漁師結び(完全結び)は、ラインとルアー/サルカンの結束方法として、その強度と簡単さから人気があります。今回、釣りラボでは、漁師結び(完全結び)の特徴、結び方、強度を紹介した上で、あわせて釣り針とラインの結び方である「漁師結び」のやり方も解説。
漁師結び(完全結び)とは?
漁師結びとは、主にラインとルアー・サルカンの金具を結束する際の結び方で、完全結びという呼び方もあります。
大物をターゲットにしたジギングでは、細くて引っ張り強度が高いPEラインがよく使われますが、PEラインは摩擦や根ズレ、魚の歯による傷に弱いという弱点があります。
そのため、ショックリーダーを介してルアー・メタルジグとPEラインを繋ぎます。
簡単に結束できて強度も高い漁師結びは、こういった場面に最適な結束方法です。
ラインと針の結び方にも漁師結びと呼ばれるものが存在しますが、ラインとルアー・サルカンの結束方法とは特徴や結び方が異なります。
まずはラインとルアー・サルカンの結束方法からお伝えし、最後にラインと針の結束方法について紹介します。
漁師結び(完全結び)のメリット
まずは、漁師結び(完全結び)のメリットについて確認しましょう。
簡単に結べる
漁師結び(完全結び)のひとつめのメリットは、簡単に結べるという点です。
後ほど詳しい結束方法を説明しますが、編んだり何度も巻き付けたりといった複雑な工程は一切なく、非常に素早く結ぶことができます。
何度か練習は必要ですが、慣れれば30秒程度で結束可能です。
強度が強い
漁師結び(完全結び)は、ラインを折り返し二重にしてから結束します。
そのため摩擦が起きやすく、結果として強度が高くなります。
また、滑りやすいPEラインでも強度を高めやすい結束方法です。
ショックリーダーを介さず直結しても、ラインが二重になっていることもあり、ある程度の強度が期待できます。
PEラインと直結する場合は、仕上げにハーフヒッチなどを加えて更に強度を高めると安心です。
漁師結び(完全結び)のデメリット
続いて、漁師結び(完全結び)のデメリットについて確認しましょう。
漁師結び(完全結び)は綺麗に結ぶのが難しく、慣れないとラインがよれるというデメリットがあります。
どうしてもよれてしまうという場合は、ラインの種類を変えてみるのも方法のひとつです。
漁師結び(完全結び)でよれやすいのは、ナイロンラインです。
結束の過程で、ナイロンラインの持つ伸びやすいというデメリットが出てしまうためです。
根がかりしやすいフィールドであればフロロカーボンラインを、根がかりをさほど気にしなくて良いフィールドであればPEラインに変更してみましょう。
漁師結び(完全結び)の結び方(動画付き)
漁師結び(完全結び)の結び方について、説明します。
漁師結び(完全結び)の手順は、以上です。
ラインを巻きつける回数は5回程度を基準として、ラインの太さによって増減させてください。
こちらは漁師結び(完全結び)の手順を解説した動画です。
参考にして、練習してみましょう。
漁師結び(完全結び)の強度について
漁師結び(完全結び)の強度はどの程度なのか、押さえておきましょう。
すっぽ抜けることはある?
漁師結び(完全結び)は強度の高い結束方法ですが、すっぽ抜けることもあります。
その場合、以下のポイントをチェックして見ましょう。
まず、ラインの巻きつける回数が適切かどうか確認してください。
巻きつけ回数が不足が原因で摩擦が働かなかった可能性や、逆に太いラインで多く巻きつけすぎたために締め込みが上手く出来ていなかった可能性があります。
また、巻き付けを行った際にラインがたるんでいると、緩んですっぽ抜けてしまうことがあります。
巻きつける工程では、ラインを張っておくことがコツです。
どういった釣りで活躍する?
漁師結び(完全結び)は、細いラインよりも太いラインを得意とする結束方法です。
エギングなどのライトショアジギングももちろん対応できますが、シーバス釣りやヘチ釣り、大型青物を狙ったジギングなど高い負荷のかかる釣りで真価を発揮します。
簡単に結束できるので、船の上などでも素早く釣りに復帰できます。
より簡単で強度の強い結び方はある?
漁師結び(完全結び)より簡単で強度の強い結び方はあるのでしょうか。
漁師結び(完全結び)同様に、ルアー・サルカンとの結束に適したノットと比較してみましょう。
クリンチノット・ユニノット
ユニノットやクリンチノットは、漁師結び(完全結び)と同程度の手軽さが魅力の結束方法です。
ユニノットは太いラインより細いラインに適しており、クリンチノットはすっぽ抜けやすいので重いルアーをキャストするような釣りには不向きです。
ハングズマンノット
ハングズマンノットは漁師結び(完全結び)と非常に似ており、簡単で強度が高い結束方法です。
細いラインを使用する渓流釣りなどで活躍しますが、重いルアーには向いていません。
イモムシノット
イモムシノットは、漁師結びと同じくジギングなどの負荷のかかる釣りに向いています。
大物を相手にできるタフなノットですが、ハーフヒッチを繰り返すため漁師結び(完全結び)より多少手間がかかります。
漁師結び(完全結び)と、上記で紹介したノットの特徴を理解し、ベストなシーンで活躍させられるようになっておきましょう。
なお、ここで紹介したノット以外でも、パロマーノットやハングマンズノットなどは、漁師結びと並んで人気のある結び方です。
釣り針とラインの結び方である「漁師結び」のやり方
次は、釣り針とラインの結び方である漁師結びについて、説明します。
呼び方自体は一緒ですが、ここで紹介するのはルアーやサルカンとの結び方ではなく、釣り針との結び方です。
針とリーダーや胴突き仕掛けなどで使うエダスを結束する方法で、とっくり結びと呼ばれることもあります。
結束する際は、ラインと針に加えてプライヤーがあると便利です。
以上が、釣り針とラインの漁師結びの手順です。
詳細は、解説動画を見ながら確認してください。
釣り針を結ぶ漁師結びのメリット
釣り針とラインの結び方である漁師結びのメリットは、簡単に素早く結べるという点です。
エダスのように、ラインと針を何本も結束しなければならないシチュエーションで活躍してくれます。
釣り針を結ぶ漁師結びのデメリット
逆に、デメリットは、針へ巻きつける回数が少ないので解けやすい点です。
また、結び方の構造上ラインを両側に引いて締め込むことになります。
そのため、針に対してラインがまっすぐにならず、斜めになってしまいます。
漁師結び(完全結び)についてまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「漁師結び(完全結び)の強度はどれくらい?簡単に強く結ぶ方法をご紹介!」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。