ヘラブナ釣りは、管理釣り場や公園など、様々な場所で楽しめる釣りです。今回、釣りラボでは、そんなヘラブナ釣りについて、その難易度や、やり方(底釣り・セット釣り)、時期、おすすめの道具・仕掛け、女性必携の装備などについて解説していきます。
ヘラブナ釣りとは?
ヘラブナ釣りは、日本でのゲームフィッシングの元祖とも言える存在です。
釣りは「フナに始まり、フナに終わる」という言葉がありますが、このフナはヘラブナを意味すると言われています。
ですが、近年、その難易度の高さもあって、釣り人口が減少していると言われています。
ただ、日本国内の河川や池なら大抵生息しているので、実は初心者でも手軽にヘブラナ釣りを始めることができます。
もちろん、使う竿やウキ、仕掛け、餌等、ほんの少しの違いが釣果を左右し、人によっては難易度が高いと考える方もいます。
しかし、釣り人の腕がはっきりと出てくる点が、このヘラブナ釣り最大の魅力です。
ヘラブナの特徴・生態
ヘラブナは、元々自然に存在していた種類ではなく、ゲンゴロウブナの変異種です。
ゲンゴロウブナは琵琶湖の固有種で、体高が高く、横から見ると菱形をしているのが特徴です。
体長は50センチメートル程、大きなものだと60センチメートルを超えるものもあります。
このゲンゴロウブナの中でも、大正時代に発見された体高が更に高い突然変異種を釣り用に養殖したのがヘラブナです。
後にヘラブナ釣りの愛好家が全国の河川や池に放流したため、現在では全国の河川等に生息しています。
ヘラブナ釣りに最適な時期・季節
ヘラブナ釣りにおすすめの時期、季節を春夏秋冬別にご紹介します。
春のヘラブナ釣りの特徴
春になると、ヘラブナは水温の上昇に伴って深場から浅場へと移動してきます。
4月から6月が繁殖期で、浅場の水草やアシの根等に産卵します。
この頃、体を叩きつけて大きな水音をたてる習性があり、釣り人の間では「乗っ込み」や「ハタキ」と呼ばれています。
産卵前は数釣りが狙える他、1年の中で一番大型のものが狙える時期です。
ただ「ハタキ」が始まると、餌を追わなくなるので注意する必要があります。
夏のヘラブナ釣りの特徴
夏はヘラブナが最も活動するシーズンなので、ヘラブナ釣りを始めるには最適です。
しかし、猛暑が続くと活動量が鈍ってしまいます。
秋のヘラブナ釣りの特徴
秋になると、ヘラブナが越冬のために餌を盛んに食べ始めます。
10月中旬を過ぎると寒暖差でタナが色々変わるようになり、上手く掴めば入れ食いになり外すと全く掛からないこともあります。
冬のヘラブナ釣りの特徴
冬のヘラブナは、活動量が鈍り、水温変化が少ない最深部や物陰に留まっています。
とは言え、真冬でも水温が安定した時期なら十分釣れます。
ヘラブナ釣りを楽しめる釣り場・釣り堀
ヘラブナは河川や池にいる身近な魚なので、色々な場所で楽しめます。
釣り堀・管理釣り場
釣り堀や管理釣り場には、定期的にヘラブナが放流されています。
また、道具のレンタルをしている所もあります。
道具をまだ買っていない、初めてヘラブナ釣りをする方にも最適の釣り場所です。
池・公園
池や公園は、手軽にヘラブナ釣りが楽しめる所です。
公園の中の池やため池等では釣りが禁止されている所もあるので、看板等の表示をよく読み無断侵入をしない等マナーを守らなければなりません。
湖・ダム湖
管理された水域以外の自然の湖沼や河川で行う釣りのことを、「野釣り」と言います。
ヘラブナが放流されている自然の湖やダム湖等でする釣りです。
河川
川の流れがある中、野釣りらしい強い引きのヘラブナ釣りが味わえるのが魅力です。
東京近郊なら千葉県の横利根川、埼玉県のびん沼川がヘラブナ釣りの聖地として有名です。
ヘラブナ釣りのやり方・手順
釣る場所を決めたら、実際にヘラブナを釣るための準備に入りましょう。
ヘラブナ釣りの準備の流れ
ヘラブナ釣りの準備は、以下の手順で行います。
1. 餌を作る
ヘラブナの餌は主に麩の粉やマッシュポテトを原料とし、水に馴染ませないと水中で上手く散らばりません。
十分馴染むには時間が掛かるので、最初にやっておきます。
2. へら台に万力、竿掛けを固定
へら台に万力・竿掛けを固定しましょう。
3. 竿、仕掛け、ウキをセット
竿は並継の場合、必ず細い順に繋いでいき、片付ける時は逆順で外していきます。
4. ウキの調整
ハリスを結んで、ウキを調整します。
餌が付いていない(餌落ち)状態で、どの目盛りまでウキが沈むか把握しておかなければならないので、ウキ調整は必ず行います。
これをしないと、餌がいつ無くなったのか、どの状態でオモリがタナに入ったかが分かりません。
5. タモや小物等必要な道具を出す
最後に、タモや小物等必要な道具を出しておきましょう。
ヘラブナの釣り方にはどんなものがある?
ヘラブナの釣り方には、大きく分けて「セット釣り」「底釣り」の2つがあります。
セット釣り
セット釣りは、アタリがはっきり出るので初心者にお薦めの方法です。
上針にヘラブナを寄せるバラケ餌、下針に食わせ餌をセットする方法です。
餌が宙に浮いている状態になっていて、最初にバラケ餌が散らばって魚を呼び寄せます。
底釣り
底釣りは、セット釣りと違い、餌が水底についている状態のことを言います。
この方法だと水深を正確に測る必要があります。
管理釣り場ならある程度分かりますが、野釣りの場合はまず水深を測らなければなりません。
この底釣りが、ヘラブナ釣りでは最もメジャーな釣り方と言えます。
ヘラブナ釣りのコツ・合わせ方
ヘラブナは水温の変化や物音に敏感で、季節や水中の酸素量、気圧等が変わると泳いでいるタナ(水深)も変わってきます。
暖かい季節は活発に動き食欲旺盛ですが、暑すぎると食欲が落ちてしまいます。
寒い季節は活動が鈍り食欲も落ちます。
釣る日の魚の状態に応じたタナ取りが上手くできると、釣果を上げられます。
YouTubeでも、色々な人が釣り方の動画を上げています。
また、ブログでも解説や体験談が書かれているので、それらを見て勉強するのもおすすめです。
ヘラブナ釣りの道具(タックル)・仕掛け
「ヘラブナ釣りは持ち物が沢山ある」というイメージが持たれがちです。
しかし、ルアー釣りと比べると多いものの、消耗品は道糸やハリス等の小物、餌ぐらいです。
初心者セットも販売されているので、これを買えば無難に始められます。
ヘラブナ釣りにおすすめのロッド
ヘラブナ釣りに使うロッド(釣り竿)には竹製とカーボン製がありますが、初心者は軽くてメンテナンスも楽な、カーボン製一択です。
竹製は上級者に人気ですが、手入れが大変なので初心者には向きません。
ヘラブナ釣りの竿は長さが6尺から30尺(1尺=約30センチ)までありますが、最初は10尺か11尺の竿が扱いやすいです。
その後、タナ(水深)に合わせられる様に、偶数尺か奇数尺のどちらかで揃えます。
なぜ複数の竿がいるのかというと、竿より深い所にヘラブナがいる場合竿が届かないからです。
ハリスを伸ばす方法もありますが、投げる時取り込む時に支障があるのでおすすめできません。
【ダイワ】波紋J 超硬18
高性能ヘラブナロッド
これからヘラブナ釣りに挑戦する方におすすめなロッドは、大手釣具メーカーのダイワから販売されているヘラブナ、コイ用振出竿の波紋Jです。
波紋Jの目玉機能であるV-ジョイント機能は、大型のヘラブナやコイに対してもスムーズでしなやかな曲がりで使用者の負担を軽減してくれます。
全長5.4mのロッド性能に影響を与えるカーボンシートは、メーカー独自開発のカーボン繊維「超高密度HVFカーボン」を使用しています。
超高密度HVFカーボンは、カーボンの高弾性化やカーボン繊維を取りまとめる接着樹脂レジンの含有量に着目して開発された特殊なカーボン繊維で、レジンの量を極限まで減らし耐久性に優れ軽量なカーボン繊維の密度を限界まで高めることで、力強くパワフルな仕上がりを実現することに成功しました。
操作性も高く、糸絡みを防止する穂先や接続部分の固着防止リング、練り餌などで汚れにくく、滑りにくいレザーサテン塗装のテーパーグリップなど初心者でも扱いやすい仕様になっています。
こんな人におすすめ
- ヘラブナ釣りを初めて挑戦する初心者の方
- 大型のヘラブナやコイを狙い、力強い釣りをしたい上級者の方
ヘラブナ釣りにおすすめの竿掛け・万力
ヘラブナ釣りをする時、忘れると困る必需品です。
竿掛けは竿を置く道具で、竿が長くなるにつれ継ぎ足す必要があります。
万力は竿掛けをへら台等に固定する道具です。
万力には弓型と大砲型がありますが、好みで選んでも構いません。
竿掛けの先で竿を受ける竿掛けも必需品ですが、多くは万力とセット販売されています。
【LIOOBO】ロッドホルダー ステンレス製
手軽に竿を掛けられる支援具
アタリもなく竿を長時間握りっぱなしだといくら軽量の竿を使用していても疲れてしまいます。
そこで、ヘラブナ釣りをのんびりゆったり楽しみたい方におすすめな竿掛けをご紹介します。
本体は高品質のステンレス製でできているため錆びにくく、軽量で丈夫です。
付属のプラグスティックを使用することで池や沼、河川、船上など場所を選ばず安定感のある使い心地を体感できます。
ロッドの先端には、滑り止めが付いていて竿の落下や損傷を防いでくれます。
ロッドの角度は、180度調節可能でお好みの角度に合わせて使用できます。
伸縮式のため収納時も場所をとらずコンパクトに収納できます。
こんな人におすすめ
- ヘラブナ釣りで長時間竿を握り続けることが多い方
- 釣りの場所を選ばずノンビリと楽しみたい方
ヘラブナ釣りにおすすめの浮き(ウキ)
ヘラブナ釣りでは、ウキの動き方で水中でのエサが溶ける様子や、ヘラブナの様子を判断していきます。
ウキは上からトップ・ボディ・足の3つの部分に分かれ、大きさや形、材質が異なっています。
しかし、まずはトップの種類を決めてから選ぶことをおすすめします。
トップには、パイプトップとムクトップという2種類の材質があります。
パイプトップは名前の通り中空で、空気が入り浮力が高いのが特徴です。
ムクトップより太く浮きが見やすいので、初心者が使うのにも向いています。
ムクトップは、ガラス繊維が入ったガラスムクトップとガラス繊維がないPCムクトップがあります。
どちらも中が詰まっていて空気が入らず、浮力がありません。
浮力がない分、繊細なアタリにも敏感に反応するので、底釣りに向いています。
【ピュアテック】藍舟ヘラウキ パイプトップ 6本セット
プロ仕様のヘラウキ
ヘラブナ釣りには欠かせないウキですが、今回おすすめするウキは良質なカヤ素材をベースにしたハイクオリティなヘラウキです。
ウキに使われる素材は、一般的にカヤと羽根が多いです。
カヤとは河川敷などでよく見かける植物を指し、ウキとして使用されるカヤの多くは輸入品のより良質なカヤが使用されています。
また、羽根は、クジャクの羽根の芯を使用します。
クジャクの羽根は曲がっているためそのままでは使用できず、ウキとして仕上げるには高度な技術を要します。
2つの素材を比べた際に大きく違う点は、自重の違いで羽根の方が軽く、カヤの方が重いです。
トップは主流であるパイプトップを使用し、最新の釣りにも対応した高機能で浅ダナのセット釣りに特化したモデルです。
餌を選ばず多くのセット釣りに対応しているので、オールシーズン使用できます。
こんな人におすすめ
- ヘラブナ釣りを本格的に楽しみたい初心者の方
- 高品質な素材の釣具にこだわりたい方の方
ヘラブナ釣りにおすすめの椅子
ヘラブナ釣りは長時間待つことも頻繁で、立ったままでは辛くなってきます。
基本的に胡坐をかいた状態で座ることが多く、専用の脚の短い折り畳み式の椅子や座椅子が販売されています。
【Helinox】チェアゼロ 1822177
コンパクトで軽量なアウトドアチェア
ヘリノックスは、テントやトレッキング用のポール製作メーカーの「DAC社」が20立ち上げたブランドで、近年アウトドアファンをはじめとした多くの人々から支持を得ています。
ヘリノックスチェアは骨組みとなるアルミポールを組み立てて作る方式なので、使わない際は折りたたんでコンパクトにしまうことができるため、持ち運びの際に非常に便利です。
重量も軽く携帯性に優れて、丈夫で耐久性も高い高品質なチェアです。
座面は吊り下げ式設計なので、まるで包み込まれるような安心感があり長時間の使用でも疲れにくく釣行時に最適です。
ヘリノックスのチェアの組み立て方は、骨組みとなるポールを組み立て、ポールをジョイント部分に挿し込み、組みあがったらフレームに座面シートをかぶせるだけで完製のとてもシンプルな設計です。
初心者の方や女性にも簡単に組み立てることが可能です。
こんな人におすすめ
- アウトドア全般で使用する携帯性が高く軽量な椅子が欲しい方
- 長時間釣りをする方で、快適な座り心地が求められる方
ヘラブナ釣りにおすすめのライン・仕掛け
ヘラブナ釣りの仕掛けは、シンプルです。
糸は、道糸とハリスの2つの部分で使用します。
道糸・ライン
道糸は、竿先からハリスを結び付けるヨリモドシやワカン(輪環)がある部分までを指します。
通常なら、0.8号から1号のナイロンで問題ありません。
ハリス
また、ハリスは、2本のハリに繋がっている糸のことです。
ハリスは道糸に比べ細いものを使用し、道糸の号数表示の半分を目安とします。
道糸より細くするのは、ハリが木等に引っ掛った際、ハリスが切れずに道糸が切れてウキごと無くすのを防ぐためです。
ハリとハリスの2つは、既に結んでセットになっている物も多く販売されています。
初心者はセットになっている物を使うと楽です。
棒ウキ
棒ウキとは、細長い棒状のウキの呼び名でわずかな魚のアタリを感じることができ、ヘラブナ釣りに適したウキです。
ヘラブナの動きに対して的確に反応してくれるのでとても扱いやすく、初心者の方にもおすすめです。
棒ウキは水面に刺さるように浮き、水の抵抗が少ないのでヘラブナの小さいアタリをしっかり伝え、水面から目視できる部分が多いので見た目にもアタリがわかりやすいです。
【OWNER】ホリデーフナ棒ウキ仕掛 1本 茶フナ鈎 3号 5.4m R-3335
使いやすい釣りウキセット
こちらの棒ウキは、保管時にはスプールに巻かれているので糸グセも起こりにくく、釣行後はそのまま仕掛巻に使用できる便利な仕様で、予備バリも2本付属しているので根掛かりで針を無くしても安心してお楽しみいただけます。
また、シンプルで煩わしさがなく初心者の方でも取り付けが簡単です。
多くの釣り場で使用が可能な仕掛けセットですが、池や沼、流れの弱い釣場での使用をおすすめします。
こんな人におすすめ
- 初心者の方や簡単に仕掛けをセットしたい方
- 釣り場が限られる方(池や沼、流れの弱い釣場での使用をおすすめしているため)
ヘラブナ釣りにおすすめの釣り餌
ヘラブナは水中の植物性プランクトンを吸い込むようにして食べる習性を持っています。
そのため、ヘラブナ釣りの餌も水中で散らばりやすい植物性の麩の粉やマッシュポテト、グルテン等を使った練り餌が使われます。
今は麩餌が主流になっていますが、釣り場によって今でもマッシュポテトの餌も使っています。
この練り餌に、魚の状態に応じて他の材料(トロロ、さなぎ粉等)を混ぜて使います。
食わせ餌には、「ウドン」がよく使われます。
昔は、関西を中心に名前の通り饂飩が使われていましたが、今はイモ類のデンプンを主原料とする粉を水に溶かし火にかけ、餅状になったのを小さく切った物です。
「ウドン」は、ヘラブナに食い渋りがある時や寒い時期のセット釣りの餌として使われています。
餌を作る時は計量カップを使って材料や水を正確に計量し、いつも同じ状態の餌を作れるようにしてなければなりません。
【マルキュー】ガッテン
ヘラブナ練り餌界の名品
ヘラブナ釣りの釣り餌といったらガッテンと言われるほど有名なマルキューから販売されている練り餌です。
餌持ちも良く、比重も軽いため魚を寄せる際に大きめにハリ付けしてもウキが沈みにくいです。
夏場になると魚の活性が高まるため、エサの重量を重くしタナに合わせてブレンドを変えたりしますが、ガッテンなら重いエサをブレンドするだけで、簡単にブレンドできます。
ガッテンは芯残りも良く、程よい粘性があるため芯が残り、崩れながらも針に残りしっかりアタリを出すことが可能です。
従来ガッテンのように芯残りするタイプのエサは、使用者の感覚でエサを練り、あとから他の練り餌も加える必要がありましたが、ガッテンの場合は本製品5に対して水1の割合で加えるだけで簡単に仕上げることが出来ます。
こんな人におすすめ
- ヘラブナ釣り初心者で、扱いやすくて効果的な釣り餌を探している方
- 夏場にヘラブナ釣りをする方で、練り餌のブレンドに手間をかけたくない方
女性が持っていくべき道具・装備
ヘラブナ釣りは、長時間待たないといけないことが少なくありません。
ですので、女性がヘラブナ釣りに行く際には、以下のようなグッズを持っていく必要があります。
ヘラブナ釣りの始め方まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「ヘラブナ釣りは初心者には難しい?おすすめの仕掛けや道具、底釣りのコツを徹底解説!」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
他にも、釣りラボでは、釣りに関連する様々な記事をご紹介しています。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。