長潮・若潮ではなかなか釣果が上がらないという話は、釣りをやっているとよく聞く話だと思います。今回、釣りラボでは、そんな長潮・若潮で釣果が上がりにくいと言われる理由、釣果の変化、釣りの攻略方法をご紹介します。ぜひご覧ください。
そもそも長潮・若潮とは?
月の引力が地球に作用して、海水を引っ張り、潮位を生じさせます。
これを「潮汐(ちょうせき)」といいます。
地球の自転に伴い、潮位は一日2サイクル変動します。
一日の最高潮位を満潮、最低潮位を干潮といいます。
通常は満潮、干潮が一日2回ずつ訪れます。
月単位では、月齢を基準に、一日の潮位差が大きい大潮(新月、満月)、潮位差が小さい小潮(半月)、中間の中潮、小潮最終日の翌日、潮位差が相対的に最も小さい長潮、長潮の翌日、次の大潮に向けて潮が再び動き出す(若返る)とされる若潮があります。
なぜ長潮・若潮が生じるの?潮回りとは?
月の引力が地球の海水を引っ張り、干満を生じさせる力を「起潮力」といいます。
地球の自転により、月と地球が正対する位置にあるときが満潮、90度方向にあるときが干潮です。
また、そこに太陽の引力が作用して、日によって潮位の変化に大小が生まれます。
太陽、月、地球が一直線に並んでいる日は、太陽と月の引力の相互作用で潮位の変化が極大になります。
この日が「大潮」です。
対して、太陽と月が地球からみて90度方向にあるときは、太陽、月の引力がそれぞれ打ち消し合って、潮位差は小さくなります。
この日が「小潮」です。
小潮は2〜3日程度続きますが、小潮最終日の翌日が、潮位の変化が一番少ない「長潮」となります。
長潮の翌日、再び次の大潮に向かって潮が動き出す日を、潮が若返る日として「若潮」と呼びます。
「潮回り(潮名)」とは、このような潮汐の様子を表す言葉として使われています。
長潮・若潮が起こる時期・頻度
長潮は、新月(大潮)を月齢0、満月(大潮)を月齢15とすると、新月のあとの月齢10前後、満月のあとの月齢25前後の日が該当します。
若潮は、長潮の翌日ですので、月齢11、26前後の日となります。
ほぼ月に2回発生します。
なお、今日が長潮か若潮かを知りたいという方は、こちらの潮見表を活用してください。
長潮・若潮では釣れにくいって本当?
一般的に、大潮の日は釣れやすい、小潮の日は釣れにくいと言われています。
潮が大きく動くと、プランクトンやベイトが活発に動き、それを捕食する魚も活発に動くと言う理論です。
しかし、釣りの場合は、潮時、天気、水温など、様々な要素が複雑に絡み合うため、あくまでも「大潮の日は他の日より少しだけチャンスが多い」程度と思っておいたほうが良いでしょう。
長潮・若潮が釣れにくいと言われる理由
長潮、若潮は、潮の干満差が小さい日であり、釣りのチャンスタイムと呼ばれる、「上げ3分」から「上げ7分」、「下げ3分」から「下げ7分」の間も潮位差が小さいため、他の日と比較して、相対的に「潮が動かない」と言われ、魚の活性も上がらないと言われています。
ただ、長潮や若潮は釣れにくいというのはよく言われますが、長潮はともかく、若潮はそれほど釣りにくくないと感じる方も多いです。
長潮・若潮に釣りをするメリット
とはいえ、デメリットばかりではありません。
長潮、若潮に釣りをする場合は、以下のようなメリットもあります。
長潮・若潮に釣果が上がる釣り
長潮、若潮の時に釣果が上がる釣りには、イカ釣りがあります。
潮の流れがゆるやかな長潮、若潮の日は、エギングの場合は特に、エギが流されにくく、仕掛けのコントロールがしやすくなります。
長潮は小潮よりも潮が動かない日のため、多くの釣り魚は激渋と呼ばれるような日ですが、ベイトとなる小魚が溜まりやすく、イカにとっては捕食がやりやすい日です。
また、若潮の日は、前日ほとんど動かなかった潮が再び活発に動き始める日であり、多くの魚の活性が徐々に上がりはじめる日でもあります。
イカ漁師は若潮を基準に中潮にかけて、集中的に漁に出るとも言われています。
長潮・若潮に釣果が下がる釣り
長潮・若潮の時は、大潮などに比べると、ほとんどの釣りでは釣果が下がることは否めません。
プランクトンがひと所に溜まるには、潮が動いていることが重要です。
潮が動かない状況は、プランクトンは分散します。
すると、プランクトンを捕食するベイトフィッシュなども分散します。
シロギス釣り、アジング、タイラバ、シーバス釣り、カレイ釣り、根魚釣り、青物釣りなど、大多数の対象魚は釣果が下がります。
長潮・若潮を気にしなくても良い釣り
しかし、潮回りをあまり気にしなくても良い釣りもあります。
例えば漁港や堤防などでのサビキ釣りです。
居付きの魚をアミコマセでおびき寄せて釣るには、あまり潮は関係ないかも知れません。
また、ヒラメ釣りも、「離岸流を釣れ」などと言われますが、潮回りはあまり関係ありません。
小潮・長潮・若潮など、干満が小さい潮回りのほうが時合が長いと言われています。
そういう潮回りの時、離岸流のような、周囲とは異なる潮の流れの場所が狙い目になります。
長潮・若潮での釣りを攻略する方法・狙い方
長潮・若潮は、潮位差が小さく、複雑な潮流も起きにくい日であるため、プランクトンが溜まる場所も形成されにくく、多くの魚にとって、エサの捕食も難しい潮回りになります。
そんな日の攻略には少しコツと知識が必要です。
潮の流れ始めを狙う
ポイント周辺がすべて潮が完全に止まっているなどということはそうそうありません。
少し高いところから海面を眺めることができれば、たとえ長潮・若潮であっても、潮が流れ始めている場所を探せるでしょう。
そういうところは、海水の色が周囲とは違っていたり、水面の波の立ち方が違ったりしていますので、そういう場所を重点的に狙ってみます。
マズメを狙う
朝マズメ、夕マズメはどんな潮回りの時でも有効ですが、潮の動きが少ない長潮・若潮の日は、マズメ時がさらに重要な意味を持ちます。
長潮・若潮での釣りについてまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「長潮・若潮では魚は釣りにくい?その理由や攻略方法・狙い方をご紹介」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。