PEラインを使用する際には必要不可欠とも言えるショックリーダー。今回、釣りラボでは、ショックリーダーの選び方や結び方に加え、おすすめのコスパ最強ショックリーダーを8選、2022年の新作2選をご紹介します。
ショックリーダーとは?
ショックリーダーとは、PEラインの登場によってはじめて必要とされるようになって開発されたラインで、釣具としてのショックリーダーは1980年代以降に誕生した、比較的歴史の浅いラインです。
ショックリーダーについて理解をするには、まずPEラインについて知る必要があります。
PEラインの特徴について、もう詳しく知っているよという方は、読み飛ばしてください。
そもそもPEラインとは?
PEとは、ポリエチレン樹脂のことですが、このポリエチレンには分子量や密度によって様々な種類があります。
一般的なポリ袋やラップのフィルムなどに使われるものは低密度ポリエチレン(LDPE)、ビールケースや灯油ポリタンクなどに使われるものは高密度ポリエチレン(HDPE)です。
しかし、釣り糸に使われるものはそのどちらでもなく、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)と呼ばれる特殊なポリエチレン樹脂となります。
PEラインが釣り糸として利用されるまでの経緯
耐衝撃性、耐薬品性、耐摩耗性などの特性に優れる「スーパーエンジニアリングプラスチック」と呼ばれる高価な樹脂です。
この、超高分子量ポリエチレン樹脂の繊維化に成功したのはオランダのDMS社で、ダイニーマという商品名で、世界中で販売されています。
日本においては、東洋紡がDMS社からのライセンスを取得し、日本ダイニーマ(東洋紡とDMSの合弁会社)が長らく生産していましたが、現在は、日本においては、東洋紡が「イザナス」という商品名で製造販売しています。
さて、そんな超高分子量ポリエチレンは、繊維状に加工すると、同じ重量のピアノ線と比較して8倍の強度があり(逆に言えば、同じ強度なら8分の1の軽さ)、ワイヤー材料、航空機の材料、工業用ベルト材料など、様々な用途で商品化されてきました。
その強度、軽さ、また吸水しない特性から釣り糸としての用途が注目されたのは、1990年頃からであり、現在に至ってもPEラインはまだまだ開発途上の材料です。
PEラインにショックリーダーはなぜ必要?
そんなPEライン、現在の弱点は
があります。
とくに摩擦に対する弱さは致命的で、PEラインをそのまま仕掛けの先端まで使っとしまうと、海底や岩に擦れた時に一発で強度が低下します。
そのため、摩擦に強く、吸水性も低い、フロロカーボンあるいは、吸水防止のコーティングを施したナイロンなどをショックリーダーとして、PEラインと仕掛け(ルアーなど)の間に結ぶ必要があります。
しかも、PEラインのもう一つの弱点である「締結性の極悪さ」のために、特殊な結び方を必要とします。(ラインシステムと呼びます。)
適当な結び方手済ませてしまうと100%スッポ抜けますので、「摩擦系」と呼ばれるラインシステムが必要なのです。
ショックリーダーの選び方
PEラインはほとんど吸水しないラインであり、水に使っても伸びてしまうことがありません。
ということは、ルアーフィッシングにおいて、ロッドから出力される様々なアクションを、パワーロスすることなく確実にルアーに伝えることができます。
この、ルアーアクションに影響を及ぼさないというPEラインのメリットを、ショックリーダーが台無しにしてしまっては元も子もないので、吸水しない、伸びない、フロロカーボン製のショックリーダーがベストな選択になります。
ただし、ショックリーダーは、あくまでもPEメインラインの欠点を補うためのものですので、あまり難しく考える必要はありません。
材質より、PEラインの強度になるべく近い強度のショックリーダーをえらぶことが大事です。
選ぶポイント1:リーダーの太さ・号数
例えば、自分が10kg超えのヒラマサやワラサのジギングをやりたいのか、ランカーサイズのシーバスを釣りたいのか、ショゴ(カンパチの若魚)、ワカシ(ブリの若魚)、サバなど、青物の数釣りをしたいのか、対象によって使用するショックリーダーの強度は当然変わってきます。
よくわからなければ、「PEラインの強度(ポンド数)」=「 ショックリーダーの強度(ポンド数)」にしておけば間違いありません。
号数が一致しないことに注意
しかし、ここで気をつけたいのは、PEラインの号数と、ナイロンやフロロカーボンリーダーの号数は一致しないということです。
ざっくりと、PEラインの1号が16ポンド(lb)、ナイロン/フロロカーボンラインの1号が4ポンド(lb)となります。
なので、号数ではなく、ポンド数(lb)を合わせましょう。
つまり、PE1号(16lb)をメインラインにしているのであれば、リーダーはナイロン、もしくはフロロカーボンの4号(16lb)をつけないといけません。
そこに、大物にもある程度対応したい、あるいは根がきつく、根ズレが起こりやすいところで闘う、ターゲットが歯が鋭い魚(タチウオ、ヒラメ、サゴシなど)であるなどの条件があれば、5号のリーダー(20lb)にしてみるなど、状況に応じて工夫する必要がでてきます。
PE2号(32lb)なら、リーダーは8号(32lb)、PE5号(60lb)なら、リーダーは15号(60lb)と、機械的に覚えてしまいましょう。
強度が離れているとどうなる?
PEラインの強度とショックリーダーの強度がかけ離れている場合はいろんなトラブルが起こります。
PEラインの強度に対してショックリーダーの強度が小さすぎる(細すぎる)と、かなりの確率でリーダーのスッポ抜けが起こります。
また、せっかく針掛かりさせても魚の歯で切られたりする確率も上がってしまいます。
逆にPEラインの強度に対してショックリーダーの強度が大きすぎる(太すぎる)と、ルアーの操作に悪影響が出たり、微妙なアタリに気づかなかったり、フッキング性が悪化したり弊害が出ます。
選ぶポイント2:リーダーの長さ
ショックリーダーの長さは、あまり長くなりすぎないようにします。
キャストゲームの場合は、長くてもロッドの長さの半分くらいが良いでしょう。
キャストするため、竿先からリーダー(ルアー)を垂らしたときに、PEラインとショックリーダーの結び目がトップガイドより外側にあるのが理想です。
根ズレが厳しい場所や、足元が低く、かつ水面まで距離があるような場所で釣りをしなければならないときはリーダーを長めに取ります。
選ぶポイント3:リーダーの素材
ショックリーダーの材質は、フロロカーボンが最も一般的ですが、ナイロンリーダーを使う場合もあります。
また、比重ですが、ジギングやエギングなどでは高比重のものを、表層狙いのミノーゲームやシーバス釣りなどでは、低比重のものを選ぶと良いでしょう。
ナイロン素材の特徴
ナイロンは、吸水性があり、水中で伸びやすい素材なので、ルアーのアクションには影響を与えますが、フッキングのショックを和らげてくれる効果があります。
口の弱い魚を釣る際にはナイロンリーダーを選ぶこともあります。
また、しなやかで使いやすい(馴染みやすい)ので結びやすく、好んで使う人もいます。
フロロカーボン素材の特徴
ショックリーダーとしては、フロロカーボンが一般的で、各メーカーから様々なリーダーが販売されています。
ハリがあり、比重もあるため沈ませやすく、根ズレなど摩擦にも強い材質です。
まずはフロロカーボンをリーダーとして使うことをおすすめします。
おすすめのショックリーダー8選【コスパ最強】
では、実際にコスパがよく、汎用性の高いショックリーダー5つと、シーバス・アジング・ヒラメにおすすめのショックリーダーを1つずつ、合計8個ご紹介します。
汎用性の高いショックリーダー5選
まずは、どのような釣りにでも使える汎用性の高いショックリーダーを5つご紹介します。
【ユニチカ】キャスライン エギングリーダーⅡ
エギング用高比重リーダーですが、エギングはもちろん、ショアライトジギングでも汎用的に使うことができます。
フロロカーボンリーダーの中でも触り心地がしなやかで、比重1.81の高比重のため、エギングにとどまらず、軽いルアーを投げるときにも重宝しています。
>>>こちらの記事も読まれています
【2022年】コスパ最強エギングリーダーおすすめ人気10選!選び方(太さ・長さ)や結び方も
【タカミヤ】realmethod シーバスショックリーダー
コスパ最強、釣具量販店「釣具のポイント」を展開する、株式会社タカミヤのPB商品です。
結構安いので、12lb、16lb、20lbを常備すると良いでしょう。
使い勝手は、硬いフロロカーボンリーダーの中でもひときわ硬いフィーリングで、好みは分かれるところです。
日本製のフロロカーボンリーダーでこの安さは最大の魅力です。
【バリバス】ショックリーダー シーバス
ナイロン製のショックリーダーのハイコスパ品です。
水中で馴染みやすく、シーバスが水面で跳ねてエラ洗いする挙動などのショックもしなやかに吸収するリーダーです。
【デュエル】カーボナイロン パワーリーダー
ナイロン原糸にフロロカーボンをコーティングし、ナイロンの使い勝手にフロロカーボンの低伸度、低吸水性を持たせたナイロンリーダー。
非常に安価なため、マメに交換し、良い状態をキープさせながら使うことができます。
【ヤマトヨテグス】フロロショックリーダー 8号
こちらも圧倒的なコスパを誇るフロロカーボンリーダーで、ジギング、エギング、タイラバなど、シーンを選ばず万能で使えます。
ソフトフィニッシュ設計にて、ラインシステムを組む際の使い勝手も良好です。
同じく安価なので、惜しまず交換しながら、いつも新しい状態で使いましょう。
シーバスにおすすめのショックリーダー1選
シーバス釣りの場合、PE0.8号〜1.5号くらいまでをメインラインにするケースが多いと思います。
ショックリーダーはフロロカーボンの12lb〜25lbを選びましょう。
>>>こちらの記事も読まれています
【2022年】シーバス釣り向けショックリーダーおすすめ10選!長さや号数の選び方も
【シマノ】エクスセンスEX フロロカーボン
シーバスゲーム用に設計された定番中の定番、人気のフロロカーボンリーダーです。
ラインの表面にショックを吸収するアブソーブ層を設け、締結性が向上しています。
アジングにおすすめのショックリーダー1選
1グラム前後の非常に軽い仕掛けを使い、さらに口が非常に弱いアジを狙うアジング仕掛けには少し気を使う必要があります。
メインラインにフロロカーボンを使う場合も、エステルラインを使う場合も、ショックリーダーは必須です。
アジとのやり取りのためにはナイロンショックリーダーが良いですが、根ズレが心配なポイントならフロロカーボンを使います。
リーダーの長さは30cmもあれば良いでしょう。
>>>こちらの記事も読まれています
【2022年】おすすめのアジング用ショックリーダー10選!選び方や結び方もご紹介
【バリバス】アジングマスター フロロカーボン 0.6号
アジング専用のショックリーダーは多くないですが、こちらのアジングマスターはライン、ショックリーダーともに多くの種類がラインアップされています。
ダイワの月下美人シリーズとともに、アジングに力を入れているブランドです。
>>>こちらの記事も読まれています
アジングの始め方|釣り方やおすすめのタックル・仕掛けを解説!
ヒラメにおすすめのショックリーダー1選
長らく、沖釣りの魚と言われていたヒラメですが、堀田光哉氏の地道な活動が奏効し、サーフからのヒラメのショアジギングというジャンルが確立しました。
対応するタックルも続々と発売され、人気急上昇のターゲットとなっています。
サーフジギングの場合は、往々にして根ズレの危険性は低くなりますが、ヒラメは歯が鋭い魚ですので、フロロカーボンのショックリーダーが必須となります。
ヒラメ専用のショックリーダーというものはありませんが、フロロカーボン3号(12lb)〜5号(20lb)が基本となります。
【クレハ】フロロマイスター 240m 16lb
これは筆者が磯のウキフカセ釣り用スピニングリール及び穴釣り用ベイトリールで使っているメインラインです。
フロロカーボン100%、240mの容量で1,000円強という、びっくり仰天の超コスパ製品です。
もちろんショックリーダーとしても使えます。
非常におすすめします。
>>>こちらの記事も読まれています
ヒラメ釣りのコツや仕掛けを徹底解説!ルアー/泳がせ釣りの攻略方法・時期
【2021年〜2022年新作】おすすめショックリーダー5選
2020年以降に発売された新作のショックリーダーを2つご紹介します。
※2021年の最新情報は、随時更新していきます。
【バリバス】スーパートラウト アドバンスエクストリーム
こちらのショックリーダーは、ネイティブトラウト向けのナイロン製ショックリーダーです。
寒さの厳しい現場でもラインが硬くなりにくい特徴を持っているので、ライントラブルが起こりにくくガイド通りもスムーズなままです。
ルアーアクションを柔軟にさせる適度な柔らかさとバイト時の負荷を軽減させる伸び、トラウトを狙う現場に馴染むブラウンのカラーが魅力のショックリーダーです。
【ダイワ】ジャストロン フロロ
コスパの高さから高い人気を誇るダイワのジャストロンには、今までナイロンラインしかありませんでしたが、2020年にフロロカーボンラインがリリースされました。
5号までしか展開されていないので大物をターゲットにする際には難しい面もありますが、メインラインとしてもショックリーダーとしても使える幅広さから注目されています。
何よりもボビン巻きなので気兼ねなく使え、コスパが良い点が魅力です。
【ダイワ】モアザンリーダーⅡタイプF
2021年に発売されたダイワのモアザンリーダーⅡタイプFは、シーバス専用のリーダーでシーバス釣りにあった6種類の番手を備え、さばきやすく、しなやかな仕上げで扱いやすいリーダーです。
スプールバンドは専用設計で、番手にあわせカラーを変えてあるので一目でわかりやすく、また糸ばらけが少なくなるとともに、引き出しがとてもやりやすくなっています。
【東レ】ショックリーダー スムーズロック プラス
2021年6月、東レ(TORAY)から発売のショックリーダーになります。
高技術化学メーカーからの発売品の中では品質・価格安、共に満足のいく逸品です。
スムーズロック プラスは、素材の柔らかさと表面コートに特殊技術があり、瞬発力に強いモノフィララインになります。
ジギングからロックまで、根ズレ対策には持ってこいのリーダーでしょう。
【サンライン】ソルティメイト ツナギートFC
ソルティメイト ツナギートFCは、2021年にサンラインから発売になった、新基準製法が採用された、フロロカーボン製ショックリーダーになります。
サンラインお得意のプラズマ処理加工により、コーティングではなく、ライン表面を特殊ポリマー層に化学変化を起こすことにより、細身でしなやかなラインにブラッシュアップされています。
ショックリーダーの結び方・ノット【初心者でも簡単】
PEラインとショックリーダーの締結には、「摩擦系」ラインシステムが必要であることは既に書きましたが、良い手本(動画や図解)を見つけ、何度も練習して身体で覚えましょう。
色の違う太めの紐(靴紐くらいの太さ)を用意し、片方をPEライン、もう片方をショックリーダーに見立てて練習するとやりやすく、頭での理解も容易になり、良いと思います。
FGノットが強いとか、SFノットが簡単だとか、色々言われていますが、大事なのは、どのノットでも良いので、一つのノットを完璧に習得することです。
不完全に覚えたノットでは締結強度が思ったほど出ません。
筆者はノーネームノット(8の字ぐるぐるノット)をよく使います。
弾丸簡単リーダーを使うのがおすすめ
メジャークラフトより、弾丸簡単リーダーなるものが販売されています。
これは、ショックリーダーの片方に輪が予め加工され、もう片方にスナップがついたもので、PEメインラインに自分でチチワを作れば簡単にラインシステムが組めるというアイデア商品です。
これを使えば失敗せず、素早く、確実にラインシステムが組めるでしょう。
ショックリーダーの結び方・ノット
ショックリーダーの結び方としては、「電車結び」と「FGノット」がメジャーです。
電車結び・FGノットの結び方は、以下の記事か動画を参考にしてください。
>>>こちらの記事も読まれています
電車結びの強度は弱い?簡単で強いラインの結び方をご紹介【初心者必見】
>>>こちらの記事も読まれています
FGノットの強度はどれくらい?簡単に強く結ぶ方法を動画付きでご紹介
>>>こちらの記事も読まれています
【結び方の基礎知識】釣りで活躍するノット一覧!最強かつ簡単なのはどれ?
おすすめのショックリーダー10選と選び方まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「【2022年】コスパ最強のショックリーダーおすすめ13選!長さ・太さ・号数の選び方もご紹介」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
もし、釣りに関してまだ知りたいことがあれば、サイト内検索をご利用いただくか、ぜひ関連する他の記事をご覧ください。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
監修者:釣りラボ編集部
「釣りラボマガジン」は、釣りをもっと楽しく豊かにをテーマにした、釣りの総合情報ポータルサイト。ロッド、リール、ルアー、ワーム、ライン、釣り餌といった釣具・タックルから、エギング、アジング、ジギング、タイラバのような釣り方までを幅広くご紹介。人気商品や最新グッズ、釣りの面白コラムも配信。
ショックリーダーに関する記事一覧
ショックリーダーに関する記事一覧です。釣りラボマガジン(TSURI LABO)では、ショックリーダーに関連する様々な記事を多数掲載しておりますので、必要な情報を集めることができます。