【疑惑の魚をご紹介】今回、釣りラボでは、アカマンボウが本当にマグロとして使われているのか、その真相を解説した上で、アカマンボウの味、生態、呼び名、生息地、値段相場、おすすめのレシピを徹底解説。
アカマンボウとは?
アカマンボウは、アカマンボウ目アカマンボウ科に属する深海魚です。
名前の通り、赤と銀色を基調として白いまだら模様が散らばっている身体に赤色のひれを持った鮮やかな魚です。
アカマンボウは全長2メートル、体重は270kgほどにもなる大型の魚で、左右から押しつぶされたように平たい円盤型の体形をしています。
体形こそマンボウと似ていますが、マンボウの仲間ではなくリュウグウノツカイに近い種類です。
マンボウと違い尾びれがあること、胸びれが身体と水平に長く発達していることから区別がつきます。
クラゲやイカ、オキアミ、小魚等を食べる肉食性の魚です。
2015年、魚類で初めて哺乳類や鳥類と同じ様に血液の温度を保つ機能があるのが確認されました。
ただ、外洋性で人の少ない環境に生息していることもあり、詳しい生態はあまり分かっていません。
マグロの正体がアカマンボウって本当?
アカマンボウはマグロの延縄漁の時に混じって捕獲されることが多いため、マグロの水揚げ地ではよく競りに出されます。
ただ、非常に大きくそのままでの輸送に向かないため、切り身になった状態で販売されるのがほとんどです。
このアカマンボウの切り身は、マグロの代用品に使われることがあります。
昔は実際に、アカマンボウの切り身がマグロやカジキとして店先で売られていたことがありました。
回転寿司や牛丼チェーンで使われているって本当?
さて、くら寿司のような回転寿司やすき家のような牛丼等の大手チェーンで、「マグロ」と書かれているメニューにアカマンボウが使われているという噂があるのをご存知ですか。
アカマンボウはどの部分かによって身の状態が違いますが、特に腹側は程よく脂が乗った赤身で色合いや食感もマグロとそっくりです。
特に、ネギトロ等身の形があまり残っていない物だと、素人ではまず見分けがつかないでしょう。
また、マグロと比べると大きさのわりに取引価格が非常に安いので、コスト的な面だけを見ると使ってもおかしくないと言えます。
都市伝説である可能性が非常に高い
ただ、アカマンボウはマグロと違い専門的に獲りに行く訳ではありません。
沖縄では店頭でもよく見かけますが、あくまでマグロ漁の時に混獲された物が出回っているだけです。
そのため、漁獲量も不安定になりがちです。
大手チェーンでのマグロの需要に替えられる程の供給ができない、というのが現状です。
また、現在では食品の偽装に関して消費者も敏感になり、法律等も設定されています。
回転寿司店等で「マグロ」という名前を使って提供するのは偽装になるので、大手チェーンがその様なリスクを冒す可能性は低いと思われます。
マグロ偽装説は、都市伝説ぐらいの噂と見ておいて良いでしょう。
どんな味がするの?
マグロにそっくりと言われるアカマンボウですが、腹側がマグロとそっくりの赤身の味がし、背側が白っぽい身であっさりとした味がします。
ネギトロによく使われる?
アカマンボウがネギトロの材料として使われ始めたのはかなり古く、40年程前には関東で既に使われていました。
今では、回転寿司店等ではネギトロの材料がアカマンボウであることを明言している所もあります。
アカマンボウの呼び方
アカマンボウはマンボウとよく似ているため、名前が混同していることがあります。
漢字名
アカマンボウは漢字で、「赤翻車魚」と書きます。
「翻車魚」というのは、マンボウのことです。
別称・別名
「マンダイ」という別名がよく知られています。
英語・外国名
英語では「Opah」です。
また、「moonfish」、「sunfish」、「kingfish」、「redfin ocean pan」、「Jerusalem haddock」とも呼ばれます。
中国語では「月魚」または「斑点月魚」が正式な名前です。
台湾の方では、俗に「花點三角仔」、「紅皮刀」とも呼ばれています。
学名
アカマンボウの学名は「Lampris guttatus」です。
「Lampris」は、「輝かしい」「明確な」という意味のギリシャ語 「lampros」 に由来しています。
アカマンボウの生息地
世界中の熱帯から温帯にかけての海域の、水深100~500メートル辺りに生息しています。
国内では、北海道から九州南岸の太平洋沿岸、津軽半島から九州南岸の日本海や東シナ海沿岸、琉球列島の海域に生息しています。
アカマンボウに会える水族館
アカマンボウは水族館での飼育が難しい魚です。
2020年4月に開館した四国水族館では、アカマンボウの飼育に挑戦すると話題になりました。
アカマンボウの値段・相場価格
アカマンボウは、大きさのわりに値段が非常に安い魚です。
約30kgの一匹丸ごとで、大体1万5000円ぐらいが相場と見られます。
切り身でも1パック200~300円辺りで販売されています。
アカマンボウを使った料理・食べ方をご紹介
アカマンボウは部位によって食感等が全く違っています。
腹側の赤身が刺身、背中側の白っぽくやや筋が多い方がムニエルやフライに向いていると言われています。
栄養成分・カロリー
アカマンボウは市場に多く出回っていないことから、カロリーや栄養価について研究が進んでいません。
でも最新の研究から、「バレニン」という抗酸化成分が含まれているのが発見されました。
このバレニンには筋肉の維持や抗疲労作用が報告されており、ロコモ対策や高齢者向けの商品への使用が注目されています。
この成分は、クジラの肉にしか含まれていないと考えられていました。
捕鯨問題やコストの面からクジラが使えない代わりに、アカマンボウを使ったサプリ等が開発されています。
旬な時期・季節
アカマンボウは外洋性の魚ということもあって、旬がいつなのか分かっていません。
いつ食べても大体同じ味なので、旬を気にする必要はないでしょう。
おすすめ人気のレシピ・調理方法
アカマンボウを使ったレシピで一般的なのは、刺身やフライ、ムニエル等です。
その他、煮付けや照り焼きにしても美味しいです。
刺身
刺身としてよく使われるのは、腹側の赤身です。
腹側はマグロにそっくりな食感なので、マグロと同じ様にサク取りして刺身にする他ネギトロにしても美味しいです。
背中の白身の方はマグロに似ていませんが、こちらも刺身で食べられます。
マンボウは寄生虫が多いことで有名ですが、アカマンボウは名前や体形こそ似ているもののマンボウとは全く縁のない魚です。
体内に寄生虫がいたという報告は今の所ありません。
フライ
特に白身で腹側よりもあっさりとした味の背中側は、フライにすると美味しいです。
ムニエル
フライと同じく背中側の白身によく合いますが、腹側の赤身でもできます。
マグロの正体?アカマンボウの基本情報まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「回転寿司のマグロは実はアカマンボウ?気になる真相・味・レシピをご紹介」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。