イソメの付け方は様々な種類があり、どの付け方をすれば良いのか、どのように付ければ魚が釣れるのか悩まれる方も多いと思います。今回、釣りラボでは、イソメの基本の付け方について詳しく解説します。
そもそもイソメ(アオイソメ)とは?
アオイソメは、アオムシ、アオゴカイ、などとも呼ばれる多毛類で、日本にはいない生物です。
代わりに、韓国で養殖されたものが毎日大量に入荷されており、かつては朝鮮ゴカイとも呼ばれていました。
釣り餌としての汎用性がすばらしく、海釣りでも川釣りでも使えますが、特に海釣りに向いています。
イソメを付ける際に用意するもの
イソメ類は針につけようとすると逃げたり頭から大きなアゴを出して噛み付いたり、体液を出してヌルヌルになったりして抵抗します。
滑り止めとして、石粉と呼ばれる、石灰石や長石などを砕いた粉末が売られていますので、これをまぶすと滑りづらくなります。
イソメの基本の付け方
イソメの針への付け方にはいくつかありますが、ターゲットの魚によって付け方が異なりますので、基本的な付け方を覚えておきましょう。
付け方1:通し刺し
通し刺しは、針全体をイソメの体の中心に通し、針先を出す付け方です。
針先を出したあとの余った部分(タラシ)は、魚種によって、短く切ったほうが良いもの、長くタラしたほうが良いものがあります。
通し刺しは万能の付け方ですが、ちょい投げ釣りやウキ釣りに特に向いています。
シロギスの投げ釣りでは、石ゴカイやアオイソメを使いますが、通し刺しにして、タラシを1〜2cm程度にして小さく針につけます。
イシモチの投げ釣りでは、岩イソメを1匹通し刺しにして、タラシは長く取ります。
付け方2:チョン掛け
チョン掛けは、イソメのアタマの部分をチョンと1回針に刺す付け方です。
イソメがよく動き回りアピールするので、ハゼなどが興味を示し、寄ってきます。
付け方3:縫い刺し
縫い刺しは、針持ちを良くするために、針に刺して反対側に針先を出したら再度反対側から針を刺し、縫うように2〜3回刺す付け方です。
キス釣りやカワハギ釣りなど、摂餌の上手な魚を確実に針掛かりさせるのに適しています。
付け方4:房掛け
房掛けは、アピールを再重視する場合に効果的な付け方で、同種または異種の虫エサを2〜3匹針に刺して魚に最大級のアピールをする刺し方です。
房掛けはエサを大量に消費しますが、集魚効果は最大になります。
カレイの投げ釣りに最も向いている刺し方です。
カレイ釣りの場合は、アオイソメと岩イソメの併用が効果的です。
アオイソメを先に針に刺したあと、アオイソメのアタマを針のチモトを越えてハリスまでこきあげてから岩イソメを針に刺します。
一本の針にアオイソメと岩イソメをつけることで、アピール性が上がります。
アオイソメのアピールと岩イソメの匂いでカレイに最大のアピールをしてくれます。
釣れる魚によるイソメの付け方の違い・コツ
イソメ類はある程度万能な餌で、ほとんどの魚を釣ることができます。
いくつか釣れる魚をピックアップした上で、それぞれのイソメの付け方をご紹介します。
釣れる魚1:キス
キス釣りの定番餌は石ゴカイ(ジャリメ)ですが、イソメではアオイソメがもっともよく使われます。
付け方は、タラシを長くしすぎないように、針に小さくつけるのがコツです。
釣れる魚2:カレイ
カレイは餌を摂るのが上手ではありません。
従って、付け方はイソメを2〜3匹房がけにして、目立たせるようにしてキャストします。
また、岩イソメとアオイソメを一緒に刺すと、岩イソメの匂い効果とアオイソメの動きによるアピール効果でカレイの集魚効果が高まります。
釣れる魚3:アジ
アジ釣りにもイソメが使えます。
細めのアオイソメや岩イソメを使います。
付け方は、軽いジグヘッドにイソメをつけて、ワームによるアジングと同じアクションで釣ります。
釣果を上げるイソメの付け方のコツ・ポイント
では、イソメの付け方のコツをまとめてご紹介します。
頭の硬い部分を切り落とす
状況が渋く、なかなか魚が餌に反応を示さないときは、アタマの硬い部分を切り落とし、柔らかい部分だけを針に刺すことで、魚の反応が良くなる場合があります。
素早くイソメを付ける
餌箱からイソメを取り出したら、なるべく早く針につけたいものです。
素早くつけないと、プチプチ切れてしまうことがあります。
また、体液をたくさん出し滑りやすくなってしまいます。
イソメを餌箱から出したらできるだけ早く針に刺しましょう。
小さく切ってから針につける場合は切ったあまりの部分は生きているイソメをの中に入れてはいけません。
血液や体液で、他の個体がどんどん弱ってしまいます。
イソメの頭を掴みながら付ける
イソメを針に刺す際は、頭の部分を強く握りながら刺すと上手く刺すことができます。
頭を強く握るとアゴを出して攻撃してくることがありますので気を付けましょう。
タラシの長さを調節する
タラシの長さは、魚種によって長くしたほうが良いもの、短くしたほうが良いものがいます。
シロギス、カワハギなど、摂餌が上手な魚を狙う場合は、タラシを極力短くします。
カレイなど、摂餌が下手な魚を狙う場合は、アピール重視でタラシは長くします。
出来るだけ、実査にタラシを短くする、あるいは逆にタラシを長くするなどしてみることで、魚の反応を見ることが大切です。
イソメを交換するタイミング
イソメは水中で死んでしばらくするとダランと伸びてきます。
伸びると同時に色が抜けて白っぽくなってきます。
そうなったイソメは食いが極端に悪化しますので、速やかに交換しましょう。
活きているイソメを付けるのが難しい場合は?
イソメがどうしても触れない人には人工イソメがあります。
生分解性のゴムを使い、魚が好む匂いを出す保存液に漬けてあり、活きているイソメと同等の嗜好性を示します。
【マルキュー】パワーイソメ ソフト(中) 桜イソメ(夜光)
パワーイソメの桜色が岩イソメを彷彿とさせます。
付け方も活きイソメと全く同じです。
夜光タイプなので、夜のアジングやメバリング、シーバスゲームなどにも最適です。
釣り餌として使われるイソメの特徴・生態
最後に、イソメの基本的な特徴、生態、入手方法、保存方法などをご紹介します。
釣り餌に使われる虫餌は、釣具屋で通年売られているものとしては、アオイソメ、岩イソメ(マムシ)、石ゴカイ(ジャリメ)があります。
その他、季節限定で入荷してくるコガネムシやエラコ、チロリなどもあります。
アオイソメと赤イソメ・岩イソメとの違いは?
アオイソメと赤イソメ、岩イソメの違いについて説明します。
赤イソメとアオイソメはもともとは同じアオイソメですが、生息地の違いで、赤色に発色する個体がいて、それを品種改良で定着させたものが赤イソメです。
赤イソメは、アオイソメより身が柔らかく、魚の食いはアオイソメより良いとされています。
価格もアオイソメより1.5倍程度で取引されています。
岩イソメは、アオイソメとは全く別の種のイソメですが、もともと赤色が強いイソメのため、岩イソメを赤イソメと呼んでいる地域もあるようです。
イソメとゴカイの違いは?
イソメとゴカイの違いは、分類上の違いだけと言っても良いでしょうが、イソメ類のほうが大型になる個体が多く、オニイソメは3mを超えるものもあります。
岩イソメで最大1m程度、アオイソメで50〜60cmです。
対してゴカイ類は、あまり大きくなるものは少なく、石ゴカイ(ジャリメ)でせいぜい15cm程度にしかなりません。
イソメと比較すると、ゴカイ類の方が生命力が強く、近年の研究でゴカイの血液中のヘモグロビンには人間のヘモグロビンの20倍もの酸素運搬能力があることが分かっています。
水中でしか呼吸ができないはずのゴカイが、水が干上がった場所でも8時間以上生きることが知られており、その理由について研究がされてきました。
イソメの入手方法
岩イソメ、アオイソメであればほとんどの釣具店で手に入ります。
最近は赤イソメも釣具量販店で見かけるようになって来ました。
釣り場に近い釣具店や船宿などでは鮮度の良いイソメが安価で手に入るでしょう。
また、有名な釣り場の近くのコンビニエンスストアでは、アオイソメ、ジャリメが売ってる場合もあります。
イソメの値段・相場
価格帯でいうと、最も安いのはアオイソメです。
10g100円くらいが相場です。
次が赤イソメ、石ゴカイ(ジャリメ)で、10g150円程度でしょう。
岩イソメは10g200円くらいです。
イソメの購入場所・買い方
イソメ類は、予め50g程度がパック詰めされて販売されている他、量り売りもしてもらえます。
量り売りしてもらう際は、無駄なゴミを少しでも減らすよう、餌箱持参で買いましょう。
そして、砂やおがくずなどは必ず入れてもらいましょう。
大量に消費する場合などは、通販で入手するのも良いでしょう。
【八戸フィッシング】アオイソメ 大パック(150g)
カレイの投げ釣りなどでは潤沢に使います。
大容量のパックがお得です。
【フィッシングショップTポート】活エサ SUPER 本虫(マムシ)
岩イソメ(マムシ、本虫)も通販で入手できます。
釣行現地での入手可否を確認し、手に入らないようであれば事前に入手しておくのも手です。
イソメの保存・保管方法
イソメが余ってしまった場合、2〜3日であれば活かしておくことは可能です。
死んだイソメや切れたイソメを確実に取り去り、よく水で洗います。
その後、海水と同じ塩分濃度(約3.4%)の塩水に浸し、キレイな砂やおがくずをかけて冷蔵庫に入れます。
それ以上の期間保存する場合は塩イソメにして冷凍にすれば1年くらい保管できます。
よく水で洗ったイソメをキッチンペーパーなどで包み水を切り、塩をまんべんなくふりかけます。
イソメからどんどん水が出てきますので、新しいキッチンペーパーで水を吸い取ります。
これを繰り返し、イソメの体表が干しぶどうくらいの乾燥度合いになったら完成です。
イソメの付け方に関するまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、釣りラボでは、「イソメの付け方の基本を徹底解説!釣果をあげる付け方のコツも紹介します」というテーマに沿って、
といったことをご紹介してきました。
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最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。