【天皇が持ち込んだ外来魚?】ブルーギルは、特定外来種に指定されている魚です。今回、釣りラボでは、ブルーギルの特徴、生態、呼び名、生息地、値段相場を徹底解説した上で、ブルーギルの味、おすすめのレシピ、人気のお店、釣り方などをご紹介します。
日本のブルーギルは全部天皇が持ち込んだって本当?
日本に持ち込まれたブルーギルは、すべて天皇が持ち込んだものである、という説があります。
この説ですが、結論から述べると真実です。
ブルーギルが、最初に日本に持ち込まれたのは1960年です。
当時皇太子だった明仁親王が、シカゴ市長から寄贈されたブルーギルを15匹、日本に持ち帰ったのです。
この時は、まだブルーギルが外来種として在来種に悪影響を与えるとは考えられておらず、ただただ食用として活躍が期待されていました。
そして、食用研究のため研究施設で飼育されたブルーギルは、日本各地に放流され、現在の分布になるまで繁殖していきました。
このことについて天皇明仁は、平成19年に「第27回豊かな海づくり大会」が行われた際、「心を痛めている」とおっしゃり、謝罪されています。
ブルーギルとは?その特徴・生態をご紹介
ブルーギルは、北アメリカ原産の淡水魚で、日本各地に生息しています。
名前の由来となった、エラの後部にある濃い青色をした部分が特徴です。
小魚、魚卵、甲殻類、貝類、水草など何でも食べる雑食性であり、非常に生命力が高いです。
5月~7月の産卵期になると、ブルーギルのオスは、水底にすり鉢型の巣を作ります。
そして、メスが巣に産卵した後は、オスが卵に新鮮な酸素を送ったり、卵から孵化してしばらく経つまで外敵を追い払ったりして卵と稚魚を保護します。
ブルーギルの呼び方
まずは、ブルーギルの漢字名や別名、英語名、学名などを見ていきましょう。
漢字名
ブルーギルは、漢字では「青鰓」と書かれます。
エラが特徴的であることから、鰓(エラ)という漢字が使われています。
別称・別名
一般的な別称は「ブルーギル」を略した「ギル」です。
滋賀県琵琶湖近辺では、「ビワコダイ」や「ビワコブナ」と呼ばれることもあります。
英語・外国名
英語では「blue gill」や「bluegill sunfish」と呼ばれます。
gillは「エラ」のことで、エラの青い部分が語源です。
学名
学名は「Lepomis macrochirus」です。
レポミス・マクロキルスと読みます。
ブルーギルの主な生息地
ブルーギルの主な生息地は、淡水の池や湖です。
特に、身を隠すのに適した水草が生えている場所を好み、そのような場所に群れで生息しています。
また、環境への適応力が高く、流れの速くない河川から河口域まで、淡水だけでなく海水の混じるようなエリアにも生息しています。
そして、酸素さえ十分にあれば、汚染された場所でも生息可能です。
このような習性があることに加えて、日本国内には原産地である北アメリカに比べて大型魚類などの天敵が少ないことから、ブルーギルは日本全国で爆発的に繁殖し、在来種の生態にも影響を与えています。
そのため、ブルーギルは平成17年4月に特定外来生物に指定され、規制の対象になっています。
ブルーギルの大きさは最大どれくらい?
ブルーギルは、最大どれくらいの大きさになるのでしょうか?
記録に残っている最大のブルーギルの大きさと重さをご紹介します。
ブルーギルの世界記録
世界最大のブルーギルの記録は、体長40cm、重量2150gのものです。
ブルーギルの日本記録
日本記録は、琵琶湖で捕獲された体長29cm、重量810gです。
ブルーギルの値段・相場価格
ブルーギルは外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)により、生きた状態での販売が原則として禁止されています。
大型魚類や爬虫類のエサ、研究や教育目的の解剖や標本材料として取引されることが稀にあり、その場合、冷凍状態のものが1kgあたり1500円ほどで販売されています。
ブルーギルにおすすめの釣り方・仕掛け
ブルーギルは雑食で、エサ釣りでもルアーでも釣ることができます。
タックルは、フライフィッシングやバス釣りなどで使用しているものを流用することが可能です。
エサ釣りなら、針とオモリというシンプルな仕掛けにエサをつけて目の前に落とす釣り方がおすすめです。
水草などでブルーギルの姿が確認しづらい場合にはウキを使うという方法もあります。
ルアーを使うなら、ブルーギルのサイズに合った小さめのルアーを使うのがポイントです。
ブルーギル釣りにおすすめの釣竿・ロッド
ブルーギル釣りには、短めで柔らかいロッドが適しています。
ブラックバス用の他には、アジやメバル用のものを使うのがおすすめです。
ブルーギル釣りにおすすめのリール
ブルーギル釣りには、小型のスピニングリールで、1000~2000番のリールを使用します。
ブルーギル釣りにおすすめのルアー・ワーム
ブルーギルが食いつきやすい、小さなサイズのルアーが最適です。
フライフィッシング用のフライも使用できます。
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軽くて小さなサイズのフローティングミノーです。
3種類のカラーバリエーションがあります。
ブルーギル釣りにおすすめの釣り餌
ブルーギルは、雑食であるため、ミミズやエビなどの生き餌以外にも、米粒やパン、魚肉ソーセージを小さく切って使用することができます。
ブルーギル釣りをする際の注意点
ブルーギルは、特定外来生物に指定されているため、釣る際にいくつかの注意点があります。
許可なしに飼育することはできない
ブルーギルは特定外来生物に指定されており、外来生物法によって許可なしで飼育することが禁じられています。
鑑賞目的で、新たに飼育が許可されることはありません。
ですので、ブルーギルが釣れたからといって、許可無しに持ち帰ることは絶対にやめましょう。
リリースが禁止されていることも
外来生物法では、特定外来生物を生きたまま運搬することや他の場所に放つことが禁止されています。
しかし、釣った魚を同じ場所に放す「キャッチ&リリース」は、外来生物法では禁じられていません。
そのため、普通は釣ったとしてもリリースをしておけば、問題ありません。
ただし、自治体などが独自に定めている条例などでリリースが禁止されている場所があるので注意が必要です。
例えば、琵琶湖畔ではリリースは禁止されていて、釣りスポット近辺に外来魚回収ボックスが設置されています。
ブルーギルの締め方・捌き方
では、実際に釣り上げたブルーギルの締め方や捌き方をご紹介します。
ブルーギルの締め方
釣り上げてからしばらくの間、キレイな水の中で泳がせておきます。
その後、エラを切り血抜きをして内臓を取ります。
以下の動画は、調理ばさみを使った血抜きの方法を解説したものです。
参考にしてみてください。
ブルーギルの捌き方(さばき方)・切り方
ブルーギルの体の表面にはぬめりがあり、そのままでは扱いにくいので塩を使ってぬめりを落としておきます。
ブルーギルは皮に独特の臭みがあるため、身を皮から切り取ります。
小骨が多いので注意して取り除いてください。
以下の動画では、小型のナイフを使ってブルーギルを三枚おろしにしています。
ナイフを入れる場所など分かりやすいので参考にしてみてください。
ブルーギルを使った料理・食べ方
また、実際にブルーギルを釣ったら、リリースするのではなく、食べてみることをおすすめします。
最後に、実際に釣ったブルーギルを使った料理や食べ方をご紹介します。
どんな味がするの?
ブルーギルは白身の魚で、脂の少ないあっさりとした淡泊な味をしています。
その味は鯛やタラに似ているといわれることが多いです。
栄養素・カロリー
ブルーギルのカロリーは、100gあたり約124Kcalです。
そのうちの90%ほどがタンパク質で、残りを脂質が占めています。
おすすめ人気のレシピ・調理方法
ここではおすすめの人気レシピと調理方法をご紹介します。
生きたまま持ち運ぶことが禁止されているため、食用目的であっても持ち帰るときにはその場で締めてから持ち帰らなくてはいけません。
刺身で食べることはできる?
ブルーギルなどの淡水魚には、寄生虫がついていることがあるので注意が必要です。
よく洗うだけでは取れないことがあるので、どうしても刺身で食べたいなら冷凍して死滅させる必要があります。
ブルーギルに寄生していることが多い顎口虫は、-20℃で3〜5日、-9℃〜-4℃では10日以上生き延びることが分かっています。
フライ
ブルーギルは淡泊な味なのでフライにすると美味しく食べられます。
また、火を通すことで寄生虫の心配もなくなり安全に食べることができます。
ブルーギルのフライサラダのレシピです。
臭みを取るための下味のつけ方も紹介されているので参考にしてみてください。
ブルーギルを楽しめる人気のお店・レストラン
ブルーギルを使って作られた「ビワコダイの熟鮨」が、滋賀県草津市にある「道の駅草津 グリーンプラザからすま」で販売されています。
ブルーギルの基本情報まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「外来ブルーギルは天皇陛下が持ち込んだ魚で謝罪したって本当?釣り方・レシピ・生態も解説」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。