【人気の魚図鑑】サヨリは、細い体が特徴的な釣りのターゲットとして人気のある魚です。今回、釣りラボでは、サヨリの特徴、生態、呼び名、生息地、値段相場を解説した上で、サヨリの釣り方・仕掛け・タックル、味、おすすめのレシピ、人気のお店、さばき方などをご紹介します。
サヨリとは?その特徴・生態をご紹介
サヨリは、ダツ目ダツ亜目サヨリ科に分類される魚で、ダツ目特有の細長い体で、最表層を群れで漂うように回遊しています。
北海道から九州に至る全国の沿岸の静かな内湾に分布します。
その上品な味わいで古くから高級魚として親しまれていました。
現在でも刺し網漁などで漁獲されますが、その数は多くなく、高級魚として取引されており、街のスーパーの鮮魚売り場に並べられるようなことは少なく、寿司屋や割烹などの高級料理店に卸されることがほとんどです。
産卵シーズンは4〜8月頃で、沿岸の浅場の藻場に粘着卵を産み付けます。
稚魚は周囲を漂いながらプランクトンを食べ、3cm程度に成長すると、サヨリの特徴である、下顎が伸長しはじめます。
サヨリは汽水にも入りますが、淡水域には入ってきません。
下顎が伸長しはじめると、水面にいる小型の甲殻類や落ちてきた昆虫などを食べて生活します。
体長は最大で40cmほどの大きさになり、寿命は2年ほどとなっています。
サヨリの身は透明度が高く美しい見た目ですが、腹膜は真っ黒な色をしています。
内蔵部に光を透過させないためと考えられていますが、ここから、サヨリは腹黒い魚と揶揄されています。
サヨリの呼び方
サヨリには、非常にたくさんの地方名があります。
全国的に高級魚と認識され、古くは贈答用の魚として重宝されていたようです。
漢字名
サヨリは漢字では「針魚」、「鱵」、「細魚」と書きます。
別称・別名
サヨリは、サイラ、シマザイラ、イソザイラ、スス、スズウオ、ハリオ、クチナガ、エンピツなどがあります。
英語・外国名
サヨリは英語では Japanese halfbeak といいます。
学名
サヨリは学名では Hyporhamphus sajori といいます。
サヨリの生息地
サヨリは比較的どこでも見ることができます。
内湾の穏やかな波止の最表層を数匹の群れで泳いていることが多いです。
汽水域にも入ります。
新潟県新潟市の水族館、マリンピア日本海では、サヨリが展示されています。
大きさは最大どれくらい?
サヨリは、40cmを超えれば「超大物」とされますが、50cmを超えた個体の情報はありません。
大物を狙うのであれば、冬季がおすすめです。
ダツとの違い・見分け方
サヨリに似た魚として、同じダツ目のダツがいます。
見分け方はあごを見ればわかります。
サヨリは下あごだけが伸長しているのに対し、ダツは上下両方のあごが長く伸びています。
また、サヨリには歯がありませんが、ダツには鋭い歯があり、触る際には注意が必要です。
サヨリは最大で40cm程度までの成長ですが、ダツは通常60cm近くまで、最大で1m程度まで成長します。
サヨリの値段・相場価格
サヨリは高級魚として取引されています。
通年価格が落ちない魚ですが、2020年は値動きが激しく、2,500円/kg~4,500円/kgで取引されています(東京・豊洲市場)。
取引されたサヨリのほとんどが寿司屋や高級割烹などに卸されています。
サヨリの釣り方とおすすめの仕掛け・タックル・餌
サヨリは海面の最表層にいることがほとんどです。
サヨリを釣る場合は、沿岸に寄っている場合は延べ竿でのウキ釣りかサビキ釣り、トリック仕掛け釣り、少し離れている場合は、小型のコマセカゴと飛ばしウキを付けたカゴ投げ釣りで狙います。
ルアーやワームでも釣れないことはありませんが、釣果の点で効率が悪くおすすめしません。
サヨリのカゴ投げ仕掛けは青物狙いのそれとはかなり異なり、小型軽量のサヨリ専用仕掛けを使います。
道糸に小さな飛ばしウキと小さなコマセカゴを取り付け、カゴの先に長めのハリスを付けます。
ハリスには小さな発泡シモリ玉を3個程度つけて、ハリスごと表層に浮かせる、「爆釣り仕掛け」を使います。
簡単な仕掛けなので自作する人も多いです。
ウキ釣りでサヨリを狙う場合
ウキ釣りでサヨリを狙う場合はのべ竿を使ってのんびりと釣りを楽しむのが良いでしょう。
撒き餌として、アミエビを少しずつ撒き、サヨリを足止めしながら釣るのがコツです。
ウキ釣りにおすすめのノベ竿
ウキ釣りにおすすめの延べ竿を紹介します。
軽量で長めの延べ竿が良いでしょう。
【ダイワ】波路 硬調60 6m
波止釣り全般に使える万能な振り出し竿です。
サヨリはもちろん、ウミタナゴやメジナ、小アジ、小サバ、イワシなど、さまざまな魚釣りをのんびりと楽しめます。
ウキ釣りにおすすめの仕掛け
サヨリは捕食が非常に下手な魚です。
そのため、サヨリのウキ釣り仕掛けは、針掛かりの良さが決め手になります。
遠投カゴ釣りでサヨリを狙う場合
サヨリが岸から離れているときは、遠投カゴ投げ仕掛けを投げて狙います。
遠投カゴ釣りにおすすめのロッド
遠投カゴ釣りでサヨリを狙う場合のロッドは、錘負荷10号程度の磯竿がしなやかで使いやすいです。
遠投カゴ釣りにおすすめのリール
サヨリの遠投カゴ釣りにおすすめのリールは、コンパクトな汎用スピニングリールで十分対応できます。
遠投カゴ釣りにおすすめのライン
サヨリの遠投カゴ釣りにおすすめのラインはナイロンラインの2〜3号で十分です。
遠投カゴ釣りにおすすめの仕掛け
サヨリの遠投カゴ釣りにおすすめの仕掛けを紹介します。
【ハヤブサ】サヨリ仕掛 スーパーボール&3連シモリ 3.5-0.8
向かい風でも飛ばしやすいスーパーボールを使った遠投仕掛けです。
ちょい投げロッドでも扱いやすい全長1.1mのセットです。
サヨリ釣りにおすすめの餌
サヨリ釣りにおすすめの釣り餌はアミエビですが、針につけづらいという欠点があります。
おすすめのエサは、はんぺんです。
ストローを使ってはんぺんを型抜きし、小さく切って針につけます。
サヨリの特効餌と言えるでしょう。
サヨリを使った料理・食べ方
サヨリはどうやって食べてもうまい魚で、様々な料理法があります。
特に刺身は、透明度の高い身に入る、背身と腹身の境目の銀黒色の帯模様が美しく、サヨリの刺身の特徴となっています。
その他、寿司ネタにしても、酢締めにしても、カルパッチョにしても、吸い物にしても、煮付けても、塩焼きにしても、干物にしても、唐揚げやフライにしてもおいしくいただけます。
どんな味がするの?
サヨリは大変上品な味わいですが、形容しがたい特徴的な味で、甘みというよりうまみの方が強く感じられます。
味が似ている魚はあるかと聞かれれば「ない」と言えるでしょう。
サヨリの味はそれほど特徴的で、一度食べると強い記憶として残るといわれています。
甘みとうまみを最も強く感じられる食べ方は、文句なしで立て塩(3%食塩水)にくぐらせて下処理した刺身です。
干物も甘み、旨味が倍加されますが、サヨリの干物で一番うまいのは一夜干しです。
揚げても大変美味であり、サヨリの天ぷらは高級料理として親しまれています。
栄養素・カロリー
サヨリは高たんぱく・低カロリーの魚ですが、特筆すべきは、ビタミンDを豊富に含むことです。
また、亜鉛などのミネラルも豊富に含み、牡蠣に似た成分構成です。
可食部100g当たりのカロリーは約95kcalです。
旬な時期・季節
サヨリの旬は春先、サヨリが「春告魚」と呼ばれる、3~5月頃です。
産卵直前の個体が脂が乗っておいしいです。
盛夏には一時期やや味が落ちますが、秋にはまた旨味が戻ってきます。
おすすめ人気のレシピ・調理方法
サヨリの美味しい調理法、おすすめのレシピを紹介します。
刺身
サヨリを一番おいしくいただけるのは刺身でしょう。
刺身には様々な切り方や盛り付け方があり、糸造り、藤造り、木の葉造りなど、様々なお造りの方法があります。
サヨリには、エラ蓋の裏にヤドリムシが高確率で寄生しています。
タイノエに似た、非常に大きな寄生虫で、食べても害はありませんが、見た目が悪いので除去しておきましょう。
また、サヨリが生きている間は内臓に寄生していることがあるアニサキスは、宿主が死ぬと内臓を破って筋肉に入ってきます。
アニサキスが生きたまま人間の体内に入ると激痛にのたうち回ることになります。
病院で摘出してもらうしか方法はありませんので、絶対に食べないようにしましょう。
アニサキスも肉眼で見えますので、薄くそぎ切りにして、アニサキスを目視して、見つけたら確実に取り除きましょう。
寿司
回らない寿司屋で春になると必ず「本日のおすすめ」で薦められるサヨリは、生でも酢締めでも最高の寿司ネタです。
ワサビよりもショウガ醤油が合いますね。
煮付け
なかなか大きなサヨリが手に入ることはないのですが、ある程度数がまとまったら、全部を圧力鍋に入れて煮てしまうと、骨まで食べられるおいしい煮つけになります。
塩焼き
サヨリの塩焼きは、塩がきつくなりすぎないように、薄めの塩で軽めに焼くと、甘みが引き立ち、絶品です。
サヨリを楽しめる人気のお店・レストラン
東京都中央区勝どきにある、その名も「さより」。
季節の魚料理を食べられる隠れ家的なお店です。
春、秋には江戸前のサヨリがいただけます。
サヨリの締め方・捌き方
サヨリは、小さくて血液も多くない魚ですので、特に血抜きの必要はありませんが、現場で頭と内臓を落としてしまうのも手です。
サヨリの締め方
サヨリは、締めるよりも、現場で頭と内臓を落としてしまうのが良いでしょう。
ハサミ一本あれば簡単にできます。
サヨリの捌き方(さばき方)・切り方
サヨリのさばき方、切り方ですが、注意したいのはウロコ取りです。
サヨリのウロコは包丁でこそげ取りますが、あまり強く包丁を当てると身が崩れてしまうので、やさしくこすり取るように扱うことがポイントです。
また、腹膜の黒い部分は完全に洗い流しましょう。
ここが残ってしまうと生臭くなってしまいます。
サヨリの基本情報まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「サヨリってどんな魚なの?釣り方・仕掛け・人気レシピ・さばき方を徹底解説」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。