リールは精密に作られており、日常的なリールメンテナンスはリールを長持ちさせるためにも重要です。今回、釣りラボでは、スピニングリール・ベイトリール別のメンテナンス方法やシマノのメンテナンスサービスについても解説します!
シマノのリールメンテナンス(オーバーホール)は自分でできる?
今回は、シマノのリールメンテナンスについて説明して行きます。
ここで言うメンテナンスとは、普段の釣行後の「お手入れ」ではなく、ガッツリと現場で使い倒したリールの定期的な大規模メンテナンス(オーバーホール)のことを指します。
まず、「オーバーホール」については、余程の知識がない限り、自分ですることはおすすめしません。
理由は、リールのオーバーホールには、リールの機械的構造云々よりも、化学的知識の方が大事だからです。
すなわち、パーツの機能ごと、パーツの素材ごとに必要な油脂が異なるため、それを正しく選定できる知識が重要だからです。
油脂の選定を間違えると、パーツの劣化を促進してしまったり、なめらかな回転を阻害する原因になります。
これらの知識が十分にある方は、是非、オーバーホールに挑戦してみてください。
シマノのリールメンテナンスサービスとは?
シマノのリールメンテナンスサービスについて紹介します。
シマノには、シマノ・カスタマー・センターというサイトがあり、このサイト上で、修理、パーツ販売、オーバーホールなどのアフターケアを受け付けています。
料金は、オーバーホール基本料金+パーツ料金、手数料、送料の積み上げとなります。
作業の内容に応じて、特Aコース(スペシャルメンテナンス)、Aコース(フルメンテナンス)、Bコース(基本)、Cコース(最小限の部品交換)、Dコース(検査・注油のみ)があります。
ベイトリールの場合は、Aコース(スペシャルメンテナンス)、Bコース(基本)、Cコース(最小限の部品交換)、Dコース(検査・注油のみ)となります。
どちらも、特に申し出がなければBコース(基本)となります。
但し、パーツがすでに生産終了となっているなど、古いリールについては、修理およびオーバーホールが不能となっているモデルがたくさんありますので、修理不能品リストを参照し、自分の機種が修理不能リストに乗っていないか確認をして、もし自分の機種が旧いモデルのようでしたら、早めのオーバーホール依頼を検討することをおすすめします。
メーカーに預ける期間は、コースによっても変わりますが、最低でも1ヶ月はかかると思って下さい。
メンテナンスの頻度はどのくらいが最適?
リールのメンテナンスの頻度は、釣行頻度や使用状況により違ってきますが、毎回の釣行後のクリーニングとお手入れを必ず行っているという前提で、1年に1回程度のオーバーホールをおすすめします(シマノ・カスタマー・センターでは、半年から1年に1回のオーバーホールを推奨しています)。
また、「水没させてしまった」、「ハンドルを回すと異音がする」、「巻きが重くなった、フィーリングが悪くなった」などの症状がある場合は、適宜オーバーホールに出すことをおすすめします。
スピニングリールのメンテナンス方法
ここからは、シマノのスピニングリールのメンテナンス方法について説明して行きます。
リールを一日フィールドで使うと、砂埃や塩分など、様々な汚れが付着します。
それをそのまま放置しておくと、こびりついた砂粒や結晶化した塩などが回転部に入り込み、錆びや腐食の原因となります。
釣行後は必ずメンテナンスをして、最低でも塩分や砂塵は完全に取り除かなければなりません。
メンテナンスが必要な場所
シマノのスピニングリールのメンテナンスが必要な場所は以下の通りです。
です。
常にラインがあたっていたり、回転していたり、負荷がかかる部分になります。
こういう場所は、常にキレイに保ち、清浄な油脂で保護されている必要があります。
日常のメンテナンスでは、リールをバラして、ドライブギアやピニオンギア部まで手を入れる必要はありません。
メンテナンスに必要な道具・工具
メンテナンスに必要な道具・工具は以下の通りです。
パーツクリーナーは、水洗いでは落とせない、古く汚れたグリースなどを落とすのに必要です。
スプレーグリースとスプレーオイルは、出来ればシマノ純正のものをセットで入手できれば安心です。
綿棒は、グリースを塗り広げたり、つけすぎたグリースやオイルを取り去ったり、狭い部分の汚れを落としたり、利用価値は絶大で、必ず用意したいです。
メンテナンスのやり方とコツ
それでは、シマノのスピニングリールのメンテナンスのやり方とコツについて説明します。
①水洗い
まずは、リールのドラグノブをいっぱいまで締めて、ドラグ内部に水が入らないようにして、リールの上からシャワーの水を弱めにかけて、ボディについた塩や砂などを洗い流します。
この際、お湯は使ってはいけません。
グリースなどの油脂分を温水で流してしまう危険性があります。
また、リールの下から水をかけると、ローターの回転部から水が浸入しますので、防水性能の高くない機種の場合は注意が必要です(シマノ・コアプロテクト、Xプロテクト等の防水機能搭載機は問題ありません)。
全体の汚れが取れたら水を切り、完全に乾燥するまで陰干しします。
②注油
リールが完全に乾燥したら、注油を行います。
注油の際の注意点として、オイルとグリスの使い分けを正しく行うことと、つけ過ぎた油脂は必ず拭き取ることです。
グリスが使われている箇所にオイルを使ってしまうとグリスが流れてしまう恐れがあります。
また、オイルを使うべきところにグリスを使うと、動きが重くなります。
つけ過ぎた油脂をそのままにしていると汚れを呼び込んで、砂塵を含んだ油脂が機構部に入り込んでしまいます。
注油すべき場所は、先述のラインローラー、ベールアームなど、可動部ですが、油脂の選定については、従来の常識が少し変わりつつあります。
かつては「回転部の潤滑にはオイルを、防水目的の場所にはグリスを」と言われていましたが、最近のスピニングリールは高機能のものが増え、例えばベアリング内に特殊なグリスが封入されているものなどがありますので、一概には言えなくなりつつあります。
注油の場所及び油脂の選定については、必ず取扱説明書を確認して行うようにしてください。
スピニングリールのメンテナンス時の注意点
シマノのスピニングリールで、「コアプロテクト」防水機能が搭載されている機種は、水の侵入経路にあたる金属パーツ部に特殊な撥水加工が施されています。
また、「Xプロテクト」防水機能が搭載されている機種で、5000番以上のオフショア用大型スピニングリールには、接触式の防水パッキン及び特殊防水グリスが封入されていますので、この部分には基本、注油はしてはいけません。
また、特殊なグリスが封入されているシールドベアリング部にも注油は厳禁です。
ベイトリールのメンテナンス方法
続いて、シマノのベイトリールのメンテナンス方法について説明します。
基本はスピニングリールと同じですが、注油箇所については取扱説明書を参照してください。
また、油脂は殆どがオイルです。
グリスを使う場所はレベルワインダーのウォームシャフトのみと言っても良いかも知れません。
メンテナンスが必要な場所
シマノのベイトリールのメンテナンスが必要な場所は以下のとおりです。
になります。
メンテナンスに必要な道具・工具
シマノのベイトリールのメンテナンスに必要な道具・工具もスピニングリールのメンテナンスと同じで良いでしょう。
ベイトリールは、スピニングリール以上にバラす機会は少ないと思います。
があれば十分です。
メンテナンスのやり方とコツ
それでは、シマノのベイトリールのメンテナンスのやり方とコツについて説明します。
①水洗い
弱めのシャワーで全体に水をかけ、ボディ全体の汚れや塩分を落とします。
スピニングリール同様、お湯の使用は厳禁です。
全体の汚れを落としたら、陰干しして完全に乾燥させます。
②注油
完全に乾燥したら、ベアリング部を中心に注油して行きます。
レベルワインダーのウォームシャフトには、水洗いしたあとでもグリスがたくさんついていますが、グリスが汚れていなく、レベルワインダーの動きに問題がなければそのままで構いません。
もしグリスが著しく汚れていたり、動きがおかしい場合は、パーツクリーナーを吹きかけながらウエスや綿棒で古いグリスを取り除き、新しいグリスを薄く均一に塗ります。
決して塗りすぎないようにします。
グリスを使うのは原則ここだけです。
その他、ハンドルノブ接続部やスプール受けベアリング部、メカニカルブレーキのベアリング、スプールシャフトなどにオイルをごく少量注油します。
ベイトリールのメンテナンス時の注意点
ベイトリールのメンテナンスに際しては注意すべき点があります。
それは、「スプールシャフト及びスプールベアリング、スプール受けベアリングには絶対にグリスを塗ってはいけない」と言うことです。
スプールの回転力を著しく阻害し、キャストができなくなります。
グリスだけでなく、粘度の高いオイルも、スプール周辺には避けたほうが良いでしょう。
シマノのリールメンテナンスについてまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「シマノのスピニング/ベイトリールのメンテナンス方法とは?オーバーホールも紹介」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。