エイトノット(8の字結び)は、釣り・登山など様々な場面で活躍する結び方です。今回、釣りラボでは、エイトノットのやり方(ダブル・トリプル)から、末端処理、メリット・デメリット、強度に関する考察まで幅広く解説します。ぜひご覧ください。
エイトノット(8の字結び)とは?
特に釣りを始めたばかりの初心者の方は、ラインを結ぶノットに時間がかかってしまい、なかなか釣りを始められないということがよくあるのではないでしょうか?
今回は、そんな方にぜひ習得していただきたい、簡単かつ早くできる強い結び「エイトノット(8の字結び)」をご紹介します。
エイトノットは、簡単にマスターでき、かつ手間も少ない結び方でありながら、強度が高く、カツオの1本釣りなどでもよく使われる結びです。
釣り以外にも、登山やクライミング、テニスラケットなどにも利用されることがあります。
なお、エイトノットは、別名「チチワ・エイトノット」と呼ばれることもあります。
チチワは、エイトノットでつくった輪のことを意味します。
エイトノットが活躍する場面
エイトノット(8の字結び)は、主に「釣り」におけるラインと(ショック)リーダーの結束や、「登山・クライミング」における荷物の吊り下げや牽引の際に利用されます。
釣り:PEラインとリーダーの結束
エイトノットは、ルアーフィッシングによく使われるPEラインとショックリーダーを結ぶ際などに活躍するノットで、糸と糸をつなげるノットの中でも最も簡単だと言われています。
また、糸同士を結束する以外にも、コブをつくったり、輪を作るときにも使え、汎用性が高いです。
具体的には、仕掛けやルアーと、スナップやサルカンをつなげる時の輪を作るなどに使います。
詳しい結び方は、後ほどご紹介しますが、エイトノットは、2本の糸を重ねて作った輪っかにリーダー本線側を通すことで結束する結びです。
ラインとリーダーやライン同士を結束する場合でも、ほかの結びに比べてかなり簡単に作成することができます。
登山・クライミング:荷物の吊り下げ・牽引
一般的に、ロープや糸というのは、結び目を作ることで強度が低下します。
ですが、このエイトノットは、結び目を作っても断裂強度が低下しにくい(ロープや糸が断裂しにくい)という特徴を持っています。
そのため、登山やクライミングにおいては、人の命を預ける場面でも使われています。
また、テンションがかかった後でも結び目がきつくなりにくいので、後からほどきやすく、そのため登山やクライミングにおいて大変重宝される結びとなっています。
強度も、ロープ自体の強度がクライミング用の規格内のものであれば、結びの強度としては人の体重+荷物を支えることができるほどの強度を持っています。
エイトノットのメリット・デメリット
このようにとても便利なエイトノットですが、デメリットもあるのでしょうか?
メリットと合わせて見ていきましょう。
メリット
エイトノットのメリットは、とにかく「誰でも簡単に、20秒もかからずにできる」結びであるという点です。
エイトノットという名前だけあって、8の字をイメージすると覚えやすいかと思います。
そのため、釣りでとっさに輪を作りたい時や糸同士を直結したい時などに適しています。
デメリット
釣りをするにあたって、エイトノットにはいくつか気をつけないといけないデメリットがありますので、ここでご紹介します。
場合によっては強度が弱くなることも
登山では人の命を預ける場面でも使われるほど、強い結びではありますが、結びを作る対象によって強度が変わります。
登山の場合、クライミングロープ同士の摩擦係数を大きくすることで、とても強い強度が生まれています。
一方、釣り糸(PEライン)は比較的ツルツルしており、クライミングの規格を満たしたロープに比べて、摩擦が小さくなってしまいます。
そのため、釣りで強度を重視した結びを作りたい場合は、エイトノットがベストとは言えません。
ねじれがあると強度が落ちる
エイトノットを利用する上で、最も気をつけないといけないのは「糸がねじれないようにすること」です。
ねじれがあると、強度はなんと10〜50%ほど低下してしまいます。
なぜ、強度が落ちてしまうのでしょうか?
それは、ねじれがあると「点接触」が生まれてしまうからです。
上記で説明したように、エイトノットの強度は、ロープや糸同士の面接触による摩擦で保たれています。
しかし、ねじれがあると、そのねじれた箇所で糸が交差することになり、面全体ではなく1点に大きな負荷がかかるようになるため、切れやすくなってしまうのです。
結びが邪魔になることがある
浮き釣りをしたい方は、エイトノットの結びが邪魔になることがあります。
そのような場合は、ユニノットやクリンチノットなどの方が良いでしょう。
エイトノットのやり方(動画付き)
エイトノット(8の字結び)には、大きく分けてトリプル・ダブルという種類があります。
ねじれを起こして強度を下げないように、それぞれ正しい結び方を見ていきましょう。
トリプルエイトノット
まずはトリプル・エイトノットの結び方をご紹介します。
ビジュアルで理解したいという方は、ぜひ動画も合わせてご視聴ください!
ダブルエイトノット
次にダブル・エイトノットの結び方をご紹介します。
トリプル・エイトノットとの違いはねじる回数です。
トリプルの「手順3.」のねじる回数を、「2回」にして結んでください。
こちらの動画が参考になりますので、ぜひご覧ください。
末端処理のやり方
エイトノットでラインを結束できたら、最後に末端処理(ハーフヒッチ)を行います。
末端処理のやり方をご紹介します。
ビジュアルで理解したいという方は、ぜひ動画も合わせてご視聴ください!
釣りで気になるエイトノットの強度について
エイトノットである程度の強度は確保できるものの、懸念点も見られます。
最後にエイトノットの強度について、もう少し詳しく見ていきましょう。
ラインの種類で強度が変わる?
エイトノットでは、ラインの種類によって、強度にばらつきが出ます。
ですので、PE、フロロカーボンなどいくつかある種類の中でも、ライン自体の強度が高いものを選択することでより強度を高める必要があります。
また、ある程度細いものを選択したほうが、ねじれの締まりが強くなって強度が強くなる、ということも知っておくと良いでしょう。
あと、2本を結束するときに有効なエイトノットですが、使う2本の糸の太さに大きな差がある場合には、強度が低下してしまうのであまりおすすめはできません。
すっぽ抜けることはある?
エイトノットは、すっぽ抜けにくい結びとして知られています。
ただし、エイトノットは最後余分な部分をカットして完成させるのですが、カットする際に、結び目のギリギリでカットしてしまうと、すっぽ抜ける可能性が高まるので要注意です。
どういった釣りに対応している?
まず、強度をそれほど必要としない、エギングや、シーバス釣りには対応しています。
また、エイトノットは、カツオの一本釣りでも使用されている結びですので、ジギングやアジングといった強度を一定数以上必要とする釣りにも耐えることができます。
巻き回数によって強度は変化する?
巻き回数が多い方が、強度は高くなります。
3回巻きから5回巻きにすると、強度は2kgほど高くなったりするようです。
より簡単で強度の強い結び方はある?
エイトノットとよく比較される結び方に、FGノット、SCノット、電車結び、パロマーエイトノットがあります。
FGノット
FGノットは、PEラインとリーダーの結束でよく使われるノットの一つで強度も高いことで知られていますが、手順が少し複雑で、作成時間は2分以上かかってしまいます。
そのため、強度をそれほど必要としないのであれば、エイトノットで十分かもしれません。
SCノット
SCノットはFGより手順が簡単で、結束強度を90%に保てる結びです。
ただし、30回近く巻きつける作業があるので、手順自体はとても簡単ですが、やはり作成時間はエイトノットよりもかかってしまいます。
電車結び
電車結びは、強度がエイトノットとほとんど同じくらいの結び方になります。
ただ、エイトノットと比べると、電車結びの方が少しだけ結ぶ難易度が高いので、電車結びもエイトノットもどちらも慣れていない、という方には「エイトノット」をおすすめします。
パロマーエイトノット
ライン同士の結束方法ではありませんが、サルカンなどとラインを結ぶための結束方法である「パロマーノット」に、エイトノットを合体させた「パロマーエイトノット」は、非常に強度が高く、人気の高い結び方です。
エイトノット、あるいはパロマーノットだと強度がやや不十分だと感じた場合は、パロマーエイトノットを試してみると良いかもしれません。
エイトノットについてまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「エイトノット(8の字結び)の強度はどれくらい?簡単で強い結び方をご紹介【初心者必見】」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。