カンパチは誰もが知る、刺身や寿司で美味しく頂ける魚ですが、カンパチは出世魚であったことをご存じでしょうか?今回釣りラボでは、出世魚であるカンパチについて地域や大きさによって異なる呼び名や似た姿をしたブリなどとの違いについて詳しく解説します。
カンパチとは?
カンパチとは、アジ科の中でも大型の種類の魚です。
成魚のサイズが1m程あり最大サイズは2m近くまで成長し、重さも80kgを超える大型のカンパチも確認されています。
天然のカンパチは漁獲量が少なく希少で、高級魚として認知されています。
カンパチの特徴・生態
カンパチの見た目の特徴は、楕円形で体高がやや高く側扁しています。
頭頂部は褐色を帯びていて、背面は赤褐色で腹側は白くその境目には黄色い帯状の模様が確認できます。
カンパチの頭頂部を前方から見ると漢数字の八に見えることから、間八(カンパチ)と呼ばれるようになりました。
カンパチの生息地域は広く、全世界の温帯域、熱帯域沿岸に生息していて日本国内では、北海道〜九州にかけての太平洋側沿岸や青森県〜九州にかけての日本海沿岸、瀬戸内海、沖縄島など国内ほとんどの沿岸でカンパチの姿を確認できます。
日本国内沿岸でのカンパチの産卵期は、4月〜9月頃です。
カンパチの食性は、幼魚時はプランクトンなどを捕食して成長しますが、成魚になるにつれ魚食性が高まりイワシ、ムロアジ、イカナゴ、ソウダガツオなどを捕食するようになり、イカやタコなどの頭足類、エビやカニなどの甲殻類も捕食します。
カンパチの値段
カンパチの値段は、水揚げ時期などにもよりますが市場では、キロあたり1500円前後で取引されています。
大型のカンパチだと、一匹あたり120000円ほどする高級魚になります。
出世魚カンパチの基礎知識を紹介!
そんなカンパチですが、実は成長とともに名前を変化させる出世魚になります。
そもそも出世魚とは?
出世魚とは、成長過程で呼び名が変わる魚を指す名称です。
江戸時代より、出世魚は縁起の良い魚として、門出を祝う際などに食されてきました。
サイズや魚の成熟具合によって名前が変わり、その名前には決まった順番があります。
見た目や味も変化する?呼び名の順番は?
カンパチの呼び名は、地域によって異なりますが、ショッコ→シオゴ→アカハナの順番で呼び名が変わっていきます。
そして、カンパチは、成長に伴って呼び名だけでなく、見た目や味わいも変化します。
体長35cm程の小型なカンパチ(ショッコ)は、刺身などで食すと歯応えがありコリコリとした食感が楽しめます。
体長60cm程のカンパチ(シオゴ)は、食通な方にも人気が高くその味は、脂が程よく乗っていて美味です。
体長80cm程のカンパチ(アカハナ・カンパチ)は、値段も去ることながら味わいも格別です。
脂も乗り、臭みもない上質な身は鍋や煮物に最適です。
地域によって異なるカンパチの呼び名
出世魚のカンパチは、成長とともに名前が変わるだけでなく、地域によって異なる呼び名で親しまれています。
それでは、実際にどのように名前が変化していくのか、見ていきましょう。
関東地方でのカンパチの呼び名
関東地方では、以下の順番でその呼び名が変わります。
関西地方でのカンパチの呼び名
関西地方では、体の大きさによって呼び名が異なります。
その他の地方でのカンパチの呼び名
関東・関西地方以外では、カンパチ以下のような呼び名があります。
三重県 |
モジャコ 、シオ |
島根県 |
アカヒラ、 アカビラ、 アカバリ 、アカバ 、アカバナ、アカハ |
徳島県 |
シオウ |
愛媛県 |
ネウ、ネレ |
高知県 |
アカ、 カンパチ、 ネイリ、 ネイリコ、 ハチマキ(幼魚) シオ、チギ、チギリキ(小型) アカハタ、ニイリ (中型) ガタ 、コジオ、ソジ(大型魚) アカハナ 、オーシオ(大魚) |
福岡県 |
ネリ、ネリゴ |
鹿児島県 |
ネゴ 、ソージ、アカバラ |
沖縄県 |
アカバー、ウチムル、ウチムルー |
上記以外にも、呼び名が複数存在します。
ご自身が住まわれている地域での呼び名を探してみるのも良いです。
今までより魚へ対する興味が湧き、さらに魚の奥深さを知ることができます。
カンパチの以外の出世魚
カンパチ以外の出世魚をご紹介します。
ブリは、ワカシ、イナダ、ワラサと名前を変えたのち、最終的にブリの呼び名に変化していきます。
スズキも同様、セイゴ、フッコと続き成体でスズキの名称に変化します。
ボラは、オボコ、イナッコ、スナシリ、イナ、ボラ、トドの順に変化します。
サワラは、サゴシ、ナギ、サワラの順番で変化し、コノシロは、シンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロの順番で変化します。
上記以外に、クロダイ、マイワシなども成長過程で呼び名が変化する出世魚です。
カンパチは出世魚ではないという説も
ごく一部人々の間で、カンパチは出世魚ではないと異論を唱える方もいます。
理由には諸説ありますが、その一つには、出世魚には成魚になった際の名称に、魚偏の漢字が使用されるべきであるのにも関わらず、カンパチの和名は、間八や勘八であり、魚偏が付いていないため、出世魚ではないとするものがあります。
上記の理由でカンパチが出世魚とされない場合がありますが、成長する過程で呼び名が変わるという事は事実なので覚えておきましょう。
カンパチとブリ・ヒラマサとの見分け方
最後にカンパチに似ているブリとヒラマサとの見分け方をご紹介します。
見分ける際にいくつかポイントがあるので、下記にて詳しくご説明します。
ブリとカンパチの違い
同じ出世魚であるブリとカンパチの違いとして、体色が異なりカンパチは赤褐色や黄色味を帯びていますが、ブリは青みがかった体色をしていることが挙げられます。
ブリの特徴は、上顎の角が角ばっていて目からエラ蓋までの幅が広く、体側面の黄色い線に胸ビレが重ならず、胸ビレと腹ビレの長さが等しいです。
ヒラマサとカンパチの違い
ヒラマサとカンパチの違いとして、ブリ同様に体色が異なることが挙げられます。
ヒラマサは、ブリに似た青味がかった体色をしています。
ヒラマサの特徴は、上顎の角が丸みを帯びていて目からエラ蓋までの幅が狭く、体側面の黄色い線に胸ビレが重なっていて、胸ビレは短く腹ビレは長いです。
また、ヒラマサはカンパチに姿はやや似ているものの、出世魚ではありません。
出世魚カンパチのまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「カンパチは出世魚?呼び名の順番やブリ・ヒラマサとの見分け方も紹介!」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
もし、釣りに関してまだ知りたいことがあれば、サイト内検索をご利用いただくか、ぜひ関連する他の記事をご覧ください。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。