岩イソメは、アオイソメと並んで万能餌として釣りで良く使われる釣り餌のひとつです。岩イソメを使ったおすすめの釣り方やどんな魚が釣れるのかご存知でしょうか?今回、釣りラボでは岩イソメの付け方や保存方法などをご紹介します。ぜひご覧ください。
岩イソメ(マムシ・ホンムシ)とは?
岩イソメとは、正式な名称をイワムシという、イソメ科の多毛類です。
イワイソメ、マムシ、ホンムシなどとも呼ばれます。
釣具屋などではほとんどの場合、青イソメ(朝鮮ゴカイ)に対比するように、岩イソメと呼ばれています。
全長30cmくらいになるイソメで、針に刺したとき、あまり激しく動くことはないものの、独特の強い匂いがする体液を出すため、集魚効果はイソメ類ではトップクラスと言われています。
近年は埋め立てなどの影響で日本産岩イソメは少なくなっており、韓国、台湾からの輸入品が大半を占めます。
岩イソメの特徴
多毛類は卵から孵化した後、トロコフォアーと呼ばれる幼生期(プランクトンとして水中を浮遊)を経て、岩礁や砂底に定着し、他のプランクトンや海藻などを食べてイソメの形状に成長して行きますが、岩イソメは多毛類の中では幼生期が極端に短く、わずか2〜3日で岩礁に定着し、イソメとして生活しはじめます。
しかし、成長は遅く、親のサイズになるまで3年ほどかかると言われています。
この、成長の遅さが養殖の採算性の足かせとなり、商業養殖は行われていません。
岩イソメは、魚の嗜好性がとても高く、釣り対象魚のほとんどに使うことができます。
岩イソメを使うときの注意点
岩イソメを使うときの注意点として、アゴの強さがあります。
ジャリメや青イソメとは比べ物にならないほどアゴが大きく、噛む力が強いです。
指をザックリ切る場合もありますので気をつけましょう。
アゴが収まっている頭の部分を切り落としてから針に刺せば安全です。
アオイソメ・石ゴカイとの違いは?
釣りによく使われる多毛類には、岩イソメ、アオイソメ、石ゴカイ(ジャリメ)がありますが、どれも釣り餌としては万能です。
しかし、それぞれに特徴があるため、実際は釣りのターゲットによって使い分けられています。
アオイソメとの違い
アオイソメが最も安価に販売されており、韓国から安定的に入荷していますので、使う機会が多いのではないでしょうか?
アオイソメは針持ちが良く、投釣りなど遠投しても身切れを起こしづらいため、使い勝手の面でも優れています。
また、アオイソメは体内に発光器官を持っているため、夜釣りでは最もアピール性の高い虫エサと言われています。
石ゴカイとの違い
石ゴカイ(ジャリメ)は、成長してもあまり長くはならず(15cm以下)、身が非常に柔らかく細いため、身切れを起こしやすいのが難点ではありますが、生命力が非常に強く、針に刺さったあとでもよく動きます。
シロギス釣りには、このジャリメのアピール力が威力を発揮します。
石ゴカイは、掴むと粘液をたくさん出すため、針に刺す際は、滑り止めの石粉を使うと良いでしょう。
アオイソメや石ゴカイと違って、岩イソメはあまりアピールするような動きはしませんが、強烈な匂いでアピールします。
イシモチやクロダイ、アマダイなどは岩イソメを一番好みます。
岩イソメはどこで購入できる?値段は?
岩イソメは大抵の釣りエサ屋で常備しているはずですが、アオイソメやジャリメとは違って、現地の小さな釣具店などでは当日売ってないということもありますので、事前に購入しておいた方が良いでしょう。
価格はアオイソメ<石ゴカイ<岩イソメの順で高価になります。
釣具屋や通販などで購入可能
岩イソメは規模の大きな釣具量販店、海のそばの釣具店、船宿などで手に入るでしょう。
アオイソメや石ゴカイは、釣り場近くのコンビニエンスストアで売っていることもあります。
通販でも購入できますが、通販の場合は鮮度の問題や送料負担で割高感があるかもしれません。
可能であれば現地で調達しましょう。
なお、通販だと以下の岩イソメ(マムシ)がおすすめです。
岩イソメの値段・相場
釣具量販店の店頭では、アオイソメは10g100円、石ゴカイは10g150円、岩イソメは10g200円程度で売られています。
1グラム単位で量り売りしてくれる所がほとんどです。
できればエサ箱持参で、パックには入れてもらわず、虫餌だけ購入しましょう。
また、おがくずや砂など、滑り止めは必ず入れてもらいましょう。
イソメだけで購入してしまうと、イソメが互いにストレスを感じて粘液を出し、弱ってしまいます。
おがくずや砂を入れることでストレスを与えずに保管ができます。
岩イソメを使った釣りのやり方
岩イソメはほとんどの釣りの対象魚が好む餌ですので、あらゆる釣りに使えますが、投げ釣りが一番向いているでしょう。
岩イソメを使ったおすすめの釣り方
岩イソメは強烈な匂いで魚をおびき寄せる力があります。
太い個体を針いっぱいに大きくつける、細い個体は頭をチョン掛けにして複数つけるなど、アピール重視の付け方で狙いましょう。
アオイソメを房掛けするのがおすすめ
岩イソメは針につけたあと、よく動いてアピールするようなエサではないため、アピール担当としてアオイソメと一緒に房がけすると、匂いでも、動きでもターゲットにアピールすることができます。
投げ釣り
イシモチ狙いのぶっ込み仕掛け、カレイ狙いのフルキャスト釣り、磯からのキャスティズム(胴突き投げ)によるロックフィッシュ狙いには岩イソメが最適です。
カサゴやハタ類も非常に良く反応します。
ウキ釣り
クロダイのウキ釣りには大変効果的ですが、エサ取りも非常に好むため、エサ取りが多いときは使いづらいです。
岩イソメの付け方
岩イソメは比較的針持ちが良いエサですので、アピール重視の場合は複数匹を、食い込み重視の場合は一匹を針いっぱいにつけましょう。
房掛け
細身の岩イソメは2〜3匹を刺し、アピールさせます。
頭の部分の急所を避け、頭の少し下を針に刺すと少しでも長く生きます。
縫い刺し
太めの岩イソメ一匹を、針に沿って縫うように3回ほど刺し、針全体を隠す用につけます。
食い込み重視の刺し方で、針持ちも一番良いでしょう。
ちょんがけ
エサの頭の部分を狙って食いついてくるメバルなどの魚を狙う場合は、針の先に一匹ちょんがけすると効率よくフッキングできるでしょう。
針から外れやすい付け方でもあるので注意が必要です。
岩イソメを使って釣れる魚の例
以下に、岩イソメをエサにして釣れる代表的な魚を紹介します。
カレイ
岩イソメが一番その威力を発揮するのは、なんと言ってもカレイ釣りでしょう。
アピール重視で房がけにしてフルキャストしましょう。
アイナメ
アイナメも岩イソメを好む魚です。
穴釣りや磯からのキャスティズム(胴突き投げ)では、一匹を縫い刺しにして、食い込み重視のセッティングにしましょう。
シロギス
シロギスの投げ釣りでも釣れないことはないですが、岩イソメの太さはシロギスの口の小ささから不向きです。
シロギスには石ゴカイ(ジャリメ)か、チロリ(東京イソメ)という特効餌がありますので、そちらを使います。
マダイ
マダイのぶっこみ釣りでは、太くて長い岩イソメを使います。
そもそもマダイのぶっ込み釣りには、タイムシという特効餌があるのですが、あまりにも高価(一匹1,000円以上)なため、瀬戸内海の一部で好まれる以外は、使われることはあまりありません。
クロダイ
クロダイは、雑食であり、餌取り回避のためにサナギやコーンなども使いますが、基本はオキアミやカニなどの甲殻類を使います。
クロダイは気まぐれで、オキアミに食いつかない時、岩イソメが特効餌になることがあります。
イシモチ
冬場はカレイの投げ釣り、夏場はイチモチの投げ釣りが岩イソメの本領発揮です。
岩イソメを針いっぱいに縫い刺しにして、胴突き仕掛けをぶっ込みます。
岩イソメの飼育・保存方法
岩イソメが余ってしまったら、塩締めして保存する方法があります。
海水がいつでも手に入る環境とオーバーフロー式の循環水槽があれば飼育することも可能です(非常に難しいのでおすすめしません)。
冷蔵庫で保存
釣行中もクーラーボックス内で冷暗環境が保たれていたイソメに限りますが、湿らせた新聞紙などで包めば、冷蔵庫で2〜3日は生きた状態で保存ができます。
冷蔵庫保存で一番大事なことは、必ず家族の了承を得ることです!
生きたまま水槽で飼育
研究のため、岩イソメを飼育している学術機関があります。
また、釣具店の餌売り場のように、温度管理された塩水を循環させて酸素を供給するオーバーフロー水槽があれば、短期間飼育ならできないことはありません。
しかし、エサの問題や、岩イソメ飼育装置の維持管理についての知見がほとんどありませんので、長期飼育や繁殖はほぼ不可能です。
細かい砂の中で保存
海水を入れた細い砂の中で保存しても長期飼育は不可能です。
イソメは死ぬと体液を出します。
たった一匹の体液でも、周りのイソメが次々と死んで行きます。
死んだイソメをすかさず発見し、取り出すという作業が四六時中可能であれば、ひょっとすると長期飼育もできるかも知れません。
塩漬けにして保存
岩イソメを塩締めにした「塩イソメ」を作る場合の注意点ですが、岩イソメはアオイソメや石ゴカイと比べると含有水分が多いため、アオイソメや石ゴカイの塩締めを作る手間の倍くらいの時間がかかります。
塩締め中に出る水分をこまめに捨て、その都度イソメをよく洗い、また塩をかけて水分を抜くと言う工程を何度も繰り返します。
丁寧に塩締めし、干しぶどう程度の乾燥度になったら完成です。
こうして作られた「塩岩イソメ」は、冷蔵庫で1年くらいは保存できます。
岩イソメは採取できる?
岩イソメは、岩礁地帯の水際の岩の中や、岩の下の砂泥中に巣を作り、じっとしています。
大潮の日の干潮時などに採取することもできます。
ただし、沿岸を掘る場合、漁業権が設定されている場所では、イソメといえども原則採捕は禁止されていますので注意しましょう。
わからない場合はむやみに掘らず、釣具店で購入する方が安全です。
実際に岩イソメを採取している様子を知りたいという方は、こちらの動画を参考にしてみてください。
岩イソメ(マムシ・ホンムシ)のまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「岩イソメの特徴・付け方・保存方法をご紹介!釣れる魚・値段・飼育方法」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
岩イソメを
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