シーバスは一年中釣れる定番人気の魚です。とはいえ、季節ごとに狙うべきポイントや釣り方は少しずつ違うもの。今回、釣りラボでは、シーバスのシーズンごとの特性やポイント、おすすめスポットについて解説します!
シーバス釣りにおすすめのシーズン・時期
シーバス釣りは季節を問わず一年中出来ますが、釣りのベストシーズンとしては春と秋です。
季節ごとに食べているものが異なるシーバスをコンスタントに釣るには、シーバスの季節ごとの行動パターン(摂餌行動)を知り、それに合わせたメソッドを用意する必要があります。
水産資源としての旬は、沖で獲れる個体が最も味が良くなる夏です。
夏のスズキは、脂の乗りが最もよく、刺し身を氷水で締めたアライが最高に美味しい時期となります。
シーバスの産卵期は冬です。
産卵場所については明らかにはなっていないのですが、沖の水深60〜80m程度の場所で産卵と越冬をしているようです。
春になると産卵後の体力回復のために荒食いするシーバスは、春の満月の夜に起こる、イソメやゴカイ類の繁殖行動である「バチ抜け」を狙い、イソメ類がメインの餌となります。
その他は、様々な魚の稚魚が育ち始める時期のため、小さなベイトフィッシュを中心に捕食します。
初心者が最もシーバスを釣りやすいのはこのバチ抜けパターンの時期です。
夏になると、シーバスは沖よりに生活圏を移動します。
これは、水温が高くなりすぎ、プランクトンの大量発生などが原因で酸素濃度が低下した沿岸水域を避けるためと言われています。
ボートで少し沖に出るとよく釣れる時期です。
秋になると、冬の産卵シーズンに備えて荒食いが始まります。
この頃の荒食いが一番盛んにベイトフィッシュを追う時期です。
サイズが最も大きいシーバスが釣れるのは秋のシーズンです。
シーバスの1年はだいたいこのようなパターンとなり、季節ごとに釣れるパターンが変わることがわかります。
【シーズン別】シーバス釣りの攻略法
それでは、シーズン別のシーバス攻略法について、詳しく説明して行きます。
シーバス釣りの春シーズンのポイント
まずは、春のシーバス釣りのポイントについて説明します。
春シーズンの特徴・パターン
春シーズンの特徴・パターンは、「バチ抜けパターン」という、1月〜6月頃までの大潮〜中潮の潮回りの夜、満潮後の下げはじめのタイミングで起こる、イソメ類が一斉に底砂から抜け出し、表層を泳ぎながら繁殖行動をするイソメ類を捕食するシーバスを狙うパターンです。
この「バチ抜け」は、水温や天気などの条件により、いつ起こるか正確にはわからないのですが、だいたいバチ抜けが起こりそうな日は、地域ごとに「バチ抜けカレンダー」として、さまざまなサイトで予想されていますので、参考にすると良いでしょう。
バチ抜けシーズンのシーバスは、メインの餌がバチ類になっていますので、ルアーもバチ抜けパターン対応のものを使います。
夏に近づくにつれて、ベイトがイナッコ→イワシ、サヨリに変わっていきます。
春におすすめの地域
春は、関東以西ではバチ抜けパターンがメインとなりますので、河口部がおすすめのポイントになります。
バチ抜けはどこでも起こるわけではなく、過去の実績ポイントを探ることになります。
東北地方はバチ抜けの条件が揃う時間帯が日中であることが多く、基本、バチ抜けパターンはあまりありません。
東京湾は湾奥の河川部を中心にバチ抜けパターンが最も頻繁に起こります。
早いところでは1月頃からはじまり、遅いところでは6月頃まで続きます。
関西では大阪湾を中心にパチ抜けパターンが成立しますが、本格的なバチ抜けシーズンは3月下旬頃から7月頃までとなります。
春におすすめのスポット・釣り場所
春におすすめの、スポット・釣り場所は、バチ抜けパターンが成立するところになります。
東京湾の荒川、中川、旧江戸川、多摩川、鶴見川、相模川などの各河口部が特におすすめです。
大阪湾周辺では、大和川、石津川、貝塚港、なぎさ公園、浜寺公園など、バチ抜けスポットが点在しています。
シーバス釣りの夏シーズンのポイント
続いては、夏のシーバス釣りのポイントについて説明します。
夏シーズンの特徴・パターン
バチ抜けパターンが終わると、次にイナッコパターン、稚アユパターン、イワシパターン、サヨリパターンと、シーバスのメインベイトが変わってきます。
イナッコパターンの初期のうちは、イナッコが生息している湾奥の漁港内部などを中心に、シーバスが追って河川にも入りますが、イワシパターンになってくる盛夏になると、水温も高くなり、内湾の止水域ではプランクトンの異常発生による酸欠が起こりやすくなるため、シーバスも沖へ出るものが多くなります。
ボートで軽く沖に出てトップを引くジギングが楽しい時期となります。
また、水温が低い河川が流れ込む場所では、河川に入るものも多くなります。
この時期のシーバスは、基本、ミノーやペンシルを使い、広いレンジを探っていきますが、ボイルが発生している場合はホッパーなどを使い、トップウォーターを引き続けると良い結果となることがあります。
イナッコパターンでもイワシパターンでも、ルアーのカラーはホログラム系などのギラギラしたものが反応が良いようです。
ルアーのサイズはベイトのサイズに極力合わせましょう。
夏におすすめの地域
夏は沖堤防や急深のサーフなど、潮通しが良く、水温が高くなりにくい水深のある海域がおすすめです。
また、台風シーズンは、増水した河川の濁流が大量に海に流れ込みます。
その際にベイトフィッシュもかなりの量を押し流してきますので、台風通過後は大河川の河口付近も良好なポイントとなります。
夏のデイゲームはかなり暑いので、夜釣りがおすすめです。
夕マヅメから夜半にかけて、常夜灯周辺や橋梁橋げた周辺など、ストラクチャーを重点的に狙いましょう。
夏におすすめのスポット・釣り場所
夏のシーバス釣りにおすすめのスポットは、宮城県石巻エリアの北上川河口部(追波湾奥)、秋田県な雄物川河口部、茨城県の那珂川河口部、和歌山県の紀ノ川河口部など、大河川河口部や、神奈川県の京浜運河や観音崎、西湘サーフ、茨城県の大洗海岸、千葉県の外房エリアなど、水温が高くなりすぎないディープエリアがおすすめです。
シーバスの秋シーズンのポイント
秋のシーバスは、様々なベイトフィッシュをたくさん食べ、春先よりも大きな個体が増えている時期であり、さらに冬季の深場落ち、産卵に備えて荒食いをするシーズンです。
シーバスのみならず、多くの魚が最も活性化するシーズンですので、当然、シーバス釣りには最も良いシーズンといえます。
ベイトの種類も増え、イワシ、サヨリ、アジ、サバ、コノシロ、ヒイラギ、落ちアユ、ハゼなど、すべてがシーバスのベイトとなります。
この時期のポイントとしては、ベイトフィッシュの行動エリア全域となります。
秋シーズンの特徴・パターン
秋シーズンのシーバス釣りの特徴は、一言でいえば「王道を極める」釣りです。
ポイントをよく観察し、ベイトがいるかいないかを見極め、ベイトにあったルアーを選ぶ「マッチ・ザ・ベイト」で、丁寧にランガンしましょう。
ベイエリアで、ベイトを追い回しているシーバスが比較的釣りやすいと思いますが、一発大物狙いは河口部だったりします。
産卵直前の荒食いをしているシーバスは河口部に多くいて、川から流れてくるベイト、川に入ってくるベイトを効率よく捕食しています。
ランカーサイズのシーバスを狙うには、河口部が最も期待できます。
大型のシーバスは、ベイトを全速力で追うよりも、流れてくる大型のベイトに襲いかかることが多いため、流れの強い場所でミノーなどをドリフトさせる釣りが面白いです。
秋におすすめの地域
秋のシーバスは基本あらゆる地域で出来ますが、面白いのは、落ち鮎がベイトとなる河川下流部が特におすすめです。
落ちアユは、既に人生最後の仕事のため、最後の力を振り絞って産卵場所に向かっています。
泳力は若魚の時と比較すると落ち、かつサイズが大きいため、大型のシーバスにとっては大変捕食のしやすいベイトとなります。
落ちアユがシーバスのベイトとなる時期は秋の終盤の短い時期だけなのですが、毎年同じ時期に落ちアユパターンが来ますので、狙う価値大です。
秋におすすめのスポット・釣り場所
秋のシーバス釣りにおすすめのスポットは、ベイエリアは湾口、湾奥問わずポイントです。
神奈川県川崎市、横浜市、横須賀市一帯、千葉県木更津、浦安、富津など東京湾全域、関西では大阪湾(北港エリア、南港エリア、淀川河口部など)全域、東海地区は伊勢湾一帯(木曽三川河口部)など、潮通しの良い大河川下流部がおすすめです。
シーバスの冬シーズンのポイント
冬のシーバス釣りは、産卵するにも越冬するにも、沖目に出てしまうため、一気に釣りが難しくなりますが、もちろん、全く釣れないというわけではありません。
ポイントはひとつです。
ズバリ、周囲よりも水温の高い場所を狙うことです。
とはいっても、水温の高い場所を探すのは至難の業です。
ベイトフィッシュも極端に減ります。
ベイトフィッシュはボラやコノシロがメインになりますが、それらもいない場合はカニやイソメなども捕食しているようです。
基本、工場からの温排水が流れ込む河川、或いは岸壁に立地する工場や火力発電所の排水溝周辺には、温水を求めて様々な生物が集まり、シーバスやチヌなどの隠れたスポットになっています。
冬シーズンの特徴・パターン
冬のシーバス釣りは、陸っぱりのシーバスは絶対数が少なくなっている季節ですので、情報戦の様相を呈します。
即ち、冬の期間ずっと、周辺より水温の高いエリアを如何に攻略できるかが勝負となります。
それ以外のエリアでは活性が極端に下がっていますので、非常に難しい釣りとなります。
この時期は、北方性の魚を除き、シーバスに限らずあらゆる魚の活性が下がりますので、ルアーも速巻きはしません。
スローリトリーブでふらふらとしたロールの動きができるシンキングタイプのペンシルベイトなどが効くでしょう。
冬におすすめの地域
冬季は黒潮の影響を受ける関東以西の太平洋側がシーバス釣りに向いている地域です。
その中で、温水の供給が絶えずあり、周辺より水温が恒常的に高くなっているエリアを探します。
冬におすすめのスポット・釣り場所
冬のシーバス釣りの狙い目は火力発電所、製鉄所、製油所など、冷却水を大量に使用するプラントの周辺を狙いましょう。
温排水口から絶えず温水が排出されているような場所は、通年水温が高く、プランクトンや、それを捕食するベイトフィッシュがたまりやすいため、冬季には深場に落ちずにその周辺で越冬する魚も多くいます。
但し、エリア的には広くないので、競争率の高いスポットとなります。
シーバスの釣り方・コツ
シーバス釣りのコツは、季節に応じて変わるシーバスの行動パターンをよく観察することです。
そのためには、「同じポイントに一年間通い続ける」など、定点観測をして、そのエリアのシーバスが何をメインベイトにして、どんな一年を過ごすのかを知ることが大切です。
シーバスのシーズンについてまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「シーバスのベストシーズンはいつ?シーズン別の攻略法やおすすめスポットも解説!」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。