【人気の魚図鑑】クロダイ(チヌ)は、釣りの人気のターゲットです。今回、釣りラボでは、クロダイの特徴、生態、呼び名、生息地、値段相場を徹底解説した上で、クロダイのおすすめレシピや人気のお店、釣り方、おすすめのルアー/仕掛け、さばき方などをご紹介します。
クロダイ(チヌ)とは?その特徴・生態をご紹介
クロダイ(チヌ)は、北海道南部から南西諸島まで広く分布するタイ科の魚です。
その生態は変わっており、性転換することが知られています。
生まれた直後はすべて雄で、2〜3年で成熟すると雌になる個体が出てきます。
寿命ははっきりしていないのですが、20数年と言われています。
50cmを超えるものは「年無し」と言われますが、年無しはおよそ13歳以上と考えられていて、最大で70cm程度まで成長するようです。
沿海性の魚で、汽水にも入るため、比較的見る機会は多いかも知れません。
クロダイの呼び方
クロダイは出世魚で、サイズごとに様々な呼び方があり、地方名もたくさんあります。
別称・別名
チヌ、カワダイ、ケンダイ、チンダイなど。
また、関東ではサイズが小さい順に、チン(〜10cm)→チンチン(〜20cm)→カイズ(〜30cm)→クロダイ(30〜50cm)→年無し(50cm〜)と呼び方が変わる出世魚です。
英語・外国名
クロダイは、英語では、Japanese black seabream、或いは Japanese black porgy と呼ばれます。
学名
学名は Acanthopagrus schlegelii です。
クロダイの生息地
餌が豊富な沿岸の浅場を主な住処としています。
地磯、堤防周り、生簀周り、河口部にも入ってきます。
回遊はせず、居付きの個体が多いです。
春の産卵期になると「乗っ込み」と言って、地磯の藻場などの浅場に押し寄せます。
大きさはどれくらい?日本記録は?
年無しと呼ばれる、10年を超えるような年齢不詳の個体は50cm〜60cmになります。
公式の日本記録は、2011年6月に三重県の尾鷲の磯で釣り上げられた71.6cm、5.72kgとされています。
クロダイの値段・相場価格
釣り人にとっては憧れのクロダイ(チヌ)ではありますが、市場価格は不当に低いと思えるほど安いです。
同じサイズのマダイと比べると半額程度の価格で売られています。
マダイの華やかな赤い魚体に比べ、黒一色の魚体が敬遠されるのが要因の一つだと考えられます。
また、クロダイはもともと群れを作る魚ではないため、マダイとは違い定置網で獲れる程度です。
そのため、市場に出回る絶対数が多くないのも一因かも知れません。
クロダイ(チヌ)を使った料理・食べ方
市場価値はマダイには及ばないクロダイですが、味はまさにタイです(当然ですが)。
どのように食べても大変おいしい魚です。
類似する仲間にキダイ、ヘダイがいますが、クロダイが一番マダイに近く、食味は良いでしょう。
どんな味がするの?
基本淡白なタイの味ですので、刺身は身が柔らかくは甘みがあります。
イタリアなどでは生のクロダイはカルパッチョなどにして食べられていますし、フレンチではポワレとして、香草を添えた蒸し焼きなどで食べられています。
小麦粉をまぶして焼いたムニエルも定番です。
汁物にすれば滋味深いダシが出ます。
日本では、丸のままご飯と一緒に炊いた鯛めしや、刺身をご飯の上に乗せて、熱々のダシ汁をかけていただく鯛茶漬けが好まれます。
栄養素・カロリー
高タンパク、低カロリーで、各種ビタミン、EPA、DHAが豊富に含まれています。
葉酸も微量ながら含まれていますので、妊婦さんの栄養食としても最適です。
カロリーslismのサイトに、クロダイの栄養成分が詳しく紹介されていますのでご覧ください。
旬な時期・季節
クロダイが一番おいしい時期は、秋の終わりから産卵前の春までです。
冬の間に身体に脂肪を溜め込む冬が最高でしょう。
産卵後から夏場にかけてはあまりおいしくありません。
おすすめ人気のレシピ・調理方法
淡白な白身魚である黒鯛は様々な料理でおいしく食べることができます。
オーブン焼き
クロダイのオーブン焼きです。
ニンニクの香りがくせになります。
皮目に旨味が凝縮しています。
ハーブや柑橘を添えると爽やかな味わいになります。
刺身
きちんと現地で血抜きされた個体は是非刺身でいただきたいです。
身が柔らかく、クセがなく甘みのある味わいは最高です。
氷水で締めれば歯ごたえのあるアライになります。
皮付きのまま、皮側から軽く熱湯をかけた湯引き(霜降り)や皮目を炙ったあぶりも最高です。
クロダイは寄生虫は比較的少ない魚とは言われていますが、鮮度の低いものや河川など汽水域で釣ったものは注意が必要です。
煮付け
淡白なクロダイは甘辛く煮付けると上品な味わいになります。
熱をかけても硬くなりにくいクロダイはふっくら仕上がります。
あら汁
滋味深いダシが出るアラを炊き込んだあら汁はなんとも言えない味わいです。
沸騰させるとアクが出て汁が濁るので、沸騰させないことが大切です。
クロダイを楽しめる人気のお店・レストラン
店内で釣りができ、釣ったクロダイの料理を楽しめる「ざうお」が楽しいです。
もともとは福岡発祥の釣船居酒屋ですが、東京もチェーン展開を進めています。
クロダイ(チヌ)におすすめの釣り方・仕掛け
クロダイ(チヌ)は、その習性を利用した独特の釣り方が多数存在します。
このように、非常に奥が深いのがクロダイ釣りの魅力です。
クロダイは、そのフォルムの精悍さ、引きの強さ、食味の良さなどが人気のターゲットです。
海釣りをはじめたからには、一度は釣ってみたいターゲットであるクロダイは、一度ハマってしまうと一生追い続けてしまう釣り人もいるほど魅力的な魚です。
ただ警戒心が強い魚なので、雑食性で貪欲なので何でも食べるとはいえ、実際に釣るのは難しいとされています。
クロダイ釣りにおすすめの釣竿・ロッド
クロダイ釣りをはじめるのにもってこいのロッドを紹介します。
【ダイワ】リバティクラブ 磯風 1.5-53
磯や堤防でのクロダイ釣りをはじめ、主にウキ釣りで狙うあらゆるターゲットに対応できるロッドです。
非常にコスパが高く、初心者に特におすすめです。
【宇崎日新】プロステージ 攻堤
防波堤のヘチ際ギリギリにカニやイガイなど、ヘチに実際についているエサを落とし込み、ヘチ際で摂餌するクロダイを狙うロッドです。
ヘチ釣り専用のタイコ形リールをつけて釣りを行います。
クロダイ釣りにおすすめのリール
地磯や離れ磯でクロダイを狙うならレバーブレーキ式、ヘチ際で落とし込みをするならタイコ型リールを使います。
【プロマリン】海将黒鯛 KA87R
落とし込み釣り専用のタイコ形リールです。
オモリをつけず、エサのカニやイガイの自重だけで、ヘチ際ギリギリを這わせるように仕掛けを落として行く為に必須のリールです。
【シマノ】ラリッサ C3000DXG
強力なレバーブレーキリール
地磯や離れ磯などでクロダイとの一進一退のファイトをこなす、レバーブレーキ式のスピニングリールです。
レバーブレーキがなくてもチヌ釣りはできますが、思わぬ大物がかかったときはドラグ性能が追いつかないときがあります。
そういうときにはレバーブレーキ式リールが活躍します。
こんな人におすすめ
- チヌ釣りで大物に出会うことがある方
- クロダイ釣りで、レバーブレーキの必要性に気づいている方
クロダイ釣りにおすすめのルアー・ワーム
チニングと呼ばれる、クロダイ(チヌ)のルアー釣りはまだ新しいジャンルです。
色々試してみましょう。
【エコギア】チヌ職人 バグアンツ 341 ムーンライトUV
チニングでボトムを狙うテキサスリグと呼ばれるソフトルアーです。
着底させてからチョンチョンとボトムを叩くようにしてクロダイを狙います。
クロダイ釣りにおすすめの釣り餌
一般的な磯や堤防での餌釣りでは、オキアミが使われますが、エサ取りが多くて釣りにならない場合は、カニやイガイに変えると良いでしょう。
さらに、クロダイの雑食性を活かして、サナギにしたりコーンにしてみたりスイカでも釣れます。
また、クロダイの特効エサとして、ユムシ(コウジ)と呼ばれる無脊椎動物や、ボケ(スナモグリ)と呼ばれるシャコの仲間などもあります。
クロダイ(チヌ)の締め方・捌き方
良いサイズのクロダイが釣れたら、その場で締め、血抜きをしましょう。
そして、氷や水に直接魚が触れないように注意して持ち帰りましょう。
この作業をするかしないかで、帰宅後の食味に大きな差が出てきます。
クロダイの締め方・血抜き
神経締めと言って、脳と尾筒の脊髄を破壊し、魚の動きを止めてから、エラブタから包丁を入れ、動脈を切断し血抜きをします。
2020年現在、宮崎県の魚問屋、長谷川水産にお勤めの津本光弘氏が考案した「津本式究極血抜き」技術がプロアマ問わずブームになっています。
特殊な道具を使いますが、完全な血抜きができ、熟成魚を味わうためには欠かせないメソッドになっています。
興味のある方はご覧ください。
クロダイの捌き方(さばき方)・切り方
クロダイはトゲが鋭いため、手をケガしないように気をつける必要がありますが、身離れがよく、小骨も少ないため、練習する魚としては好適です。
よく切れる出刃包丁を用意し、何度も練習しましょう。
クロダイ(チヌ)の基本情報まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「【クロダイ(チヌ)の基本知識】レシピ・釣り方/おすすめ仕掛け・さばき方を解説」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。