけで、ルアーの表面強度を上げる事ができます。
その場合、重力がわずかながら変わってしまうので注意します。
自分好みのルアーに出来るため釣りを更に楽しめる
塗装の2つ目の役目が「意匠の付与」です。
自分の好きなカラー、好きなデザインに自由に塗装したルアーで魚が釣れたときの快感は、自作した者にしか分かりませんよね!
ルアーの塗装に必要な道具
ルアーに塗装するためには、それなりにいろんな知識が必要です。
などなど、塗装は突き詰めると底なしに深いのですが、最低でも、ルアー素材に相性の良い塗料を選ぶことと、塗装するルアーの下地処理を完璧に行わないと、絶対に失敗します。
塗装剥がしの道具
まずは、既存の傷んだり剥がれたりしている塗装を剥ぎ取ります。
メタルジグならば、ベースは鉄板ですので、あまり気にせずガリガリ研磨剤で削り取りましょう。
塗料を剥がしやすくする薬剤もあります。
プラスチックや木製(バルサなど)のルアーはベースを壊さないように、神経を使いながら剥がします。
研磨材の番手はもっと細かいものを使い、根気よく剥がします。
【角利産業】KAKURI 紙ヤスリセット
メタルジグの塗膜を剥がすには、#80くらいの低番手のサンドペーパーが必要です。
プラスチックやバルサ材なら#120〜#180くらいの番手で優しく研磨します。
【ナトコ】スケルトン 剥離剤 1kg M-201(金属ハケ用)
車の塗装をも剥がせる強力な薬剤です。
剥がしたい塗膜に塗り、放置することで塗膜が膨潤し、剥がせるようになります。
下地作りに必要な塗料・道具
塗膜剥がしが完了したら、次は塗装下地を作ります。
ルアー本体に割れや凹みがある場合はパテ埋めしてから下地作りをはじめます。
下地作りには、
のいずれかを必ず行います。
下地作りをいい加減に済ませてしまうと、せっかく上手に塗装ができてもすぐに剥がれてしまいます。
【染めQテクノロジィ】プライマー スプレー ミッチャクロン マルチ 420ml
どんな素材でも、これさえ吹き付けておけば強力な塗装下地が完成し、上からどんな塗料を塗っても強力に密着します。
【ナガシマ】セルロースクリヤースペシャル 500cc
塗装を剥いだルアーをドブ漬けし、穴や凹み、キズなどを埋め、塗装下地を形成するセメントです。
クリアカラーなので、塗装色に影響しません。
本塗りに必要な塗料・道具
下地ができたらいよいよ本塗装をするのですが、最終的にどんなデザインにするのか、予め絵などに描いておくと良いでしょう。
塗料は基本、プラモデル用のウレタン塗料を使いますが、ソリッド(原色系)、メタリック(アルミ粉末入り)、パール(パール顔料入り)、グロー(紫外線反応蓄光材入り塗料)、蛍光(蛍光顔料入り)、クリヤー(トップコート用)など、様々なものがあります。
また、塗料に混ぜて使うラメ粉、ホログラムチップなどもありますので、色々挑戦してみてください。
ただし、これらのフィラー(添加物)は、入れすぎると塗膜性能に影響しますので、添加は極々少量にとどめます。
そして、蓄光塗料と蛍光塗料は、耐久性が他の塗料より劣ります(特に耐候性)。
ですので、これらが最上層に来ないように気をつけましょう。
道具はコンプレッサー付きミニチュアカップガン、ハケ、筆、割り箸、綿棒、マスキングテープあたりが必要です。
必要があれば、ダイソーなどの100均やホームセンターなどで購入しておきましょう。
【GSIクレオス】Mr.カラー C5 ブルー
タミヤカラーと双璧を成す、GSIクレオスのMr.カラーも、模型好きなら知らぬ者はいないロングセラーブランドです。
【タミヤ】エナメル X-20 溶剤大びん
塗料の粘度調整、使用済みハケの洗浄など、溶剤はたくさん使います。
揮発性があり、有機溶剤ですので、人体に悪影響を及ぼす可能性のある危険物です。
【カモ井加工紙】マスキングテープ マットホワイト MT01P208
自動車製造、建築の分野では知名度抜群の、岡山県の老舗和紙テープメーカー、カモ井加工紙のマスキングテープです。
剥がしたあと、のりが残りません。
トップコートに必要な塗料・道具
トップコートは、それまで塗って来た下塗り、本塗りの塗膜を保護し、屋外耐候性を付与するクリヤー塗料のことをいいます。
トップコートには、一液性ウレタンクリヤー、二液性ウレタンクリヤー、専用の薄め液(溶剤)が必要です。
簡単に済ませたいのであれば、模型用のクリアラッカースプレーでも良いでしょう。
ただし、耐候性は劣ります。
【東邦産業】ケイムラコート 10ml
最上層に塗り、ケイムラカラーに仕上げるためのウレタンコーティング剤です。
ブラックライト(紫外線ライト)を当てるとケイムラ色に光ります。
アジング、メバリング用ルアーなどに効果抜群です。
【東邦産業】ウレタンクリヤーEX 80mlセット 0231
強靭なクリヤー塗膜を生成する、二液性ウレタンクリヤー塗料です。
A液(主剤)とB液(硬化剤)、シンナーを混ぜて使います。
【GSIクレオス】Mr.スーパークリアー つや消し スプレー 170ml
Mr.カラーとの相性抜群の一液性ラッカーつや消しクリヤースプレー塗料です。
簡単にトップコートができますが、水性塗膜の上には使えませんので注意が必要です。
【SHADDOCK】キラキラ反射シール ホログラムシール
自由に切ってルアーに貼り付けるだけでアピール度をアップさせる、ホログラムシート、蓄光シートなど10種類のお得なセットです。
ルアーへの塗装はエアブラシ?缶スプレー?
ルアーへの塗装には、エアブラシだけでも、スプレーだけでもできません。
全体に広く塗装するならエアブラシ、スプレーとも対応可能ですが、細かい塗装ができません。
細線を描くなどの場合は、割り箸の先を細く削ったものや場合によっては針のような極細の製品まで必要になります。
缶スプレーおすすめを紹介
缶スプレーは、安定した塗膜を簡単に生成できますが、ルアーの塗装には塗料の吐出が多すぎるので、必ず吹きかかり防止のマスキング処理を行ってから塗装します
【タミヤ】ポリカーボネートスプレー No.53 PS-53 ラメフレーク
プラモデル好きなら知らぬ者はいないタミヤカラーのスプレー塗料です。
ポリカーボネート材料に優れた密着性を示すラメ入り塗料です。
エアブラシおすすめを紹介
模型用の小さなエアブラシ、昔は数万円する大変高価なおもちゃでしたが、最近は高機能のものが安価に手に入るようになっています。
ルアーの塗装手順
ルアーの塗装手順は大まかに、
となります。
ここで注意すべきことは、硬化していない塗膜の上から別の色の塗料は絶対に塗らないことです。
完全硬化していないところに上塗りすると、互いの塗料が溶けて色混じりが起きます。
自作の木製ルアーの塗装方法
木製ルアーは、下地が命となります。
木材派表面が多孔質で、塗料などを吸い込みやすい材質なので、まずは目止めをして下地を作ります。
下地の作り方
セルロースセメントに木製ルアーをドブ漬けします。
最初はルアーがセルロースセメントを吸い込み、穴や傷を埋めます。
しばらく漬けたらひきあげて十分乾燥させます。
乾燥時間は大まかに、夏場6時間、冬場12時間くらいとります。
乾燥したらバリがある場所を含め、全体をヤスリやサンドペーパーで研磨します。
それが終わったら、再度セルロースセメントにドブ漬けし、完全に木目を皮膜で埋めます。
そして完全硬化後は、
塗料の塗り方
塗料の塗り方の基本は、一度にたくさん塗ろうと思わないことです。
一度に厚塗りはできません。
少しずつ塗り重ねて行きましょう。
コーティングの仕方
コーティングは、塗装が完全硬化した後に行います。
塗装と同じく、一度に厚塗りしようと思っても、タレの原因になるだけですので気をつけましょう。
市販メタルジグの塗装方法
市販のメタルジグの塗装を剥がして、オリジナルの塗装する際の方法について説明します。
塗装の剥がし方
剥離剤があれば、それを使うのが便利ですが、なければ金属ヤスリなどで根気よく塗料を削り取ります。
剥離剤を使って塗料を除去したときは、剥離剤の成分が完全になくなるまで、溶剤でよく洗います。
塗装がきれいに剥がせたら、セルロースセメントにドブ漬けし、乾燥、研磨を十分に行い、下地を作ります。
塗料の塗り方
メタルジグは塗料を吸い込むことはないため、厚塗りもある程度は可能ですが、塗った都度、きちんと乾燥させる必要があるのは木製ルアーと同じです。
コーティングの仕方
トップコートも、塗装が完全に硬化したあとに行います。
ブラックライトを照射できる環境があれば、UV硬化クリヤーが成膜・硬化が早くておすすめです。
身近な生活用品でルアーの塗装はできる?
実は塗装の代わりに、油性マジックやペイントマーカーで全部描くという方法もあります。
その際は、トップコートはネイル用のマニキュアを塗るのも楽しいです。
マニキュアは粘度が高く、塗った場所が盛り上がるような厚盛り塗装が可能です。
ルアーの塗装方法のまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「ルアーの塗装方法を徹底解説!必要な道具・手順・おすすめの塗料をご紹介」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。