鮎(アユ)は全国各地の河川に生息し、美味しく食べられることから釣り人にとても人気のある魚の一つです。今回、釣りラボでは、そんなアユの釣り方について、そのコツや、おすすめの仕掛けや餌、アユ釣りが解禁される時期などについて解説していきます。
鮎(アユ)の生態・特徴
アユは北海道から沖縄まで日本全国に生息し、川と海を回遊する魚です。
秋に川で孵化し海へ下り、冬季は海でプランクトンやエビを食べ、春から初夏にかけて川へ遡上します。
川に戻ったアユは食性が変わり藻類を食べるため、体色が変化する点が特徴です。
基本的に一年しか生きることのない『年魚』で、天然のアユは香りが良いため『香魚』という別名もあります。
アユ釣りが解禁される時期・季節
アユは資源保護のため、都道府県や漁協によって禁漁期間が決められています。
概ね6月1日が解禁日となることが多く、アユが産卵を終える10月までの暖かい時期に釣りを楽しむことができます。
解禁日は各河川により異なる場合がありますので、事前に確認するようにしましょう。
例えば兵庫県・闘竜灘、和歌山県・日高川が最も解禁が早く、例年5月1日が解禁日です。
アユに警戒心のない解禁日直後や、骨の柔らかい若鮎が狙い目の7月頃、産卵前の落ちアユが楽しめる8月下旬から10月にかけてなど、シーズン中は様々なアユ釣りを楽しむことができます。
アユ釣りにおすすめの場所
アユが遡上する川は漁業組合が管理していることがほとんどです。
まずは下調べを行い、禁漁期間や禁止区域、入漁券についての情報を確認してください。
他にも川ごとに釣り方や釣っても良い魚などのルールがあるため、注意が必要です。
アユ釣りとしてポピュラーな河川は、神奈川県の相模川や栃木県・茨城県の那珂川、岐阜県・三重県の長良川などが挙げられます。
滋賀県の琵琶湖もアユ釣り場として人気があり、遡上するアユと琵琶湖で一生を終えるアユがいる点が他にはない特徴です。
遡上しないアユは『小鮎』とも呼ばれるサイズの小さいもので、海水では生きることができません。
釣り場となる川について事前に調べたら、現地で詳細なポイントを確認しても良いでしょう。
漁協やオトリアユの販売店付近にはアユが多く放流されていることが多いため、最初のポイントとしておすすめです。
アユの釣り方・コツ・タックル(道具)
アユ釣りは古来から日本で親しまれており、釣り方にはいくつか種類があります。
ここでは主な4つの釣り方とその道具についてお伝えしますので、それぞれ用意しなければならない道具や釣りのコツを確認してください。
どの釣り方にも言えることですが、ライフジャケットや、日差しを遮る帽子、ポイントを探すための偏光サングラスなどがあると快適です。
アユの釣り方1:友釣り
友釣りは、オトリアユと呼ばれる鮎をおとりに使う釣り方で、縄張りに入ってきた侵入者を追い出そうとするアユの習性を利用します。
難しいイメージがありますが、専用の道具がたくさん販売されており、初心者でもチャレンジしやすいアユ釣りの定番です。
オトリを操作し、ターゲットのアユとの駆け引きを楽しむのが醍醐味と言えます。
友釣りのやり方・コツ
オトリが弱ると釣れなくなってしまうので、必ず複数のオトリを用意しましょう。
ポイントを選んだら、オトリに釣り針を付けて泳がせ、アユが攻撃しに来るように動かします。
オトリに付けた針にアユが引っ掛かったら、タモでアユを回収しましょう。
友釣りにおすすめの仕掛け
友釣りの仕掛けは、細かい構成になっており、竿先から順に天井糸、水中糸、オトリを繋ぐハナカン、ハリス、掛け針という仕組みになっています。
結び方が難しいと感じる場合は、すでに完成している仕掛けを用意すると手軽です。
【シマノ】LIMITED PRO 完全仕掛け METAMAGNUM II
こちらは天井糸から掛け針までが全てセットになった仕掛けです。
8〜10メートルの竿に対応しています。
友釣りにおすすめのロッド
友釣りの専用竿は長いため、重さを感じやすく操作しにくいことが多いです。
ある程度値段は高くとも、感度が良く軽くて丈夫な竿を選ぶと良いでしょう。
友釣りにおすすめのその他タックル・道具
友釣りでは川の中へ入って釣りを行うため、保温性の高いウェーダーも必要です。
また、オトリアユを入れるアユ缶や引き船と呼ばれる入れ物、アユをすくうタモも用意しておいた方が良いでしょう。
アユの釣り方2:ドブ釣り
流れが緩く水深がある場所をドブと呼ぶことから、そういったポイントで行う釣りのことをドブ釣りと言います。
必要な道具が少ないこと、釣り方がシンプルなこと、岸に座ったままでも釣れることから、のんびりと楽しむことが出来る釣り方です。
ドブ釣りのやり方・コツ
ドブ釣りの方法は、仕掛けを着底させ少し待ってからゆっくりと竿を上げるという動きを繰り返すシンプルなものです。
川の上流から下流へ流れに沿うように竿の上げ下げを行い、途中で止めを混ぜるのがコツです。
根がかり防止のため、糸は弛ませないようにしてください。
ドブ釣りにおすすめの竿・ロッド
ドブ釣りの場合、同じ場所から広い範囲を狙うことができるので、11メートル前後の長い竿・ロッドがおすすめです。
竿先には道糸を水深に合わせるための道糸調節器を付け、その先に道糸、仕掛け、おもりと続けます。
ドブ釣りにおすすめの仕掛け
ドブ釣りの仕掛けには、毛バリを用います。
また、仕掛けは天秤が主体ですが、胴突きと併用することもあります。
【SHIMOTSUKE】ドブ釣り仕掛け
使いやすい釣り竿セット
仕掛けが2種類ありますので、その日の状況で使い分けてください。
毛バリが3種類とハリス止めが付いています。
水中に入ってポイントを探るならウェーダーが必要ですが、岸から釣る場合は不要です。
竿が長いため、竿掛けを用意しておくと楽ができます。
こんな人におすすめ
- アユのドブ釣りをよくする方
- 釣り初心者でウェーダーを持っていない、または使ったことがない方
アユの釣り方3:エサ釣り
エサ釣りは、エサとウキを使用し、縄張りを持たない遊びアユを狙う釣り方です。
アユ釣り解禁直後、あるいは産卵前の9月頃がエサ釣りに適しています。
アユが普段食べている苔類が流れてしまっている雨の後などにもおすすめです。
エサ釣りのやり方・コツ
川の流れが緩く膝から腰ほどの深さの場所を狙い、自然に流れるように仕掛けを投入します。
ウキが沈み込んだらアタリなので、素早く竿を上げてください。
エサ釣りにおすすめの竿・ロッド
エサ釣りの場合、専用竿はあまり見かけません。
清流竿か渓流竿であまり重くないものを選びましょう。
初心者の場合は、4メートル程度の竿が扱いやすくおすすめです。
エサ釣りにおすすめの餌
エサ釣りの際に使用するエサは、シラスやイカやアジの切り身、はんぺん等を用いるのが一般的です。
魚粉とパン粉、サバ缶とパン粉等の組み合わせを混ぜてエサを手作りする場合もあります。
また、撒き餌のほか、漂ってアピールするエサ玉付き仕掛けや、エサをまとめるラセンや餌カゴなどを用いる場合もあります。
【OWNER】81116 マキ餌ラセン
こちらはエサを付着させて使うラセンです。
ウキの浮力に合わせてラセンのサイズを選びましょう。
道糸は0.6号程度のもので、ウキは中通しか足つき、オモリはカミツブシかガン玉を使います。
アユの釣り方4:ルアー釣り
ルアー釣りは、友釣りのオトリアユをアユ形のルアーに置き換えた釣り方です。
川幅が狭く小さい釣り場で行うのに適しているため、服装も動きやすいものであれば普段着で問題ありません。
足下は、滑りにくい靴を履くようにしてください。
アユのルアーフィッシングを行える場所は限られています。
関西では京都府の鴨川や犬飼川、滋賀県の愛知川、関東では東京の多摩川などがアユのルアー釣りが許可されている川です。
事前にツアー釣りが可能な川かどうか、必ず確認しましょう。
ルアーでの釣り方
根掛かりを避けるため、膝程度の深さのポイントを選んでください。
ルアーに元々付いている針を外し、友釣り用の針に替えます。
ルアーを投げ入れるとアユが逃げるので、泳がせるようにルアーを石の上へ流し、アユがかかるのを待ちます。
ルアー釣りにおすすめのロッド
アユ釣りのルアー釣りにおいて、ロッド・竿はどんなものでも問題ありません。
リールがあるものでも、テンカラ竿でも釣ることができます。
ルアー釣りにおすすめのルアー
ルアーは色々なメーカーから販売されているので、好みのものを選んでください。
【カツイチ】ベイビーリアユ 105 S
こちらはアユのルアー釣り用のルアーのため、友釣り用の針に付け替える必要がありません。
シリコン製で音も静か、耐久性もあります。
アユが釣れない時のコツ・ポイント
アユ釣りができるシーズンは限られている上、人気の釣り場は人が多く、なかなか釣果を上げられない場合もあるでしょう。
初めてアユ釣りを行う場合は漁協やオトリアユ販売店の近くのポイントがおすすめですが、そういったポイントは人気があり、すぐには空きません。
竿の取り回しの良い開けた場所も人気ですが、同じことを考える釣り人も多いはずです。
釣りの場所を変える
釣れない場合、思い切ってポイントを変えてみましょう。
『竿抜け』と呼ばれる誰も狙っていないような場所を狙うのは、釣りの大会でも有効とされる手段です。
障害物があったり、竿が当たってしまいそうな木や橋があったりする釣りにくい場所や、一見浅すぎるように思える場所でも、アユが潜んでいて釣れることがあります。
時間帯をずらす
時間をずらしてみるのも良いでしょう。
朝一番から混み合っていたエリアも、帰宅の際の渋滞を避けようとする釣り人が多いため、夕方にはすっかり静かになります。
人が少なくなると、人的プレッシャーが減り、アユも警戒を解くので、想像以上に釣果が上がることもあります。
鮎(アユ)釣りの始め方まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「鮎(アユ)釣りのやり方・コツを徹底解説!解禁時期やおすすめの道具・仕掛け・餌もご紹介」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
もし、釣りに関してまだ知りたいことがあれば、サイト内検索をご利用いただくか、ぜひ関連する他の記事をご覧ください。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。